Fire/Dave Liebman
4月の新譜なんですが、作曲者にデイヴ・リーブマンの名前がある曲が多くても、演奏者が有名人ばかりでも、これはサウンド的にはフリー・インプロヴィゼーション中心のアルバムです。ケニー・ワーナーもこういう演奏をする人だとは(まあジャズマンなら当然アリなんですけど)知らなかったなあ。ですので、フリーを許容できる人にはおススメなんですけど、というアルバム。やはりメンバーを見て、おっ、となって買ってしまいますよね。このメンバーだと、普通のフリーをやるわけはないので、聴く価値はあるのですけど、そういう分野を好きかどうかでこのアルバムを受け入れるかどうかが決まってしまうのが、運命の分かれ目と言っていいのかどうか。
Fire/Dave Liebman(Ts, Ss, Wooden Fl, C-Fl)(Jazzline)(輸入盤) - Recorded April 2016. Kenny Werner(P), Dave Holland(B), Jack DeJohnette(Ds) - 1. Flash! 2. Fire 3. Sparks 4. Flames 5. Inferno 6. Ashes
(18/05/13)1曲目は4人のフリー・インプロヴィゼーション、他の曲は全曲デイヴ・リーブマンの作曲。ただ、全体的にフリーっぽいイメージは強い。特に2曲目は32分もあって、壮大でドラマチックななジャズを演奏しています。メンバーも豪華です。一聴してフリーと分かる元気な1曲目でも、やはりベテランたちで聴かせどころが多いように感じます。2曲目も、もしかしてテーマの提示とおおよその構成のみかなと思える自由な展開がなかなかいい感じ。模索するような静かなピアノから対話が始まって、フリー的なやり取り中心に進んで行きます。このメンバーであえてこういうサウンドでアルバムを出すことに意義がある感じ。3曲目以降も火花から炎、猛火とどんどん大きくなって、6曲目の灰になるという、ドラマ化が彼らしい感じ。
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» Dave Liebmanの"Fire":これはあらゆる意味で厳しい...。 [中年音楽狂日記:Toshiya's Music Bar]
Fire Dave Liebman(Jazzline) Dave Liebmanは多作の人である。リーダー作はもちろん,神出鬼没にほかの人のアルバムにもゲスト出演しているから,一体何枚ぐらいアルバムが [続きを読む]
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工藤さん,おはようございます。TBありがとうございました。
このアルバム,聞いていれば,その魅力が増してくる可能性は否定しないのですが,一聴して,また何度も聞きたいと思わせてくれないのが,私にとっては難点でした。
メンツがメンツだけに,演奏のレベルは高いのですが,どうせフリーの路線でやるなら,もう少し違ったやり方もあったと思っています。なので,記事にも書きましたが,私はLiebmanのフリーなら,Evan Parkerとやった方がはるかに好きですし,あっちの方が燃えます。
ということで,私の反応はややネガティブですが,TBさせて頂きます。
投稿: 中年音楽狂 | 2018/07/01 09:28
>中年音楽狂さん
TBどうもありがとうございます。
フリーとなってくると、全体の雰囲気とか、個々のフレーズとかを含め、好みの問題が大きなウェイトを占めるので、それぞれの人のそれぞれの感じ方でいいと思います。私はECM系のフリーを今まで多く聴いてきたので、少し抑えめでも好むのかな、と思います。
投稿: 工藤 | 2018/07/01 11:52