Trace Provisoire/Dominique Pifarely Quartet
ECMレーベル新譜聴き3日目で一段落。今日のは新しい録音で、なぜかジャケ裏にはAn ECM Productionと書いてあるのに、プロデュースは裏ジャケには書いてなくて、マンフレート・アイヒャーなんです。こういうことも珍しい。ここでは、まあ、フランスの現代ジャズと言っていい感じの、硬派なジャズが繰り広げられています。ただ、難解な感じもするけれども、あくまでもECMレーベルの、っていうことで、静かな場面は多め。時にそれを飛び越える盛り上がる場面があるにしても。何だか昔のSketchレーベルを思い出してしまいましたが、聴く人を選ぶだろうけど、個人的にはけっこう好きなサウンドです。
Trace Provisoire/Dominique Pifarely(Vln) Quartet(ECM 2481)(輸入盤) - Recorded July 2015. Antonin Rayon(P), Bruno Chevillon(B), Francois Merville(Ds) - 1. Le Peuple Efface I 2. Trace Provisoire I 3. Le Peuple Efface II 4. Vague I 5. Le Regard De Lenz 6. Trace Provisoire II 7. Tout A Deja Commence 8. Vague II
(16/07/07)全曲Dominique Pifarelyの作曲。とはいうものの、フリーなインプロヴィゼーションの要素が全体的に強いので、記譜されている部分と自由な部分があると思います。やはりフランスの現代ジャズなので、かなり硬派なサウンドで、ECMらしく静けさを基調にしながらも、盛り上がる場面もあります。通常のヴァイオリン+ピアノ・トリオのサウンドという想像をしていると、それとはだいぶ違っているかも。自由な場面から、突然、いわゆる彼らのクァルテットでのサウンドに切り替えの部分があって、そこに移行したり戻ったりするところなど、カッコいい。ECMだけど盛り上がる場面では、その範囲を飛び越えます。変拍子も使われているようで、このバンド、テクニシャン揃いだな、という印象。聴く人を選ぶだろうなとは思いつつ。
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工藤さん,こんばんは。
おっしゃる通り,このアルバムはハードル高いですよねぇ。フリーでもないので,聞き辛いってわけでもないですが,独特の「冷たさ」があるように感じます。まぁフランスっぽいと言えば,フランスっぽいですね。
しかし,私の記事に書いたんですが,1年も経たずにアルバム・リリースって,この人,Eicherのお気に入りなんでしょうか?まぁ,わからんでもないですが(笑)。
ということで,TBさせて頂きます。
投稿: 中年音楽狂 | 2016/07/08 22:27
>中年音楽狂さん
TBどうもありがとうございます。
こんな感じで今のフランスのジャズはあるんだろうなあ、と思いました。恐ろしく高度なことをやりつつだと思うんで、けっこう好きなアルバムです。でも皆が好きとは言わないだろうなあ。
前作からすぐにアルバムリリースというのは、やはりお気に入りかもしれませんね。
投稿: 工藤 | 2016/07/08 22:39