Wild Man Dance/Charles Lloyd
このアルバム、昨年(’15年)4月に出ていたのですが、見落としていました。しかも、2月には手元にあったのに、忙しくてやっと聴けました。ECMから移籍すると、彼の情念的な部分は同じにしても、サウンドが全然変わってしまいますね。温度感の変化というか。まあ、こちらの方が売れるんじゃないかなあとは思うのですが、このアルバム、聴くのに体力がいります(笑)。組曲になっていて、74分間、ほぼノンストップですし。好き嫌いは、やっぱり聴く人によって分かれるんじゃないか、という気もしています。コルトレーンのインパルス時代フリー一歩手前の時期に、割と印象が重なる部分が、個人的にはありました。
Wild Man Dance/Charles Lloyd(Ts)(Blue Note)(輸入盤) - Recorded November 24, 2013. Gerald Clayton(P), Joe Sanders(B), Gerald Cleaver(Ds), Sokratis Sinopoulos(Lyra), Miklos Lucaks(Cymbalom) - Wild Man Dance Suite: 1. Flying Over The Odra Valley 2. Gardner 3. Lark 4. River 5. Invitation 6. Wild Man Dance
(16/03/28)ブルー・ノート移籍第一弾。全曲チャールス・ロイド作曲。組曲で構成されていて、割とドラマチックな展開を見せます。民族楽器もメンバーに加わっているとはいえ、ECM時代と違い、温度感は比較的高いです。あるいはECMでは成しえなかったサウンド。コルトレーン時代のモード期からフリー期の一歩手前のあたりを行ったり来たり、もう少し明るい部分もあるアプローチで、少々混沌としたところもあるのがブルー・ノートらしいかも。74分にわたるライヴでは、アップテンポの曲はなく、それでもエネルギーを感じる部分も多いです。ただ、聴く人を選ぶかもしれないサウンドかなあと。情念的な長い曲が多いので、お腹がいっぱいになります。最後の6曲目はもっと8ビート的な部分が多く、個性的な響きも持つ場面も。
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Charles Lloyd(Ts)Gerald Clayton(P)Joe Sanders(B)Gerald Cleaver(Ds)Sokratis Sinopoulos(Lyra)Miklos Lucaks(Cymbalom)Rec. November 24, 2013, live at Jazztopad Festival, Poland(Blue Note 4712598)「Charles Lloyd/Jumping the Creek(05年)」「Charles ... [続きを読む]
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910さま、トラバありがとうございました。
レーベルが変わってかなりイメージは変わりましたよね。
でも、ロイドの幽遠なる調べ、美しい音色、、やっぱり、ロイドはスピリチュアルな存在だとおもいます。私もコルトレーンの精神世界に繋がっているとおもいました。
しかも、ライブ盤でノンストップ盤、、どんだけ 強面の人なんだと嬉しくなった作品です!
投稿: Suzuck | 2016/03/29 08:35
>Suzuckさん
TBどうもありがとうございます。
こういう熱さを、この歳で表現できるのはけっこうすごいことだと思います。しかも、全曲続けての演奏。コルトレーンの精神世界とのつながりを感じさせる演奏は、強く印象に残りました。
投稿: 工藤 | 2016/03/29 09:05
こちらからもTBさせていただきます。
本作はBlue Noteからの30年ぶり(「Charles Lloyd Quarter / A Night in Copenhagen(85年)」以来)のリリースでしたが、ECM時代とはまた一味違った演奏が楽しめました。
ロイドの根底にはコルトレーンがあるのですが、それを毎回違った形で味付けしているのが素晴らしいです。
投稿: nary | 2016/03/29 20:27
>naryさん
TBどうもありがとうございます。
コルトレーンの世界でも、ロイド風にして演奏しているのがまたいい感じです。ラストの曲は8ビート的な部分もあったし、体力は要しますが調子のよい時に聴けて良かったです。
投稿: 工藤 | 2016/03/29 22:03