End To End/Barre Phillips
ECMレーベルの新譜聴き2日目。今日はバール・フィリップスのベース・ソロ作。’68年に初のベース・ソロのアルバムを吹き込んだそうです。それから約50年。83歳になっていて、それでも激しい部分はないにしても、これだけのアイデアを持って演奏できるのは素晴らしいことだなと思いました。ただ、ゆったりと流れていくため、このアルバム、合う人合わない人は出て来るかもしれないなあ、もしくは感動度の濃淡は出てくるとは思います。ECMですしね。もうこれでソロのアルバムは最後らしいところもあり、そういう意味では個人的には感慨深いものはありますね。あとは皆さん次第ではないかと、
End To End/Barre Phillips(B)(ECM 2575)(輸入盤) - Recorded March 2017. - Quest: 1-5. Part1-5 Inner Door: 6-9. Part1-4 Outer Window: 10-13. Part1-4
(18/09/24)全曲ベース・ソロでバール・フィリップスの即興演奏と思われる。収録時間は43分ほど。録音当時83歳で、おそらくソロのアルバムとしては彼の最後のものになるのではないかとのこと。ECMらしく、静かな中でアルコ奏法とピチカート奏法その他を交えて、割とゆったりと進んでいきます。これまでの人生を見渡しているように聴こえますが、あるがままに音を発しているようでもあります。高齢の奏者のインプロヴィゼーションとしては、なかなか冴えていて、速いフレーズはないにしても、ベースの音色も良く、奏法的にもいろいろなアイデアで演奏して聴かせてくれています。確かに曲目通り、組曲的なドラマを感じます。こういう場はなかなか貴重。ただやはり聴く人を選ぶアルバムで、頭の上を素通りしていく人もいるかも。
« Prism I/Beethoven/Shostakovich/Bach/Danish String Quartet | トップページ | Temporary Kings/Mark Turner/Ethan Iverson »
「音楽」カテゴリの記事
- ア・ラブサム・シング/カート・ローゼンウィンケル、ジェリ・アレン(2023.12.07)
- Most Peculiar/Lage Lund Quartet(2023.12.06)
- Strands - Live At The Danish Radio Concert Hall/Palle Mikkelborg/Jakob Bro/Marilyn Mazur(2023.12.05)
- Zartir/The Gurdjieff Ensemble/Levon Eskenian(2023.12.04)
「ECMレーベル」カテゴリの記事
- Strands - Live At The Danish Radio Concert Hall/Palle Mikkelborg/Jakob Bro/Marilyn Mazur(2023.12.05)
- Zartir/The Gurdjieff Ensemble/Levon Eskenian(2023.12.04)
- Arvo Part/Tractus(2023.11.22)
- Call On The Old Wise/Nitai Hershkovits(2023.11.21)
- Thomas Larcher/The Living Mountain(2023.11.20)
「ジャズ」カテゴリの記事
- ア・ラブサム・シング/カート・ローゼンウィンケル、ジェリ・アレン(2023.12.07)
- Most Peculiar/Lage Lund Quartet(2023.12.06)
- Strands - Live At The Danish Radio Concert Hall/Palle Mikkelborg/Jakob Bro/Marilyn Mazur(2023.12.05)
- Zartir/The Gurdjieff Ensemble/Levon Eskenian(2023.12.04)
- 2023年私的ジャズベスト3(2023.11.24)
「ECM2551-2600番」カテゴリの記事
- Danish String Quartet/Beethoven/Webern/Bach/Prism V(2023.05.15)
- Bartok/Casken/Beethoven/Ruth Killius/Thomas Zehetmair/Royal Northern Sinfonia(2023.03.22)
- Danish String Quartet/Beethoven/Mendelssohn/Bach/Prism IV(2022.06.05)
- Leos Janacek/On An Overgrown Path/Camerata Zurich(2021.12.05)
- Danish String Quartet/Beethoven/Bartok/Bach/Prism III(2021.03.22)
コメント
トラックバック
この記事へのトラックバック一覧です: End To End/Barre Phillips:
» Barre Phillips,最後(?)のソロ・アルバム。 [中年音楽狂日記:Toshiya's Music Bar]
End to End Barre Phillips(ECM) Barre Phillips,私にとっては高いハードルとなってきた人である。ベース・ソロでアルバムを作った最初の人はBarre Phill [続きを読む]
« Prism I/Beethoven/Shostakovich/Bach/Danish String Quartet | トップページ | Temporary Kings/Mark Turner/Ethan Iverson »
工藤さん,こんにちは。TBありがとうございました。
Barre Phillipsの年齢を考えれば,ソロ・レコーディングからの引退は仕方ないかもしれませんが,その場にECMを選んだというところが劇的ですね。そして,ECM側でも最大限の対応を図っている感じが,Barre Phillipsの立ち位置を感じさせました。
もっと敷居が高い音楽を想像していましたが,意外と聞けてしまうというところが非常に面白かったです。いずれにしても,レベルの高い音楽だったと思います。
ということで,こちらからもTBさせて頂きます。
投稿: 中年音楽狂 | 2018/09/29 11:57
>中年音楽狂さん
TBどうもありがとうございます。
彼も老いるわけレスけれども、演奏は穏やかだったけれども、それでもこれだけのソロアルバムを出してしまうのは、すごいことだと思います。そして、それを出せるだけのECMの懐の深さも見せつけられました。あとは聴く人次第という余地があるのもいいことですし。
投稿: 工藤 | 2018/09/29 14:59
ようやく聴きました。素晴らしいアルバムで溜息。昔からのECMを想い出させる適切な残響も相まって、最高の出来ですね。
すっかり魅了されました。
http://kanazawajazzdays.hatenablog.com/entry/2018/12/20/173109
投稿: ken | 2018/12/20 17:34
>kenさん
コメントありがとうございます。
これで最後のソロアルバムということもあり、高齢ながらにいろいろなアイデアを織り込んで、いいアルバムに仕上がりました。ベースソロでここまで行ければかなりいいんじゃないかと思います。
投稿: 工藤 | 2018/12/20 19:12