Contra La Indecision/Bobo Stenson Trio
ECMレーベル新譜聴き3日目。今回の4枚の中では、やはりこのアルバムが目当ての人が多いんだろうな、と思わせる美旋律感。実際にはこのように自在なピアノ・トリオの演奏は、サウンドが落ち着いていても表現は難しいと思うのだけど、そんなことを感じさせずに、さすがベテラン、メロディを紡いでいきます。マンフレート・アイヒャーのプロデュースだし、ここまでならいいっていう線を持っているのだろうな。1曲目のキューバのSilvio Rodriguez作がタイトル曲というところも、何か深い意味がありそうです。まあ、そういうところは気にしないで、音の流れに身を任せていくのがいいのかもしれませんが。
Contra La Indecision/Bobo Stenson(P) Trio(ECM 2582)(輸入盤) - Recorded May 2017. Anders Jormin(B), Jon Falt(Ds) - 1. Cancion Contra La Indecision 2. Doubt Thou The Stars 3. Wedding Song From Poniky 4. Three Shades Of A House 5. Elegie 6. Cancion Y Danza VI 7. Alice 8. Oktoberhavet 9. Kalimba Imressions 10. Stilla 11. Hemingway Intonations
(18/01/21)Silvio Rodriguez作が1曲目、バルトークの曲が3曲目、エリック・サティ作の5曲目、フェデリコ・モンポウ作の6曲目、3人のインプロヴィゼーションの9曲目、ボボ・ステンソン作の7曲目で、他はAnders Jormin作(2、4、8、10-11曲目)。そんなに甘めではないけれども、やはり旋律的には美旋律のアルバムなのかなと思います。2曲目は多少盛り上がりもあり、ちょっと切れ味のあるところも見せていますが。クラシックの曲も、そうでない曲も、あまり境目なく演奏していきます。その分、北欧系の香りがあって、そこがまたいいのだと思います。陰影のつけ方がうまい演奏で、ついひきこまれてしまいます。繊細で、切なくて、フレーズに自由な空間を置きつつも、それがまとまると、そこにはひとつの音世界がある感じ。
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工藤さま、やっぱり、ボボ・ステンソン トリオ、いいですよね。
前作に引き続いて美サイレンスとしか言いようのない美しさでした。
3人の個性がうまく重なり合った空間での、、絶妙な感覚の共有が素晴らしい。
互いにインスパイアされたインプロいっぱいで、、
誰1人ぬけても成り立ちませんよね♪
悶絶しながら聴きました。。
トラバしますね♪
投稿: Suzuck | 2018/01/23 18:21
>Suzuckさん
TBどうもありがとうございます。
このアルバム、適度な甘さと、そして少しきりっとしたところがあって、微妙なトリオのバランスで成立する感じのサウンドで、なかなかいいと思いました。確かにこの3人ならではの音楽だと思います。けっこう好きな1枚となりました。
投稿: 工藤 | 2018/01/23 21:02
工藤さん,こんにちは。TBありがとうございました。
最近はECMもピアノ・トリオのアルバムが結構増えましたが,このアルバムはその中でも上位に位置する逸品だと思いました。ECMらしさ炸裂って感じですよね。
ということで,こちらからもTBさせて頂きます。
投稿: 中年音楽狂 | 2018/02/09 14:23
>中年音楽狂さん
TBどうもありがとうございます。
そう言えばECMのピアノトリオ、増えましたね。この記事はまだアクセス多いので、けっこう人気なのだと思います。自分もこれはなかなかいいと思いました。
投稿: 工藤 | 2018/02/09 15:23