Live In Europe/Fred Hersch Trio
このアルバム、半年ほど前の4月28日には出ていたんだけど、買いもらしてました。実はフレッド・ハーシュは全追っかけしてないので、今回も、気軽な気持ちで注文の数合わせで利用させてもらいました。しかし、しかし、しかし。聴いたらスゴいのなんのって。もうこのトリオならではのライヴ演奏が詰ってました。ちょっとマニアックかな、とは思いますけど、ここまで独自のサウンドで、変幻自在、しかもトリオとしての一体感のあるアルバムって、他ではそうはないと思います。よくエヴァンス派なんて言葉が使われますが、これはもうハーシュ独自のサウンドですよね。なかなかいい63分間のライヴでした。
Live In Europe/Fred Hersch(P) Trio(Palmetto Records)(輸入盤) - Recorded November 2017. John Hebert(B), Eric McPherson(Ds) - 1. We See 2. Snape Maltings 3. Scuttlers 4. Skipping 5. Bristol Fog (For John Taylor) 6. Newklypso (For Sonny Rollins) 7. The Big Easy (For Tom Piazza) 8. Miyako 9. Black Nile 10. Blue Monk (Solo Encore)
(18/10/15)ライヴ演奏で、1、10曲目がセロニアス・モンク作、8-9曲目がウェイン・ショーター作、他は全曲フレッド・ハーシュ作。ツアーの中で録音を録って聴いてみたら、これがものすごく良かったそうです。1曲目のモンクっぽくもあり、独自色の繊細なフリーっぽさも交えつつ、絶妙なバランスでのトリオの演奏を聴くと、これが素晴らしい。唯一無二のサウンドと言っても過言ではないです。オリジナルの優しいメロディもありつつ、ややソフトにトンガっているサウンドはここでも聴けて、9年もこのトリオでの演奏なので、まさに自由度の高いところをあうんの呼吸で演奏しています。3人でいろいろな方向に連れ添ってサウンドが流れていくさまは、まさに職人芸ではと思わせます。5曲目のバラードも、そのひんやり感がけっこういい。
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工藤さん,こんばんは。
このアルバム,Fred Herschのファンとしてはちょっと微妙なんですよねぇ。いい演奏であることは間違いないんですが,前半のアブストラクトな感覚の強さが,いつものHerschと違うっていう気がします。昨今のFred Herschはこういう感覚の演奏も増えていると思いますが,気力,体力の充実の表れと理解するとしても,やっぱりちょっと微妙なんです。ファンって勝手ですよね。
ということで,TBさせて頂きます。
投稿: 中年音楽狂 | 2018/10/19 18:37
>中年音楽狂さん
TBどうもありがとうございます。
私はたまにしかハーシュのアルバムを買ってないもので、他のアルバムに比べて自由度は高いかなあ、とは思いましたけど、個人的にはそちらの方が好みだったりするので、けっこういいなあ、なんてことを思ってしまいました。ということは、今までとはちょっと違った、ってことにはなるんでしょうけれども。
投稿: 工藤 | 2018/10/19 19:18
910さん、こんばんわ。
この秋の好天で、約1週間旅行に行ってまして・・・910さんのハーシュのアルバム評、本日拝見しました。
私はこのアルバムには若干驚いたのですが・・・このエネルギー感のあるトリオの高揚には圧倒されました。もともと私は彼のアルバムに求めるのはM5."Bristol Fog"のタイプでして、その為の驚きでしたが、ここまで彼が健康回復したことに演奏とその出来と共に感動しています。
投稿: photofloyd(風呂井戸) | 2018/10/22 21:49
>photofloyd(風呂井戸)さん
TBどうもありがとうございます。
中年音楽狂さんもそうですが、ハーシュを追いかけている方たちにとって、このアルバムはちょっと意外感があったような感じですね。確かに5曲目は美しいサウンドでしたし。それでも個人的には、やっぱりこういうのもいいなあ、と思いました。次はどこまで行ってしまうのだろうという気持ちも少々ありましたけれど。
投稿: 工藤 | 2018/10/22 22:39