グラマラス・ライフ/大西順子トリオ
大西順子の同時発売のアルバムの2日目。こちらはピアノ・トリオだし、本命に思っている人が多いんじゃないかな。確かにその通りで、日曜の朝聴かなくて良かったと思います。いやはや、聴いていてスゴいインパクトがあります。もうすぐ今年のベスト3をきめることになりますけど、この時期これが出たという事は、その選定にも影響してくるんじゃないかなあ、と思います。いかに複雑なことをさりげなく、そしてダイナミックな表現でやっているかという事は、解説にも書いてありますし、自分もアマチュアバンドの端っこのベース弾きですが、やってることはおぼろげながら理解しているつもりです。到着後、すぐ聴けばよかった。
グラマラス・ライフ/大西順子(P)トリオ(Somethin' Cool)
Glamorous Life/Junko Onichi(P) Trio(Somethin' Cool) - Recorded September 4-6, 2017. 井上陽介(B)、高橋信之介(Ds) - 1. Essential 2. Golden Boys 3. A Love Song (a.k.a. Kutoubia) 4. Arabesque 5. Tiger Rag 6. Almost Like Me 7. Hot Ginger Apple Pie 8. Fast City 9. 7/29/04 The Day Of(From "Ocean's 12")
1-4、7曲目が大西順子の作曲、5曲目はアート・テイタムの演奏曲(ジャズの最初の録音の1曲だそうだ)、8曲目はジョー・ザヴィヌルの作曲と、いろいろ。やはり彼女は大物でした、と、個人的な思いがあります。1曲目は彼女にしては珍しく少し思索的な出だしかなとも思いますが、ダイナミクスも健在。解説を読んでいるとけっこう複雑な演奏をしているようですが、すんなりと入ってきてしまうところも、それでも、難しそうだなと思うところも、いろいろ。相変わらず半端ではないテクニックを見せつけてくれます。そこまで目が行くと気難しい印象ですけど、繊細さとダイナミックさ(こちらの方が大きいか)に心地よく身をゆだねながら聴くと、なかなかの傑作ではないかと思います。6曲目はスゴい彼女の演奏。8曲目はなかなか圧巻。(17年11月15日発売)
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工藤さん,こんにちは。
このアルバムは大西順子らしくてよかったです。工藤さんの記事を拝見して購入しましたが,前作"Tea Times"を全く評価できない私のようなリスナーにとっては溜飲が下がる思いって感じでしょうか。
大西順子は私の記事が気に入らないようで,Twitterに「音楽ってパワーがそんなに大事なんだろうか…?」なんてつぶやいていますが,敢えてコメントする気にもなれず。でも私にとっては大西順子の音楽にはパワーが必要だと思っています。一方でFred Herschにパワーは求めませんが(笑)。
ということで,TBさせて頂きます。
投稿: 中年音楽狂 | 2017/12/27 16:21
>中年音楽狂さん
TBどうもありがとうございます。
パワフルかつ奇をてらわないで、ピアノ・トリオで勝負する、っていう感じの今回の感想でした。おそらく2枚同時発売なので、静と動をうまく分けられたんじゃないかと思います。もちろん静の方も個人的には良かったでした。まあ、ミュージシャンは聴き手の意見は見るにしても、それに突っ込まないのが正しい行き方だと、個人的には思います。
投稿: 工藤 | 2017/12/27 17:32
大西順子というと、ピアノトリオでガンガンいってくれるのが真骨頂な印象が強く、このときのリリースが、バラード集とトリオ+ゲストという2種だったので、ちょっと躊躇したんですが..。
結果として真骨頂とは違った魅力が多く、いずれも面白い演奏で楽しく聴きました。
テキスト内TBありがとうございます。逆TBさせていただきます。
https://blogs.yahoo.co.jp/pabljxan/64380462.html
投稿: oza。 | 2018/01/09 19:58
>oza。さん
コメントどうもありがとうございます。
大西順子、私はバラード集の方から聴きましたけど、そちらもけっこう良かったでした。そして、そのステップでこっちを聴いてみると、かなり衝撃が走りましたです。そんなわけで昨年のベスト3に選ばせていただく、という結果になりました。
投稿: 工藤 | 2018/01/09 21:17