Point And Line/Momo Kodama
ECMの新譜2枚目はECM New Series。邦題「点と線」。数少ない日本人の演奏者の2枚目のアルバム。「エチュード」って練習曲のことを意味するそうですが、こんな難解な練習曲、誰でも弾けるものではないですよね。ドビュッシーと細川俊夫の曲をほぼ交互に曲を並べてあるのもECMならではの特徴かもしれません。さらに、細川の曲の一部は世界で初録音だとのことで、そういう点でも興味ある人はいるのかも。まあ、ECMはボーダーレスなので、New Seriesではないソロ・ピアノとの境界もあまり目立たないし、そういう観点から聴いても、あまり違和感はないのでは、と思いますが、どうでしょう。もちろん、こっち方面専門の人にはより興味深く聴けるでしょうし。
Point And Line/Momo Kodama(P)(ECM New Series 2509)(輸入盤) - Recorded January 2106. - Claude Debussy: 1. Pour Les Arpeges Composes Etude XI Toshio Hosokawa: 2. Point And Line Etude II Claude Debussy: 3. Pour Les Quartes Etude III Toshio Hosokawa: 4. Calligraphy, Haiku, 1 Line Etude III Claude Debussy: 5. Pour Les Sixtes Etude IV Toshio Hosokawa: 6. 2 Lines Etude I Claude Debussy: 7. Pour Les Sonorites Oppsees Etude X 8. Pour Les Tierces Etude II 9. Pour Les Huit Doigts Etude VI Toshio Hosokawa: 10. Lied, Melody Etude VI Claude Debussy: 11. Pour Les "Cinq Doights" - D'apres Monsieur Czerny Etude I 12. Pour Les Accords Etude XII 13. Pour Les Agrements Etude VIII Toshio Hosokawa: 14. Ayatori, Magic By 2 Hands, 3Lines Etude IV Claude Debussy: 15. Pour Les Degres Chromatiques Etude VII Toshio Hosokawa: 16. Anger Etude V Claude Debussy: 17. Pour Les Notes Repetees Etude IX 18. Pour Les Octaves Etude V
(17/01/29)クロード・ドビュッシーは19-20世紀のフランスの作曲家、細川俊夫は20-21世紀の日本の現代音楽家。ドビュッシーは晩年の1915年作、「12の練習曲」、細川は’11-13年作の「エチュードI-VI」を取り上げていますが、ほぼ交互に演奏しているのが特徴。後者は世界初の録音の部分もあるとのこと。こういった曲を演奏するのが得意な児玉桃(前作もこういうタイプだった)ですが、独自の境地を開きつつあるのでは。
« Elegy/Theo Bleckmann | トップページ | Mieczyslaw Weinberg/Chamber Symphonies/Piano Quintet »
「音楽」カテゴリの記事
- 1月28日(土)、大阪中津の Vi-code で16時からライヴをやります(2023.01.24)
「ECMレーベル」カテゴリの記事
- Pier Paolo Pasolini/Land Der Arbeit/Christian Reiner(2022.12.10)
- Tonu Korvits/Robert Schumann/Edvard Grieg/Duo Gazzana(2022.11.27)
- The Recordings/Meredith Monk(2022.11.28)
- Affirmation/Arild Andersen Group(2022.11.19)
- Once Around The Room - A Tribute To Paul Motian/Jakob Bro/Joe Lovano(2022.11.18)
「クラシック・現代音楽」カテゴリの記事
- Tonu Korvits/Robert Schumann/Edvard Grieg/Duo Gazzana(2022.11.27)
- The Recordings/Meredith Monk(2022.11.28)
- Evgueni Galperine/Theory Of Becoming(2022.10.27)
- Valentin Silvestrov/Maidan/Kyiv Chamber Choir/Mykola Hobdych(2022.10.19)
- Wolfgang Amadeus Mozart/The Piano Sonatas/Robert Levin(2022.10.04)
「ECM2500-2550番」カテゴリの記事
- Konstantia Gourzi/Anajikon(2021.06.06)
- Franz Schubert/Sonatas & Impromptus/Andras Schiff(2019.04.21)
- Bloom/Areni Agbabian(2019.02.28)
- Beethoven/Liszt/Till Fellner/In Concert(2018.11.25)
- Denes Varjon/De La Nuit/Ravel/Schumann/Bartok(2018.09.12)
コメント
トラックバック
この記事へのトラックバック一覧です: Point And Line/Momo Kodama:
» ユニークな作りの児玉桃によるECM第2作 [中年音楽狂日記:Toshiya's Music Bar]
Point and Line 児玉桃(ECM New Series) 日本のピアニスト,児玉桃がECMからアルバムLa Vallée Des Clochesをリリースした時には,その年のベスト盤の1枚 [続きを読む]
« Elegy/Theo Bleckmann | トップページ | Mieczyslaw Weinberg/Chamber Symphonies/Piano Quintet »
この人のピアノは前作でとても気に入ったので、注文します。最近はフリー系に傾斜しているので、ややECMはお休みなのですが、そろそろまた、と思っています。工藤さんのような、粘り強さがないなあ。
投稿: ken | 2017/01/30 20:15
>kenさん
コメントどうもありがとうございます。
この人のピアノ、いいですよね。なぜECM New Seriesになっているのか、分かる気がします。
私もECMを’80年代後半に集めはじめて、ホームページを作った’97年から起算しても、今の形になるのは’06年の頃だったので、10年ぐらいかかってしまっています。しかも継続的にではなかったですねえ。
投稿: 工藤 | 2017/01/30 21:01
工藤さん,こんばんは。
今回のアルバムはある意味,異色の組み合わせ,そして異色の曲の並びですが,全く違和感なく仕上げてくるところが,Eicherマジックなのかもしれません。私はこういう音楽が好物なので,無条件に気に入ってしまったところがありますが,プロデューサーとピアニストの美しき合作だと思いました。
ということで,TBさせて頂きます。
投稿: 中年音楽狂 | 2017/02/16 21:49
>中年音楽狂さん
TBどうもありがとうございます。
異色の組み合わせ、異色の交互の並びが、なぜかけっこう新鮮に響くんですよね。この人のピアノ、ECM的ジャズ耳で聴いてもなかなかイケるような気がしています。
投稿: 工藤 | 2017/02/16 22:38