Incidentals/Tim Berne's Snakeoil
ECMレーベル新譜聴き2日目。今日のアルバムは、個人的にはこういうサウンドは好きなんだけど、ジャンルで分けたらフリージャズと感じる人が多いと思うので、ちょっと手ごわいかも。裏ジャケにはAn ECM Productionと書いてあって、プロデューサーはデヴィッド・トーン。何だかスティーヴ・レイクが手掛けそうなサウンドですね。でもこのグループもECMでは4作目。一定の需要はあるんでしょう。ただ、録音が’14年となっていて、番号が大きい(新しい)番号になっているという事は、最近の持ち込み音源では、という想像もさせますね。けっこう音量も大きく、一般的なECMサウンドを想像している人は、自己責任で聴いてください。こちらの音も明らかにECMのひとつの方向性ではあるんですけど。
Incidentals/Tim Berne's(As) Snakeoil(ECM 2579)(輸入盤) - Recorded December 2014. Oscar Noriega(Cl, Bcl), Ryan Ferreira(G), Matt Mitchell(P, Electronics), Ches Smith(Ds, Vib, Per, Timpani) - 1. Hora Feliz 2. Stingray Shuffle 3. Sideshow 4. Incidentals Contact 5. Prelude One/Sequel Too
(17/08/18)5曲目前半がMatt Mitchellとの共作で、他は全曲ティム・バーンの作曲。長めの曲が多く、特に3曲目は26分台。トータルで5曲64分。相変わらずフリーかというと、構築されているような部分も目立ち、ジャケットの中身を見ると、メンバーは譜面も参考にして演奏をしているので、自由と構築を行ったり来たりするパターンはここでも踏襲されています。氷のように感じる部分や、メカニカルな盛り上がりが続き、ECMにしてはドシャメシャなフリー、ハッとするほど美しい絡みがあったりと、ドラマチックに進んでいくのが彼としての特徴ではないかと。ECMでSnake Oilを名乗って4作目、ギターが加わり5人になって2作目で、その鋭さはなかなかのものです。プロデューサーはデヴィッド・トーン。ただし、割と聴く人を選ぶかも。
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コメント
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久々のECMのアップです。これも何回も聴いたのですが、その印象をまとめるのに時間がかかりました。
基本的にはフリーと現代音楽の接点的な方向がECM的で、1970年代のアイヒャーの先駆的な取り組みを彷彿とさせるかな、と。ポスト・アイヒャーもこんな感じでいけばなあ、と思います。
投稿: ken | 2017/08/31 17:31
>kenさん
コメントどうもありがとうございます。
ティム・バーンは全追っかけしているわけではなく、ECM以外ではJMT時代の諸作を聴いただけですが、フリーの部分と構築された部分が有機的に絡み合い、時に交互に寄せてくる、というサウンドの部分に心酔しています。曲は変わっても、構成の点では、昔から一貫しているような。たぶんまだこのメンバーというかグループ名で、アルバムを出すんじゃないかと思います。
投稿: 工藤 | 2017/08/31 17:45
すみません、リンク貼り忘れました。
http://kanazawajazzdays.hatenablog.com/entry/2017/08/31/172843
投稿: ken | 2017/08/31 17:53