Lucus/Thomas Stronen Time Is A Blind Guide
ECM新譜聴きの2日目。今日は1作目がタイトルだったものが今作ではグループ名になっているアルバムです。とは言うもののメンバーチェンジはあって、ピアニストに日本人がいるのがうれしい。もっとも来月には日本人のリーダー作も出るようですけど。ECMって今までも日本人ミュージシャンとは縁が少なかったですからね。北欧のドラマーのアルバムで、けっこうこういう静かな叩き方する人、あちらには多いんですよね。でもそういうところも好きだったりします。メロディアスな作曲をする人だけど、いくらかフリーっぽさも残してはいます。こういう絶妙なサウンドは、やはりECMで聴くのがいい、ってことになるんでしょうね。
(追記)ある人から教えられたのですが、田中鮎美さんはNakamaというグループのピアニストでもあるそうです。これなら入っていて自然ですね。
Lucus/Thomas Stronen(Ds) Time Is A Blind Guide(ECM 2576)(輸入盤) - Recorded March 2017. Ayumi Tanaka(P), Hakon Aase(Vln), Lucy Railton(Cello), Ole Morten Vagan(B) - 1. La Bella 2. Friday 3. Release 4. Lucus 5. Fugitive Pieces 6. Baka 7. Wednesday 8. Tension 9. Truth Grows Gradually 10. Islay 11. Weekend
(18/01/21)1曲目のみ3人作(Thomas Stronen、ヴァイオリン、ベース)で、他は全曲Stronenの作曲。このバンド名では2作目だけど、ピアニストが日本人に替わり、パーカッションはいなくなりました。ピアノ・トリオにヴァイオリンとチェロが加わる基本的な指向性は同じ。1曲目は3人の作曲だけど、ピアノも聴こえるし、インプロヴィゼーションというよりは合作という感じか。北欧オジャズという感じで寒色系の、少しミステリアスなサウンドを持ち、それが静かになったり盛り上がったりしています。何となく、クラシック(現代音楽)との壁を少しすり抜けているような雰囲気も。ドラマー作だけど、メロディは美しく、神秘的なところがあります。それでいて、フリー・インプロヴィゼーション的な自由な空間も静かながら。この感じがなかなか。
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コメント
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いいアルバムですね。内容も録音も。打楽器も弦もピアノも美しいし、抽象的に過ぎず、適当な疾走感もある。
すっかり楽しみました。メンバー的にもNakamaレーベルと繋がっているようです。
http://kanazawajazzdays.hatenablog.com/entry/2018/02/03/161509
投稿: ken | 2018/02/03 20:41
>kenさん
コメントどうもありがとうございます。
お気に召されたようで何よりです。ちなみに、このバンドの前作でのピアニストは、今回同時発売になったオルガンアルバムを出したKit Downeaでした。ピアニストのメンバーチェンジで前作とは少し感触が違ってくるかもですね。
投稿: 工藤 | 2018/02/04 05:03