Andando El Tiempo/Carla Bley/Andy Sheppard/Steve Swallow
ECMレーベル新譜聴き2日目で一段落。カーラ・ブレイのWattレーベルなどのアルバムはあいにく少ししか聴いてませんけど、ここでのトリオの演奏、ECM2枚目は、やはり考え抜かれた演奏で、せーの、でやっているジャズとは一線を画しますね。サウンドの傾向も、まあ、ECMらしいと言えばらしいし、そういう意味ではマンフレート・アイヒャーのプロデュースでねらったところがうまく出ているんじゃないかと思います。あえて47分という短い収録時間、以前は他のCDで何のことかと思っていたのですが、1枚もののLPで出すという並行した企画もあったんですね。興味深い演奏でした。まだこのトリオ、続くんじゃないかな?
Andando El Tiempo/Carla Bley(P)/Andy Sheppard(Ts, Ss)/Steve Swallow(B)(ECM 2487)(輸入盤) - Recorded November 2015. - Andando El Tiempo: 1. Sin Fin 2. Potation De Guaya 3. Camino Al Volver 4. Saints Alive! 5. Naked Bridges/Diving Brides
(16/05/21)このメンバーではECM2枚目。メンバーの相性としてはなかなかいいです。全曲カーラ・ブレイの作曲で、最初の3曲が組曲。ジャケ写に長い譜面が写っているのは、記譜された部分が多いということだと思いますが、1曲目からけっこう緻密に考え抜かれたメロディやコード進行で、ドラマチックに、ちょっと哀愁をたたえて曲が進んでいきます。3曲目は少しミステリアスなラインがありますが、そこまではその沈んだ色調や、哀愁感が統一されたドラマのように仕立て上げられていて、なかなかいい感じ。4-5曲目も、彼女ならではのメロディラインと、ちょっと妖しげなサウンドが魅力的で、トリオという編成ながら、もっと大きい編成のサウンドを聴いているような錯覚にとらわれます。こういう考え抜かれたジャズもいい。
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» Andando el Tiempo / Carla Bley / Andy Sheppard / Steve Swallow [My Secret Room]
同じメンバーでECMから『Trios 』をリリースしたのが2013年の10月。そ [続きを読む]
» Carla Bley, Andy Sheppard, Steve Swallow Andando El Tiempo [JAZZとAUDIOが出会うと。。。]
Carla Bleyのではなくこの3人でのECMでの2作目です。
前作のときにも書いていますが、それまでCarla Bleyの演奏はほとんど聴いていなかったのですが、前作を聴いてこの音世界にはまってしまったようで、次作が出るという告知に思わず注文ボタンをポチっていました。
ちなみに前作は
Trios (http://blogs.yahoo.co.jp/pabljxan/62501357.html)
そういうわけで、メンツは不動の3人。
Carla Bley(P)、Andy Sh..... [続きを読む]
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910さま、トラバいたしました!
前回の『Trios 』ととても似た感じのアルバムですよね。
ダークでミステリアスな雰囲気が気に入ってます。
そして、3人で呼吸のわかりあった演奏だとおもいました。
カーラさまたち80歳超えって 音だけでは信じられません!
投稿: Suzuck | 2016/07/05 23:03
>Suzuckさん
TBどうもありがとうございます。
統制がとれているのは、やはりカーラの作編曲の力かなあ、なんてことをジャケ写の長い譜面を見て思います。この年齢でこれだけのことを演奏するのはすごいですね。
投稿: 工藤 | 2016/07/06 08:40
前作のクオリティを維持した2作目ということだと思いますが、
でも、なんだかマンネリと思わせない"なにか"がある作品です。
あらためて、凄い3人と思わせます。
というのを、自blogの最後でこんな表現してます。
> 全体に、静謐で妖しげでありながら、見事に美しい音世界はこの3人ならでは
> のものなんでしょう。
> 変わらぬ魅力みたいな感じかも知れませんが、間違いのない魅力でありましょう。
TBありがとうございます。逆TBさせていただきます。
投稿: oza。 | 2016/07/12 20:46
>oza。さん
TBどうもありがとうございます。
年齢的には、特にカーラとスワロウはけっこう行っているんじゃないかと思うんですが、そんなことを感じさせない演奏でした。やはり曲と演奏の魅力がブレンドされて、さらにいいところをいっているようなサウンドです。次回作もあれば聴きたいですね。
投稿: 工藤 | 2016/07/12 21:01
前作と比べると静謐で、よりカーラに焦点を深く当てたアルバムだと思いました。
http://kanazawajazzdays.hatenablog.com/entry/2016/08/10/101603
投稿: ken | 2016/08/10 10:17
>kenさん
コメントありがとうございます。
同じ編成で2枚目となると、1枚目の続きのような感じが普通はあるものですが、このアルバムはそういう感じがないですね。ジャケットの楽譜の長さが物語るように、練られている音楽という感じです。確かにカーラ中心になってきているのかもしれません。
投稿: 工藤 | 2016/08/10 12:56