Only Sky/David Torn
先にECMレーベルを続けてしまいます。ECMの手持ちはこれで一段落。今日のアルバムはデヴィッド・トーンのセルフ・プロデュース作で、やはりAn ECM Productionのジャケ裏の記述が。シンセサイザーやエレクトロニクスの表記がないところを見ると、エフェクターのたぐいでこういう幅広い、時に音響的な音も出しているんだろうと思います。でも76分は、ちょっと長すぎではないかなあ、と聴いてみて思ったりして。確かに変化には富んでいるのだけれど、流れるようなゆったりしたサウンドが多めなので、パット・メセニーの「ゼロ・トレランス・フォー・サイレンス」とどっちが問題作かなあ、なんてことを思ったりしました。
Only Sky/David Torn(G, Electric Oud)(ECM 2433)(輸入盤) - Recorded February 2014. - 1. At Least There Was Nothing 2. Spoke With Folks 3. Ok, Shortry 4. Was A Cave, There... 5. Reaching Barely, Sparely Fraught 6. I Could Almost See The Room 7. Only Sky 8. So Much What 9. A Goddamned Specific Unbalance
(15/05/31)76分にもわたる、全曲デヴィッド・トーン作曲の、多重録音による主にギターと、エレクトリック・ウードの世界。エフェクターをかけて流れるような感じで、しかも効果音とかオーケストレーションのサウンドを意識した部分(特に1曲目)と、ギター(ウード)らしい音が出ている部分とがあって、ちょっとエキゾチックな雰囲気もあります。ただ、基本的には流れていくような漂うようなサウンドなので、聴く人を選ぶかも。2曲目は牧歌的で明るい、素朴なサウンドを奏でて、そこからディストローションのかかったディープな方向に行く感じ。全体的にゆったりしているのですが、曲ごとのサウンドカラーや曲内での移り変わりはさまざま。エレクトロニクスを多用した音響のような部分も。やはりこういうアルバムはECM独特のものか。
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» 久々のECM聞き:David Tornの新作はハードル高いかもなぁ。 [中年音楽狂日記:Toshiya's Music Bar]
Only Sky David Torn(ECM) 私はECMレーベルの作品は結構買っている方だが,ここのところ,レーベルからのリリース数が多過ぎて,注文しても積んどく状態になっていることが多いのも事実 [続きを読む]
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工藤さん、こんにちは。
このアルバム、ハードル高いですよねぇ。David Tornは何を考えているのかわかりません(爆)。まぁ、こういうのもありだとは思いますが、やっぱりハードルが高いです(笑)。
ということでTBさせて頂きます。
投稿: 中年音楽狂 | 2015/08/13 17:48
>中年音楽狂さん
TBどうもありがとうございました。っと、すいません、TBがスパムの方にも入ってないのでもう一度お願いできれば幸いです。
このアルバム、ちょっと扱いに困りますね。もっと短くコンパクトにできれば、ああ、ECMらしいなあ、ともいえるアルバムになると思うのですが。
投稿: 工藤 | 2015/08/13 20:46
近年はインプロまで聴くので、このあたりはマイルド。とてもECM的だと思いました。
一方、ゼロ・トレランスは感は全く同じです。ちょっとゼロ・トレランスを聴き直さなきゃ、なんて思いました。
トーンのプロデュースですが、仕上がりがアイヒャー的で面白いと思いました。
http://kanazawajazzdays.hatenablog.com/entry/2019/03/18/113405?fbclid=IwAR0YmSYi2s7mc4jfsK01WY-dAajt-TJ1sPTKKD7QXmergDsW6OxGm52j10c
投稿: ken | 2019/03/18 20:34
>kenさん
コメントどうもありがとうございます。
個人的にはこれが40-50分ほどの作品だったらなあ、ということを思いました。ちょっと長くて、最後までなかなか集中力(そんなに真剣に聴いているわけでもないのですけど)がなかなか続かなくて。でも、問題作だったと思います。次回作はどうなるでしょうね。
投稿: 工藤 | 2019/03/18 21:31