River Silver/Michel Benita Ethics
ECMレーベル新譜聴き3日目で一段落。今日のアルバムは割と聴きやすいです。編成も箏(ここでも日本人が入っていることは特筆に値することかも)が入っているほかはオーソドックスで、ビート感の薄い、割と普通なヨーロピアンジャズが聴けると思います。Michel Benitaは過去ECMではアンディ・シェパードのアルバムに2枚参加していて、ECMでは初リーダー作(それともEthicsというグループか?)ということになります。メロディが強く、印象に残る反面、似たようなサウンドは過去にどこかで聴いたことのあるような、という感じにもさせてくれますが。ただ、入っていきやすいんじゃないかと思います。
River Silver/Michel Benita(B) Ethics(ECM 2483)(輸入盤) - Recorded April 2015. Matthieu Michel(Flh), Mieko Miyazaki(Koto), Eivind Aaset(G, Electronics), Philippe Garcia(Ds) - 1. Back From The Moon 2. River Silver 3. I See Altitudes 4. Off The Coast 5. Yeavering 6. Toonari 7. Hacihi Gatsu 9. Lykken 9. Snowed In
(16/01/24)5、7-8曲目を除き、Michel Benitaの作曲。7曲目はメンバーのMieko Miyazaki作。箏が入っているけれども、他の編成は割とオーソドックスなジャズの編成です。ギターがちょっと変わったキャラクターですが。ビート感の薄い曲ですが、どの曲も割と聴きやすく、温度感は低いながらもメロディを感じられる演奏をしています。Matthieu Michelがテーマの主旋律を吹く曲が多いのも、それに影響しているかも。1-2曲目とも似たような雰囲気で、2曲目がタイトル曲にしてはちょっと地味かなという感じも。4曲目は、メロディ、キメ、盛り上がり度などがある、やや目立つ曲。ECMの中でも、何か以前に聴いたことのあるようなサウンドの雰囲気を持っています。ただメロディが強く、安心して聴けるのではないかと思います。
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» Michel Benitaのアルバム:最近こういう音楽はECMではあまり聞いていないような...。 [中年音楽狂日記:Toshiya's Music Bar]
River Silver Michel Benita Ethics(ECM) このアルバム,非常に面白い。まず,バンドの編成がフリューゲルホーン,箏,ギター,ベース,ドラムスなのだ。これからしてどんな [続きを読む]
本作品は記事の通りの良心的な作品だと思います。
強いて言うとEivind Aarsetが参加しているにも係らず、コジンマリとまとまってしまっている点が少々物足りない気もしますがw
今年のMICHAEL BENITA盤、昨年 のEivind Aarset盤 と Ben Monder盤等に共通して言えるかと思うのですが、スタイルを確立したベテラン・アーティストを迎え、「貴方の思うECMとは?」的な作品が目立つ様に思います。
企画としては面白いので、ECMが方針継続してくれる事を願っています。(ダニエル・ユメールとかグエン・レが作品を出してくれると嬉しいかも…)
ではではm(_ _)m
投稿: betta taro | 2016/02/05 17:14
>betta taroさん
コメントありがとうございます。
メンバーがメンバーですが、こういうアルバムだとECMなので、やはり地味になってしまうかなあ、と思います。でも逆にこういうサウンドだからいいのかもですが。
まだ届いてませんがトランペットのAvishai Cohenも最近ECMで出したあたり、今後も中堅ないしベテランを引き込む可能性はあるので、誰が今度は出すのか、楽しみにしている面もあります。
投稿: 工藤 | 2016/02/05 18:24
元々、古楽メインに作品をリリースしていたらしい仏レーベルの "Zig-Zag Territoires" から出ていた前作の Michel Benita - Ethics (2010)を聴きました。
盤の出来栄えは新譜ともに甲乙つけ難く良好です。
(私には琴が前面に出ている新譜よりも、ギターサウンドをより楽しめる前作の方が向いているみたいですw)
両盤を聴き比べると Benita が同じユニットから新しいサウンドを描出しようとしたチャレンジ・マインドが垣間見え興味深く思いました。
ではではm(_ _)m
投稿: betta taro | 2016/02/16 10:10
>betta taroさん
コメントありがとうございます。
やはりECM側からすると安心して聴けるサウンド、というのがあって、他レーベルではどうなんだろうと、興味はあります。ただ現在は繁忙期でヘロヘロ状態なこともあり、また時間を見つけて、音源を探してみたいと思います。いずれECMから自作も出そうな予感もしています。
投稿: 工藤 | 2016/02/16 13:08
工藤さん,こんにちは。
こういう音楽は昔のECMレーベルにはよくあったようにも思えるのですが,最近ではちょっと珍しい感じになりつつあるような気がします。しかし,この編成,この音楽ってやはりECMというレーベルのカラーにフィットしていて,私は大いに楽しんでしまいました。
どうもECMの作品には点が甘くなりがちですが,これも例外ではありませんでした(笑)。
ということで,TBさせて頂きます。
投稿: 中年音楽狂 | 2016/03/20 13:26
>中年音楽狂さん
TBどうもありがとうございます。
過去のミュージシャンで例えると、エンリコ・ラヴァになるのかケニー・ホイーラーになるのか判然とはしませんけれど、聴きやすいタイプのECMの音、という感じがしますね、確かに最近では珍しくなってきているようです。
私もECMになるとやや甘く感想を書いている感じですけど、好きなものはやっぱり好きということで(笑)。
投稿: 工藤 | 2016/03/20 15:30