Danse/Colin Vallon Trio
ECMの到着した新譜の2枚目。コリン・ヴァロン・トリオの新作です。実はECMってピアノトリオのアルバムを出す割合ってそんなに高くなくて(日本ではピアノトリオが人気ですけど)、ピアノ・トリオで出たからには確かな手ごたえ(ECMのファンにとってはですが)を感じるアルバムが多いです。これもその1枚に入るんじゃないかな。ヨーロッパのピアノトリオは他レーベルでもこういうサウンドのものが出ていたりするので、向うではもう一般的になりつつあるのかもですが。最近はLP作りも意識しているせいか、収録時間が短めなのが、ちょっともったいないといえば、言える。CDのボーナストラックを入れないレーベルなので。
Danse/Colin Vallon(P) Trio(ECM 2517)(輸入盤) - Rcorded February 2016. Patrice Moret(B), Julian Sartorius(Ds) - 1. Sisyphe 2. Tsunami 3. Smile 4. Danse 5. L'Onde 6. Oort 7. Kid 8. Reste 9. Tinguely 10. Morn 11. Reste(Var.)
(17/01/11)トリオは3作目だけど、このメンバーでは2作目。9曲目がPatrice Moretの作曲で、6曲目が3人のインプロヴィゼーションの他は、全曲コリン・ヴァロンの作曲。やはりヨーロッパのピアノ・トリオという感じで、ビート感は薄く、3人で情景描写にせまっていくかのような演奏が繰り広げられます。やや情熱的な部分もありますが、それも温度感が低い中での、ふつふつとした情熱か。やはり収録時間が短めなのはLPとの関係だと思います。構築された粗削りな原案を、相性の良い3人で、磨き上げて聴かせたようなサウンド。いわゆるジャズ的ではないにしろ、その一体感は大したものです。1-2曲目あたりから続く情景感は何とも言えずフィットします。4、9曲目あたりのフリーに近い、あるいはフリーもストーリー的にあり。
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910さま、これも好きです。沁みます。
「ECMってピアノトリオのアルバムを出す割合ってそんなに高くなくて」
なるほど、、言われたそうかもしれませんね。
でも、透徹な中にもふわっとした温度を感じ、好きな路線です。
トラバいたしますね。
投稿: Suzuck | 2017/01/22 11:19
>Suzuckさん
TBどうもありがとうございます。
ECMから出るピアノトリオは自分的には当たりが多いですけど、ヨーロッパ的な(あるいは北欧的な)サウンド、っていう感じになっていますね。他レーベルでもそんなサウンドのアルバムも出回ってくるようになったけど、やっぱり彼のトリオのような、そんな感覚、私もけっこう好きです。
投稿: 工藤 | 2017/01/22 13:45
工藤さん,こんばんは。
私はどうもColin Vallonとの相性が悪くて,このECM3作目を聞いても,どうもピンとこないんですよねぇ。これは完全に相性の問題でしかないのですが,ほかのECMのピアニストを聴いて感じる美的な感覚とかが,どうも響いてきません。
もうこれは趣味の世界でしかないので,私の記事はレビューにも何にもなっていませんが,まぁ仕方ないですね(笑)。
ということで,TBさせて頂きます。
投稿: 中年音楽狂 | 2017/01/25 18:10
>中年音楽狂さん
TBどうもありがとうございます。
どの音楽でも、それぞれ聴く人の人の好みは出てくるものですし、逆にその違いを楽しむってところがあるかもしれません。なので、ブログのコネクションというか、それぞれの方々のご意見が興味深いです。なんでも持ち上げるよりは、いいと思います。ちゃんとしたレビューだと思いますよ。
投稿: 工藤 | 2017/01/25 18:45
かなり好みでした。録音も残響がほどよく、でレコードの音響感を楽しんでいます。
レコードでの発売が多く、困っています。ほどほどがいいなあ。
http://kanazawajazzdays.hatenablog.com/entry/2017/02/18/140246
投稿: ken | 2017/02/18 14:07
>kenさん
コメントどうもありがとうございます。
レコードだと、やっぱりCDとは違う雰囲気で聴けるのでいいですね。最近、ECMはLPの収録時間を意識したCDが多くなってきているので、新譜もLPと並行して出すものが多くなるかもしれませんね。
投稿: 工藤 | 2017/02/18 15:05