Small Town/Bill Frisell/Thomas Morgan
ECMレーベルの新譜が1枚届きました。マンフレート・アイヒャーのプロデュースとクレジットには書いてあるのに、ジャケ裏にはAn ECM Productionとしか書いてない、変わった例です。30年ぐらい前にECMにいたビル・フリゼールと、今やベースではECMの顔ともなっている若手トーマス・モーガンのデュオ・ライヴ。淡々と進んでいるようで、何だか奥が非常に深い感じがしました。68分もあっという間です。7曲目は2人の共作になっているけど、ECM的にはこういう場合、フリー・インプロヴィゼーションが多いのだけど、コード進行だけ決めてやり取りしている感じですね。渋めだけど、こういうのを好きな人は、好きだろうな、と思います。
Small Town/Bill Frisell(G)/Thomas Morgan(B)(ECM 2525)(輸入盤) - Recorded March 2016. - 1. It Should Have Happened A Long Time Ago 2. Subcouscious Lee 3. Song For Andrew No.1 4. Wildwood Flower 5. Small Town 6. What A Party 7. Poet - Pearl 8. Goldfinger
(17/05/31)ヴィレッジ・ヴァンガードでのライヴ。2人の共作は7曲目、ビル・フリゼール作が3、5曲目、ポール・モチアン作が1曲目、リー・コニッツ作が2曲目、他は映画音楽など。2人での幽玄な、時にのどかな世界が68分続きます。でも、2人のやり取りは緊密です。モチアンとの演奏を比べてみたくなるけど、印象的には似ている、夢見心地で愁いを含む1曲目、コニッツの曲らしい醒めた4ビートで進んでいく2曲目、明るめで牧歌的な情景から哀愁に表情を変える3曲目、やや快活で明るいカントリー的な4曲目、8ビートでいつものフリゼール節が聴けるタイトル曲の5曲目、これまたビートはっきりめで明るくせまる6曲目、既成曲的なゆったりインプロヴィゼーションの7曲目、渋くて幻影的な演奏が続く映画音楽の8曲目。
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工藤さま、トラバをありがとうございました。m(_ _)m
私もこのアルバムはとても楽しみにしてました。
そして、期待していた内容でとても嬉しいです。
2人は阿吽の呼吸なのですがですが、、
いわゆる超絶技巧とはちょっと違った感性の掛け合いって感じだとおもいました。
トラバいたしますね。
投稿: Suzuck | 2017/06/05 11:18
>Suzuckさん
TBどうもありがとうございます。
この2人の何とも言えない間合いというのか、空気感というのか、そう言うのが好きですね。のんびりしているようでいて音楽の世界を真剣に生きてきた、というのも感じられますし。やっぱりこの2人は引っ張りだこになるだけありますね。
投稿: 工藤 | 2017/06/05 17:49
工藤さん,こんにちは。
ビルフリはいつものビルフリだと思うのですが,Thomas Morganのベースの音の素晴らしさ,そしてビルフリとの相性の良さに驚きました。しかもこのような音楽がVanguardのような場所で録音されたってのが凄いことです。いずれにしても深遠さとアメリカーナな感覚を同居させることには感心させられました。
ということでTBさせて頂きます。
投稿: 中年音楽狂 | 2017/06/14 15:24
>中年音楽狂さん
TBどうもありがとうございます。
この2人のデュオでの組み合わせ、聴いてみたかったです。何といっても2人とも誰とも合わせられるニュー自社んなので、その一体感、まあ、普通のジャズとはちょっと違いますけど、素晴らしいですね。上半期の個人的ベスト3に入ってくると思います。
投稿: 工藤 | 2017/06/14 17:07