Blue Maqams/Anouar Brahem
ECMの新譜が届きました。New Seriesよりジャズの方を先に聴いておきたいという事で、まず1枚。ECMではもう8枚(かな?)息長くアルバムを出しているウード奏者のアヌアル・ブラヒムの新作。ベースとドラムスに有名なベテランを配すことで、期待は高まります。聴いてみたら、そのベテランたちは、ウードやその曲に合わせた演奏に徹しているのがECMらしくて良いなあ、と思いました。思ったより変拍子の曲が多くて、それも自然なやり取りで聴かせてしまうので、さらりとも聴けますけど、ズブズブとハマるような聴き方になることも。これをジャズと言っていいのか、という問題はあるにせよ、けっこう質の高い音楽だと思います。
Blue Maqams/Anouar Brahem(Oud)(ECM 2580)(輸入盤) - Recorded May 2017. Dave Holland(B), Jack DeJohnette(Ds), Django Bates(P) - 1. Opening Day 2. La Nuit 3. Blue Maqams 4. Bahia 5. La Passonate 6. Bom Dia Rio 7. Persepolis's Mirage 8. The Recovered Road To Al-Sham 10. Unexpected Outcome
(17/11/04)全曲アヌアル・ブラヒムの作曲。彼はチュニジアのウード奏者。曲は、構成上はピアノ・トリオにウードなのだけど、ジャズのイディオム的な演奏はほとんどなく、他のメンバーはウードに寄り添うように、哀愁のある、中東的なエスニックな味わいもある演奏をしています。変拍子も割と多めですが、ブラヒムのために演奏されている場面が77分続きます。それだけカットできる要素が少なかったという事か。ブラヒムの演奏に長時間寄り添っても、自然な感じで聴けるのは、周りのメンバーが素晴らしいウデを持っているからでしょう。曲的にはどの曲も割と印象が似てい入るのですが、そこに違いを見つけるのも楽しい。それがウード的な曲なのかもしれませんけど、実に繊細な楽器だと思います。ECM的なアルバムです。
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工藤さま、トラバをありがとうございました。m(_ _)m
あと、ツイッターでご子息とつながりました。m(_ _)m
アブラムのウードを中心に、アラブの世界とジャズの世界をスムースに行き来する感じで、
ミステリアスでエキゾチックな不思議な世界でした。
でも、相当気に入ってしまい、毎日、車で聴いていました。
投稿: Suzuck | 2017/11/10 17:44
>Suzuckさん
TBどうもありがとうございます。
あと息子とツイッターでつながっていただいてどうもです。彼は今時の若い者のつぶやきなので、気に入らなければ、切っちゃってください(笑)。
これだけのメンバーをそろえていて、それでいてウードが主役に仕上がっている感じは、なかなか魅力的ですね。曲は拍子とかけっこう複雑そうなんですけど、難なく演奏している感が、またけっこういいです。
投稿: 工藤 | 2017/11/10 18:33