’14年12月から’15年11月まで聴いたアルバムの中から2015年ベスト3を決めるのですが、今年はもう組みあがっていて、決めるのにそんなに時間はかかりませんでした。個人的今年のトップも、これだ、というのがありましたし。今年は順位は個人的にははっきりしていて、以下の通りです。でも、どれもそれぞれ違った意味で、お腹いっぱいになるアルバムばかりですね(笑)。正統派4ビートじゃないし。
1.ソロピアノでこれだけのヴォリュームのものが出てきて、しかも5時間以上一気に引き込まれてしまったので、これをあげないわけにはいかなくなりました。
10 Years Solo Live/Brad Mehldau(P)(Nonesuch)(輸入盤) - Recorded 2004-2005, 2010-2011, 2013-2014. [CD1, Dark/Light] 1. Dream Brother 2. Blackbird 3. Jigsaw Falling Into Place 4. Meditation I - Lord Watch Over Me 5. And I Kove Her 6. My Favorite Things 7. This Here [CD2, The Concert] 1. Smells Sike Teen Spirit 2. Waltz For J.B. 3. Get Happy 4. I'm Old Fashioned 5. Teardrop 6. Holland 7. Meditation II - Love Meditation 8. Knives Out [CD3. Intermezzo/Ruckblick] 1. Last Chords 2. Countdown 3. On The Street Where You Live 4. Think Of One 5. Zingaro/Paris 6. John Boy 7. Intermezzo In B-flat Major, Op.76: No.4 8. Junk 9. Los Angeles II 10. Monk's Mood 11. Knives Out [CD4, E Minor/E Major] 1. La Memoire Et La Mar 2. Bittersweet Symphony/Waterloo Sunset 3. Intermezzo In E Minor, Op.119: No.2 4. Interstate Love Song 5. Hey You 6. God Only Knows
(15/11/20)10年間にわたるソロ・ライヴの集大成。CD4枚組(LPは8枚組)。ブラッド・メルドーの作曲は[CD1] 4曲目、[CD2] 2、7曲目、[CD3] 1、6、9曲目にあり、他はスタンダード、ジャズメン・オリジナル、ロック、クラシックなど広い範囲の曲を取り上げています。キース・ジャレットの完全即興ソロとは趣向も方向も違い、枚数の多いアルバムでの、この方向のソロ・ピアノとしては随一のものかも。それだけ素晴らしい出来。方向は割とシリアスだし、ジャジーなノリの曲は少しですが、その時々のベストを選んだにしてもセレクトの完成度は高い。10年間といっても、最初の方と後期のものと感覚が開いているのは、他のアルバムの発売とのバランスからか。曲もいろいろなサウンドのものがあり、長い時間飽きさせません。
2.ECMでパット・メセニーが再び演奏する(2曲目だけですが)とは思っていませんでしたし、アルバム自体のコンセプトやサウンドが素晴らしいと思います。今年のECMではダントツのセールスだと思います。
Hommage A Eberhard Weber(ECM 2463)(輸入盤) - Recorded January 2015. Pat Metheny(G), Jan Garbarek(Ss), Gary Burton(Vib), Scott Colley(B), Danny Gotlieb(Ds), Paul McCandless(English Horn, Ss), Klaus Graf(As), Ernst Hutter(Euphonium), SWR Big Band, Michael Gibbs(Arr, Cond), Helge Sunde(Cond) - 1. Resume Variations 2. Hommage 3. Touch 4. Maurizius 5. Tubingen 6. Notes After An Evenning
(15/09/12)2曲目がパット・メセニー作曲(何と31分台で、エバーハルト・ウェーバーのインプロヴィゼーションに基づく、とあります)の壮大なストーリーを感じさせる曲、他はウェーバーの作曲。ウェーバーへの文字通りオマージュとなるライヴで、1-2曲目には彼自身のベースの演奏をテープで重ねてあります。全体のサウンドも彼を意識したもの。アレンジャーも曲によってまちまち。1曲目はヤン・ガルバレクのECMらしいソロのインプロヴィゼーションとベースのテープが重なり合っています。漂う哀愁感とヴァイブラフォンの響きの心地良さからファンクにも向かう3曲目、淡色系のバラードでゆったり進む4曲目、少しゆっくりめながらビッグバンドのカッコ良さが出てくる5曲目、割と明るめでドリーミングなメロディを持つ6曲目。
3.これは上半期でもベストに選びました。内容のスゴさからいっても、やっぱりこれは入ってきますね。でもジャズというよりはプログレに近いか。
The Meridian Suite/Antonio Sanchez(Ds, Key, Vo) & Migration(CAM Jazz)(輸入盤) - Recorded December 15-17, 2014. Seamus Blake(Ts, EWI). John Escreet(P, Key), Matt Brewer(B), Special Guests: Thana Alexa(Vo), Adam Rogers(G) - 1. Grids And Patterns 2. Imaginary Lines 3. Channels Of Energy 4. Magnetic Currents 5. Pathways Of The Wind
(15/07/11)全曲アントニオ・サンチェスの作曲。5曲で55分と1曲平均が長く、曲と曲は続いてますが、壮大だしドラマチックで、賑やかな場面もあれば静かな場面も。変拍子の場面はけっこうあります。変拍子基調もあって時にストップもしたりしながら、盛り上がってこれでもかと来る1曲目、じっくりと進んで前半バラードでありつつ徐々に盛り上がる一部歌詞付きの2曲目、時に爆発しそうに激しく、そしてメカニカルに進んでいくけっこうカッコよいドラムスの3曲目、短いけれど、フリー的展開で激しくぶつかり合う4曲目、静かになりつつもまたドラマチックに進んでいき、21分台もの壮大な物語が進んでいく、そして終わりを迎える5曲目。やはり、パット・メセニー・グループに長く在籍していたことが、曲つくりに大きく影響があるか。
次点その1: 内容の点からベスト3の方に入れるかどうか迷いましたけど、これも素晴らしいアルバムだということで。メンバーも最強ですし。
Past Present/John Scofield(G)(Impulse)(輸入盤)
次点その2: これは旧譜BOXですけど、ECMの3枚中2枚が待望の初CD化(Abercrombie Quartet(ECM 1164、初CD化)、M(ECM 1191、初CD化))、ということで入れてみました。
The First Quartet/John Abercrombie(G, Mandolin)(ECM 2478-80)(輸入盤)
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