Black Ice/Wolfert Brederode Trio
ECMレーベル新譜聴き、かなり間をおいて4日目。しばらく忙しかったり、花粉のせいか体調が悪かったりしていました。今日のアルバム、ECMが好きな人には、これぞECMという感じのピアノ・トリオのアルバムではないかと思います。実はECMって、ピアノ・トリオのアルバムの割合があまり高くないんですよね。今日のWolfert Brederodeにしても、前2作はクァルテットでしたし。ただし、ECM好きにはおススメだけど、普通のジャズファンにとっては、不完全燃焼を起こすサウンドなので、一般論では聴く人を選ぶ、というアルバムなんだろうなあ、と思います。トルド・グスタフセンとはまた違ったタイプなので、ECMファンは聴いてみると面白いかも。
Black Ice/Wolfert Brederode(P) Trio(ECM 2476)(輸入盤) - Recorded July 2015. Gulli Gudmundsson(B), Jasper Van Hulten(Ds) - 1. Elegia 2. Olive Tree 3. Bemani 4. Black Ice 5. Cocoon 6. Fall 7. Terminal 8. Conclusion 9. Curtains 10. Rewind 11. Bemani(var.) 12. Glass Room 13. Fall(var.)
(16/04/24)8曲目がGulli Gudmundssonの曲の他は全曲Wolfert Brederodeの作曲。ECM3作目で、トリオは初。13曲で53分と短めの曲が多いけれど、ECMを体現したような静かで温度感の低い(何たってアルバムタイトルが「Black Ice」だし)曲が続きます。メロディが流れていき、ビート感があまりない。そして自由なスペースを与えられた各パートが、静かでもややスリリングなやり取りの場面もあったりして、ただゆったりだけというわけでもなく、トリオで語り合います。淡々とした進行も多いですけれど。タイトル曲の4曲目は8ビート的ながら、もっと奥深い民族的なビートを感じ、その上を文字通り氷のようなピアノが転がっていくような雰囲気。6曲目のベースのメロディはよく練られている感じ。やはりECMという感じがなかなか。
« Tres Trick/外山安樹子トリオ | トップページ | Alba/Markus Stockhausen/Florian Weber »
「音楽」カテゴリの記事
- ア・ラブサム・シング/カート・ローゼンウィンケル、ジェリ・アレン(2023.12.07)
- Most Peculiar/Lage Lund Quartet(2023.12.06)
- Strands - Live At The Danish Radio Concert Hall/Palle Mikkelborg/Jakob Bro/Marilyn Mazur(2023.12.05)
- Zartir/The Gurdjieff Ensemble/Levon Eskenian(2023.12.04)
「ECMレーベル」カテゴリの記事
- Strands - Live At The Danish Radio Concert Hall/Palle Mikkelborg/Jakob Bro/Marilyn Mazur(2023.12.05)
- Zartir/The Gurdjieff Ensemble/Levon Eskenian(2023.12.04)
- Arvo Part/Tractus(2023.11.22)
- Call On The Old Wise/Nitai Hershkovits(2023.11.21)
- Thomas Larcher/The Living Mountain(2023.11.20)
「ジャズ」カテゴリの記事
- ア・ラブサム・シング/カート・ローゼンウィンケル、ジェリ・アレン(2023.12.07)
- Most Peculiar/Lage Lund Quartet(2023.12.06)
- Strands - Live At The Danish Radio Concert Hall/Palle Mikkelborg/Jakob Bro/Marilyn Mazur(2023.12.05)
- Zartir/The Gurdjieff Ensemble/Levon Eskenian(2023.12.04)
- 2023年私的ジャズベスト3(2023.11.24)
「ECM2451-2499番」カテゴリの記事
- Resonances/Marco Ambrosini/Ensemble Supersonus(2019.07.10)
- Bruno Maderna/Luciano Berio/Now, And Then(2017.11.09)
- Bells For The South Side/Roscoe Mitchell(2017.07.04)
- Titok/Ferenc Snetberger(2017.05.22)
- Find The Way/Aaron Parks/Ben Street/Billy Hart(2017.05.10)
コメント
トラックバック
この記事へのトラックバック一覧です: Black Ice/Wolfert Brederode Trio:
» 初めて聞いたWolfert Brederodeのトリオ作はECMファンのツボに入るだろうなぁ。 [中年音楽狂日記:Toshiya's Music Bar]
Black Ice Wolfert Brederode Trio (ECM) 既にECMレーベルにリーダー作を残しているWolfert Brederodeであるが,私はこれまで彼のアルバムは購入してい [続きを読む]
» Black Ice / Wolfert Brederode Trio [My Secret Room]
連休?の谷間という切ない金曜日。 遊び疲れた身体にも、お仕事疲れの身体にも、すす [続きを読む]
» ヴォルフェルト・ブレデロ-デ・トリオWolfert Brederode Trio「Black Ice」 [灰とダイアモンドと月の裏側の世界]
静と思索を透明感ある演奏で・・・・ <Jazz> Wolfe [続きを読む]
« Tres Trick/外山安樹子トリオ | トップページ | Alba/Markus Stockhausen/Florian Weber »
工藤さん,こんにちは。TBありがとうございました。
これはいいですよねぇ。ECM好きにはたまらないピアノ・サウンドに酔わされました。今年のECM作品は(全部は聞いていませんが...(^_^;)),どれもレベルが高くて嬉しくなってしまいます。
私にとっては初めて聞く人でしたが,Manfred Eicherの審美眼にはほとほと感心させられてしまいました。
ということで,こちらからもTBさせて頂きます。
投稿: 中年音楽狂 | 2016/04/29 12:48
>中年音楽狂さん
TBどうもありがとうございます。
マンフレート・アイヒャーも年齢を重ねているのに、今年もかなり飛ばしてますねえ。粗製乱造にならないのが、このレーベルの素晴らしいところです。このアルバム、正にECMらしいサウンドに仕上がっていて、しかも他のピアニストとも違う個性があって、なかなかいいですね。
投稿: 工藤 | 2016/04/29 13:11
910さま、トラバありがとうございました。
全編で寂寥感を感じる演奏でした。
で、静かで繊細な中にドラマチックな流れを感じるので、飽きずに人を惹きつけるものがありますよね。
なんとも不思議な浮遊感も気持ちよかったです。
投稿: Suzuck | 2016/05/08 14:45
>Suzuckさん
TBどうもありがとうございます。
やはりこの雰囲気がECMらしくていいですよねえ。こういう音世界、やろうとしても、けっこう難しいんじゃないかと思います。見事に私たちの欲求をとらえてくれたっていう感じです。
投稿: 工藤 | 2016/05/08 15:55
トリオ作品でのこの味はいいですね。
「Susanne Abbuehl のライブ」でWolfert Brederodeに合ってきましたが、私から見ると、まだスレた感じの無い、なかなかの好青年って言う感じで、好感が持てました。これからが楽しみです。
TBもさせていただきました。
投稿: 風呂井戸 | 2016/05/15 10:03
>風呂井戸さん
TBどうもありがとうございます。
スザンヌ・アビュールのライヴ、行かれたんですね。うらやましいです。このアルバム、やはりECMのファンにはけっこう好まれているようで、今後もこの方向へ行くのかどうか、気になるところです。
投稿: 工藤 | 2016/05/15 11:03