Absence/Kristjan Randalu
ECMの新譜がまた届いてます。ECMほどベースレスが似合う、というか自然なトリオはないんじゃないか、と思います。このアルバムもそう。ジャズと言っていいのかどうか、というようなサウンドでもあるので、万人にはなかなかおススメしてないのですけど、たまにはこういう世界もいいんじゃないかな。ECMらしくて聴きほれてしまうし、レーベルとしては似たフォーマットのアルバムが出る割には、それぞれの特徴を聴き分けられるし。民族的な要素は少し稀薄ではあるけれど、ミニマル的な感じも聴いたら何となくあるような。面白い組み合わせで、いろいろと聴かせてくれるものだと思います。
Absence/Kristjan Randalu(P)(ECM 2586)(輸入盤) - Recorded July 2017. Ben Monder(G), Markku Ounaskari(Ds) - 1. Forecast 2. Lumi I 3. Sisu 4. Lumi II 5. Escapism 6. Adaption I 7. Adaption II 8. Party Clouded 9. Absence
(18/04/26)全曲Kristjan Randaluの作曲(エストニア出身)。ギターはアメリカで、ドラマーはフィンランド。スペースのある繊細で美しいメロディを奏でた後、浮遊感と陰影の場面に入ったり、少し激しかったり場面転換がいくつかある1曲目、ミステリアスで静かな世界を表現している、薄暗い世界の音の連なりを追うような2曲目、幻想的な音使いでサウンドが低めのところから浮かび上がってくる3曲目、2曲目よりやや激しい感じの4曲目、煽情的な混沌としたフレーズから、急に静かで明るい世界に出る5曲目、ギターの持続音とそれを飾る音の連なりが印象的な6曲目、淡々としたやや明るめでミニマル的なサウンドの7曲目、芯もあるけど起伏や浮遊感も感じる8曲目、静かで幻想的、ミステリアスな旋律のタイトル曲の9曲目。
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工藤さん,おはようございます。TBありがとうございました。
このアルバム,ECMらしいと言えば,まさしくその通りで,この楽器編成でやってしまいながら,ちゃんとECMサウンドになっているのが素晴らしです。結局は長年に渡って,ECMのポリシーは変わっていないということですが,新しいミュージシャンでも,ちゃんとそういう色に染めてしまうのがManfred Eicherらしいと思いました。
ということで,こちらからもTBさせて頂きます。
投稿: 中年音楽狂 | 2018/04/29 10:55
>中年音楽狂さん
TBどうもありがとうございます。
ベースレスというのは、やはりフリーかECM系統が多くて、サウンド的には向いているのかなあ、と思います。メンバーの組み合わせによって、出尽くした感を覆して、また新しい個性的なサウンドで出してくるところは見事ですね。
投稿: 工藤 | 2018/04/29 12:05
工藤さま、トラバをありがとうございました。m(_ _)m
ベン・モンダー買いだったのですが、ピアノはもちろん、ドラムも素晴らしくて最高です。
特に、ピアノとギターの2色がごちゃ混ぜにならずに、うっすらと層のような重なりなのが素敵です。
来日ライブにいけるといいなぁ、、と、思ってます。
投稿: Suzuck | 2018/07/09 12:36
>Suzuckさん
TBどうもありがとうございます。
ベースレスでも、こういういいサウンドを聴くと、やっぱりECMっていいプロデュースでいいミュージシャンを連れて来るなあ、と思います。自分もベン・モンダーにも目が行きましたけど、3人でのこのひんやり感と美しさは、いいですねえ。
投稿: 工藤 | 2018/07/09 14:32