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2015年6月の記事

2015/06/30

Nomad Songs/Stephan Micus

2409 ECMレーベルでまた2枚入ってきたので、他にまだ6枚あとまわしになってしまっているCDがあるのですが、先に聴いてしまいます。ちょっと目の調子が悪いので、コメントしやすい方から聴いていってしまおう、ということもありますが。それにしても歳で老眼のせいか、誤字が増えてきて、少し前、合っていると思って確認しても間違えていたのはちょっとショックでした。それはともかく今日のステファン・ミクス、ジャズ度はなくて、無国籍的民族音楽と言った方がいいと思うのですが、ECM初期の頃(JAPO時代を含め)から息の長い、しかも一貫したアルバムリリースを続けている人です。聴いたら案外ハマる人もいるのでは。

 

Nomad Songs/Stephan Micus(All Instruments, Voice)(ECM 2409)(輸入盤) - Recorded 2012 - 2014. - 1. Everywhere, Nowhere 2. Leila 3. The Promise 4. The Stars 5. The Spring 6. The Blessing 7. The Feast 8. Laughing At Thunder 9. Sea Of Grass 10. The Dance 11. Under The Chinar Trees

(15/06/29)全曲ステファン・ミクスの作曲で多重録音。Rdingo、Genbri、Guitars、Suling、Nay、Rewab、Rabab、Shakuhachi、Voiceを使用して、相変わらず多国籍的かつ無国籍的な民族音楽的サウンドの曲を聴かせてくれます。長年にわたって、悠久の時を聴かせてくれるのが、それとも不変の大いなるマンネリ(いい意味で)を聴かせてくれるのか、その都度使用楽器に変遷はあっても、どこか懐かしさのある音楽を奏で、歌ってくれます。使用楽器の中に尺八もあって、日本人にはなかなか泣かせます。素朴なサウンドは相変わらずで、どこの地域にも属さないような民族音楽はありそうでなかなか他では見当たらないと思います。ECMならではのミュージシャンとして、もっと聴かれてもいい人かも。ジャズ度はないですけれど。

2015/06/25

Impromptu/The Rodriguez Brothers

1381
Criss Crossレーベルの新譜聴き3日目で一段落。この2人のアルバムは以前には’07年にSavantレーベルから出ているのを聴いています。また、Michael RodriguezはCriss Crossからリーダー作を発表済みですが、兄弟名義はここでははじめてではなかったかと思います。Michaelの方は最近は、マンハッタン・ジャズ・クインテットでルー・ソロフに代わってトランペットを吹いているので、そちらの方で名前を知っている人も多いかもしれません。このアルバム。メンバーから想像できますが、ラテンジャズ。割とオーソドックスでノリノリのものもあれば、現代ジャズに近いメカニカルなものまでありますけど、けっこういろいろで楽しい印象。


Impromptu/The Rodriguez Brothers(Criss Cross 1381)(輸入盤) - Recorded October 31, 2014. Michael Rodriguez(Tp, Flh, Pandeiro on 5, Per on 8, Vo on 5), Robert Rodriguez(P, Ds on 8, Per on 8, Vo on 5), Carlos Henriguez(B, Vo on 5), Ludwig Afonso(Ds, Vo on 5), Samuel Torres(Congas, Per, Vo on 5) - 1. Impromptu 2. La Guaracha 3. Fragment 4. Descargation 5. Love Samba 6. Latin Jacks 7. Tu Mi Delirio 8. Minor Things

(15/06/24)Michael Rodriguez作が3曲(1、4、6曲目)、Robert Rodriguez作が4曲(2-3、5、8曲目)。メンバーがらも分かる通り、現代ラテンという感じのサウンド。現代ジャズの要素も交えつつ、都会的なラテンになっている変化に富んだ1曲目、メロディアスでありながら浮遊感というか、現代感のあるラテンの2曲目、現代ラテンとしてフレーズも速く、カッコいい3曲目、8ビートの上を、少しメカニカルなテーマで、アドリブは今っぽくも割と普通の4曲目、明るいサンバの曲で全員ヴォーカルといってもコーラスをたまにつける程度の5曲目、都会的で現代ジャズ的色合いのテーマを持つ、これもラテンノリの6曲目、唯一ムードのある静かなバラードを聴かせる7曲目、リズミカルでパーカッションのノリもいい変化に富んだ8曲目。

2015/06/24

Serendipity/Zach Brock

1380
Criss Crossレーベル新譜聴き2日目。ザッハ・ブロックもこのレーベルでは3枚目のリーダー作となります。リーダーとしてのヴァイオリンの腕は、はっきり言ってどの位置にあるのかは分かりませんが、アルバム的にはけっこういいと思ってはいます。今回もサイドのメンバーが魅力的ですし。サイドマンがどういうメンバーが来るかもこのレーベルの追っかけする理由にもなっています。曲も硬派なものからバラードまでいろいろ揃えて、聴いていて飽きないですし、スリリングな場面もありますし。個人的にはオリジナル指向のアルバムが好きですが、こういうサウンドならばこういうアルバムもいいなあ、と思ってしまいます。


Serendipity/Zach Brock(Vln, Baritone Vln)(Criss Cross 1380)(輸入盤) - Recorded November 5, 2014. Aaron Goldberg(P), Matt Penman(B), Obed Calvaire(Ds) - 1. City Of Spring 2. Serendipity 3. Swansea 4. Sunday Walk 5. Spme Other Time 6. Segment 7. Sally's Song 8. Summer Dance

(15/06/23)Zach Brockの作曲は2曲(2、8曲目)で、他はジャズメン・オリジナルやミュージカル、シンガーソングライターの曲など。細かいリズムのついた8ビートで豪快なリズムの上を流麗にヴァイオリンを奏で、ピアノソロはいかつい1曲目、ストップ・アンド・ゴーのユニゾンのテーマからそのまま4ビートに突入して進む2曲目、ポップス的なバラードのメロディが美しく響き盛り上がる3曲目、ダニエル・ユメール作の8ビートで基本的に硬派なサウンドの4曲目、ビル・エヴァンスの演奏でも有名な、しっとりとしたバラードの曲を朗々と奏でる5曲目、チャーリー・パーカー作をアップテンポの4ビートでオーソドックスに演奏する6曲目、アニメ映画の切ないバラードの7曲目、8ビートと8分の6拍子の複合のようなリズムで進む8曲目。

2015/06/22

R & B/Adam Rogers/David Binney

1379
Criss Crossレーベル新譜聴き1日目。アダム・ロジャースとデヴィッド・ビニーの双頭バンドだと、けっこうトンガったことをやっているだろうなあ、と思って曲目を見たら、ジャズメン・オリジナルとスタンダードばかり。どうトンガって料理しているんだろうなあ、と思って聴いたら、かなりオーソドックスな演奏をしています。あれれ、って感じですが、それでもフレーズにメカニカルなところも残っているし、普通に演奏してもけっこういいんじゃないかと思わせる部分も多いので、これはこれでよかったかもしれないなあ、と思います。普通に演奏していてもいいってところをプロデューサーは聴かせたかったんじゃないかと。でも次はトンガってほしいなあと思うのですが...。


R & B/Adam Rogers(G)/David Binney(As)(Criss Cross 1379)(輸入盤) - Recorded February 18, 2014. Reuben Rogers(B), Gerald CLeaver(Ds) - 1. Ah-Leu-Cha 2. Introspection 3. In Love In Vain 4. Africaine 5. Don't Misunderstand 6. Sippin' At Bell's 7. SKy Dive 8. My Ship 9. I Feel A Song Coming On

(15/06/21)アダム・ロジャースとデヴィッド・ビニーの双頭バンド。演奏している曲はジャズメン・オリジナルやスタンダードばかり。このメンバーならけっこうトンガっていると思いきや、アドリブのフレーズなどはメカニカルなところがあるなあ、という感じだけれど、曲全体的にはメインストリーム的に変拍子もなく、ベースとドラムスはけっこうオーソドックスに4ビートの場面も多いです。不思議な感じだけれど、こういう演奏も聴いているとなかなか面白い。チャーリー・パーカー、セロニアス・モンク、ウェイン・ショーター、マイルス・デイヴィス、フレディ・ハバードと、ジャズメン・オリジナルも有名どころが多いし。3曲目とかスタンダードになると、本当に普通のジャズに近づいています。こういう趣向もありかと。アップテンポの9曲目は迫力。

2015/06/19

Many More Days/Third Reel

2431
今日もECMレーベルで、ECMはとりあえず一段落。このグループでは同じメンバーでECM2枚目になります。1枚目のアルバムタイトルがグループ名になった感じです。前にも書いたけど、ちょっと趣向は違うけど、昔のポール・モチアン・トリオを思い出すようなサウンドで、ほのぼのと漂っている感じが多いです。ギターはビル・フリゼールの影響を受けているのかな、とも思えます。まさにECMならではのサウンドだと思いますが、41分で13曲はちょっと短いかなあと言う感じも。またLP化の予定でもあるのでしょうか。予約の段階で、このアルバムだけ高かったけど、結局安めでゲットできたのはラッキーでした。


Many More Days/Third Reel(ECM 2431)(輸入盤) - Rcorded August 20014. Nicolas Masson(Ts, Ss, Cl), Roberto Pianca(G), Emanuele Maniscalco(Ds, P) - 1. Gilberto Stimmung 2. Afterwards 3. Fourth Reel 4. Simple 5. Lara's Song 6. Strand 7. White 8. Happy People 9. Many More Days 10. Hill 11. Fast Forward 12. Two-Part Chorale 13. White Epilogue

(15/06/18)Nicolas Masson作が6曲(4、7、9-11、13曲目)、Roberto Pianca作が2曲(5、8曲目)、Emanuele Maniscalco作が5曲(1-3、6、12曲目)。同じメンバーでのECM2作目で、41分ほどの収録時間に13曲あって、短い曲が多いです。ベースレスで、ギターは1曲目ではシンセサイザーのような音で同じ音が持続して、その不思議な世界に連れていかれる感じ。シリアス度はある程度あるけれど静かな場面も多いし、メロディ的なものの要素も強く、まさにECM的なトリオのような感じ。メロディは強いし作曲者名はあるものの、制作過程はフリー・インプロヴィゼーションに近いものがあるのかもしれない。空間的・時間的な間も広く感じます。ただ、そのメロディは少々地味な表現をしているかなとも。聴く人を少し選ぶか。

2015/06/18

Dino Saluzzi/Imagenes/Horacio Lavandera

2379
ECMレーベルが2枚届いているので、これから先に聴いていきたいと思います。でも今月下旬入荷予定のこのレーベルのCD、注文中のものが3枚あり、今年はECMラッシュの年でもあります。さて、今日はECM New Seriesで、何とアルゼンチンのバンド・ネオン奏者、ディノ・サルーシ作曲のピアノ曲集という、このレーベルならではの録音ですね。Horacio Lavanderaがピアノを演奏しています。ピアノでクラシック/現代音楽的に演奏しても、違和感がなく一つの作品として完成されていると思います。もともと彼の素養の中にはそういうものが見え隠れしていたし、今回一気に発表になったのかと思います。

(追記19日)このアルバムはHoracio Lavanderaというピアニストが弾いているディノ・サルーシ集なので、ちょっと言葉足らずだったため、少し文章を書き直ししました。


Dino Saluzzi/Imagenes/Horacio Lavandera(P)(ECM New Series 2379)(輸入盤) - Recorded October 2013. - 1. Imagenes 2. Los Recuerdos 3. Montanas 4. Romance 5. La Casa 13 6. Claveles 7. Moto Perpetuo 8. Media Noche 9. Vals Para Verenna 10. Donde Nachi

(15/06/17)ディノ・サルーシはアルゼンチンのバンド・ネオン奏者で、ECMから多くのアルバムを発表してます。彼の’60年から’02年にかけての曲でピアノ用に作曲されたものをHoracio Lavanderaがピアノで弾いたアルバム。サルーシ特有の哀愁とか、乾いた白っぽさの雰囲気の場面も残しつつ。クラシック/現代音楽的に響く場面も多いですが、これもアルバムとして聴いて納得の音。New Seriesからの発売は記譜されたものだからか。

2015/06/16

Brooklyn/John Patitucci Electric Guitar Quartet

Johnbrooklyn
ジョン・パティトゥッチのリーダー作が久しぶりに出ました。こういう、いわばある程度ラフなつくり(のように聴こえる)は彼にしては珍しいんじゃないかと思います。自分の耳で2人のギターが区別つけばいいんだろうけれど、ちょっと恥ずかしいけどそれもままならず。6弦ベースは4弦の上と下に1本ずつ弦が張ってあって、高域を弾くとギターと思う人がいると思いますし、ギターやベースの3人に幻惑されている、っていう感じでしょうか。ラストの曲はベースのソロ作品なんだけど、これも1発録りなのか、複雑なフレーズなので多重録音なのか。まあ、そういうのを考えながら聴くのも楽しいし、ありなのかなあ、と思います。


Brooklyn/John Patitucci(B) Electric Guitar Quartet(Three Faces Records)(輸入盤) - Released 2015. Brian Blade(Ds), Adam Rogers(G), Steve Cardenas(G) - 1. In9-1881/The Search 2. Dugu Kamalemba 3. Band Of Brothers 4. Trinkle Tinkle 5. Ugly Beauty 6. LJR 7. Do You? 8. Bells Of Coutance 9. The Thumb 10. Go Down Moses 11. Tesori

(15/06/15)ジョン・パティトゥッチ作は1、3、6-8、11曲目で、他は ジャズメン・オリジナルやスピリチュアルなど。6弦ベースがセミ・ホロウ・ボディのものに変わったため、響きが柔らかく感じます。フロントがギター2本という編成からか、ややラフな感じのセッションにも聴こえますが、そのやり取りはけっこうカッコいいと思います。ギターがどちらがどちらかは、2人ともギブソン(?)のセミアコを弾いているので、自分では判別が難しいですが、あまりそういうことを気にせずに、音域の広いベースを含め、3人の弦を楽しむことができます。バンド名がサウンドを表しています。4ビートもあったりファンク的なビートもあったりとさまざま。54分で11曲と、やや短めの曲が多いのも、まあ、これくらいでいいんじゃないかと思える長さ。

2015/06/15

コンサートに出ました。今年2回目。

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長い休眠期間から今年数十年ぶりに復活して、そして今年2回目のコンサートに出ました。14日日曜日。川崎市の新百合ヶ丘そばの麻生市民館で「麻生音楽祭 2015」の「アンサンブルのつどい」の日に、いつもならアコースティック・コーラス・グループのThe Voicesの、サポートメンバーとしてエレキベースで参加させていただきました。若い時も含めて、キャパ千人の会場で演奏するのははじめて。

とはいっても、半日で21団体が出る過密スケジュールなので、出番は入れ替えを含めて17分ほど。オフコースの曲を3曲やりました。グループはここでは5年目ですが、フルバンドで出るのは初めてなので、反応が気になるところ。いざ本番がはじまって、ドラムスのモニターにシールドがつながっていなくて、ドラマーが全体の音を把握しにくかったかったトラブルはありましたけれど、何とか乗り切りました。3曲目では何と歌に合わせて手拍子が客席からおこったり、全部終わった最後の歓声と拍手は今まで経験したことのなかったものだと、メインのメンバーも言っています。ただ、自分たちから客観的に演奏内容が分かるのは、YouTubeがアップされてからかな。公式のものは画質がいいですが、1-2か月先になります。

今回のグループのいいところは、オリジナルメンバーのコーラスがけっこういいですし、2人のギターもどちらもリードギターになれるので、ツインリードの箇所も、さまになっていたと思います。

まあ、いい経験になったし、楽しんで演奏することが出来ました。また機会があったら、どこかで演奏したいですね。

1週間ほどブログの更新をしないうちに、新しいCDがどんどん届いています。こちらの方もこれからは聴かなければですね。

2015/06/08

From Darkness/Avishai Cohen

Avishaifrom 実は、ベーシストの方のアヴィシャイ・コーエンのリーダー作を買うのは初めてになります(と思う)。しかも、自分から発売前に予約したのではなく、発売後に知り合いから聴かせてもらって、いいアルバムなので購入をした次第です。何と言っても音がいいので、それだけでも得した気分になりますが、いわゆる現代ジャズの変拍子系を多く取り入れている割には、あまりそれが耳につかず、美旋律のいい感じもあって、複雑なのにすんなり聴けてしまうところが魅力。トータル41分という長さが、もう少し長ければなあ、と思う感じでした。もっとアンテナを張り巡らせて、いいアルバムをたくさん聴きたいですね。

 

From Darkness/Avishai Cohen(B)(Razdaz Recordz)(輸入盤) - Recorded May - July, 2014. Nitai Hershkovits(P), Daniel Dor(Ds) - 1. Beyond 2. Abie 3. Helelyah 4. C#- 5. Ballad For An Unborn 6. From Darkness 7. Lost Tribe 8. Almah Sleeping 9. Signature 10. Amethyst 11. Smile

(15/06/07)11曲目がチャップリン作の他は、全曲アヴィシャイ・コーエンの作曲。トータルで11曲41分ほどの収録なので、短めの曲が多い。それよりもオーディオ的に音が心地よいのと美旋律もあるので、聴いていて、すんなりきます。明るめな素直なジャズの曲は11曲目のラストだけで、あとは、けっこう変拍子も入っているようだし、曲自体も複雑な感じはします。スリリングなのだけど、音つくりのうまさが、それをすんなりと聴かせてしまう魅力はあります。ベースの音質や質感もいいし。やはりエキゾチックさもあってイスラエルジャズの音世界が広がっている感じ。複雑な織物の縦糸と横糸が絶妙に合わさって、そのサウンドを作り上げています。ある意味非4ビート系の曲ばかりだけど、うっとりと聴き流してしまう感じです。

2015/06/07

スティル・クレイジー/マンハッタン・ジャズ・クインテット

Mjqstill
自分にとってジャズよりもクロスオーヴァーやフュージョンに親しんだ方が早く、社会人になってから本格的にジャズを聴きはじめました。その頃の時にビル・エヴァンスとマンハッタン・ジャズ・クインテットに強く影響を受けたかな。フュージョン的なシャープな感じも持つデヴィッド・マシューズのアレンジは、往年のジャズファンには、「あれは違う」と一蹴されたこともあるようですが、自分にとっては入りやすく、親しみやすかったです。ファーストとセカンドが当時けっこうな売り上げ枚数で、それで現在につながっていると思うのですが、他のメンバーが全員入れ替わっても、マシューズサウンドは健在なことを、このアルバムで示しています。


スティル・クレイジー/マンハッタン・ジャズ・クインテット(Paddle Wheel)
Still Crazy/Manhattan Jazz Quintet(Paddle Wheel) - Recorded February 25, 2015. David Matthews(P, Arr), Michael Rodriguez(Tp), Chris Hunter(As, Ts), Jon Barr(B), Jimmy Madison(Ds) - 1. Tell Her About It 2. Grampa 3. One Note Samba 4. It's Only A Peper Moon 5. Theme From Good King Bad 6. Nica's Dream 7. S'Wonderful 8. Still Crazy After All These Years

2曲目だけデヴィッド・マシューズの作曲で、彼のアレンジャーとしての音楽歴の最初のジェームス・ブラウンに捧げた曲。他にも、全米No.1になった1曲目、グラミー賞を受賞したタイトル曲の8曲目など、アレンジャーとしての経歴を誇る曲から、ジャズ、ポップスその他いろいろな曲を集めています。分かりやすいユニゾンのテーマが目立ち、それでいてアドリブの部分はガッチリと本格的に演奏し、ジャズにしてはフュージョン的なキメがけっこう多いのが特徴です。ジャズアレンジの難しい8曲目はテーマを丸々1番やって、そこからアドリブという、思い切ったアレンジにしています。でも3曲目は意表を突いたアレンジ。ジャズ初心者に入りやすく、ある程度聴いてきた人も納得する演奏は、なかなか。はっきりとした線を描いています。(15年5月27日発売)

2015/06/04

Uminari/KAZE

Kazeuminari
藤井郷子関連の新譜聴き3日目。KAZEというグループで、確か3枚目。 このグループもやはり「和」を表すのがうまいような気がしています。メロディと非メロディをうまく配分して、鳴き声とか効果音を連想させるような音を出し続けてみたり、メロディでガンガン、あるいは情感にせまってくるところがあってみたり。長い曲が多いですけれども、必然的に構成はドラマチックなものになります。ただ、フリージャズなので、そこが大前提とはなるのですが。4曲目、さすが田村夏樹作と思え、鳴き声や効果音をメインにしながら20分もの演奏。こういうインパクトのある非イディオム系メインの曲ってなかなかないんじゃないかな。


Uminari/KAZE(Circum Libra) - Recorded December 9, 2014. Christian Pruvost(Tp), Natsuki Tamura(Tp), Satoko Fujii(P), Peter Orins(Ds) - 1. Tioky Astimo 2. Vebts Contraires 3. Running Around 4. Inspiration 5. Uminari

1曲目がChristian Pruvost作、2曲目がPeter Orins作、3、5曲目が藤井郷子作、4曲目が田村夏樹作。出だしからかなり激しいフリーの音の洪水でトンガってますが、それでいてトランペットは旋律を奏でているという出だしで、その後静かになったり盛り上がったりとドラマチックな1曲目、静かなところから流れるように時間をかけて徐々に発展していき、他の楽器とドラムスが轟いたり、再び静かに鳴ったりする2曲目、トランペット2台のアンサンブルからはじまって、区切りごとにいろいろ展開していく物語的な3曲目、何かの鳴き声やうごめきが続くようにも聴こえ、田村らしい音作りのこれまたストーリーのある20分台の4曲目、静かな海から文字通り「海鳴り」までをサウンドで表している、聴いて納得のタイトル曲の5曲目。(15年5月9日発売)

2015/06/03

ヤミヨニカラス/藤井郷子 トビラ

Fujiiyamiyo
藤井郷子新譜聴き2日目。フリージャズという世界の事ではあるけれども、そっちの方が好きな人にはけっこう興味深い演奏が多く、多作ではあっても全然飽きないのがいいところです。ただ構築された部分もあるとはいえ、フリージャズ(インプロヴィゼーション)なので、普通のジャズよりは聴く人を選ぶところはありますが。でも、その世界にハマってしまえば、一度は彼女のアルバムを聴いておきたいところです。アルバムによって、表現の幅がいろいろで広くて、参加メンバーによっても違ってくるので、結局全部追いかけてしまってますが。今回もニュートリオ+田村夏樹の新しい編成なので、個人的にはけっこう興味深かったです。


ヤミヨニカラス/藤井郷子(P) トビラ(Libra)
Yamiyo Ni Karasu/Satoko Fujii(P) Tobira(Libra) - Recorded June 17, 2014. Natsuki Tamura(Tp), Todd Nicholson(B), Takashi Itani(井谷享志)(Ds) - 1. Hanabi 2. Run After A Shadow 3. Fuki 4. Wind Dance 5. Centrifugal Force 6. Potential Energy 7. Yamiyo Ni Karasu

全曲藤井郷子作曲。ニュートリオ+田村夏樹のクァルテット編成。曲中の変幻自在な展開が見事。アヴァンギャルドな非イディオム系トランペットではじまり、その後時折出るメロディと花火をモチーフとした音との対比で花火の情感を見せている13分台の1曲目、メカニカルなメロディの動きをしつつも人間味を感じさせるフリーの2曲目、過激なフリーとベースやピアノなどのソロが交互に訪れてくる3曲目、情感のあるピアノから、ベース・ソロ、ドラム・ソロを経て絡み合いつつも盛り上がりを見せる4曲目、やや緩急をつけてメカニカルに走ってみたりそろりそろりと歩いてみたりしながら発展していく5曲目、抒情的で哀愁のバラードから急転直下、メカニカルに過激になる6曲目、幽玄な漆黒を音で表しているタイトル曲の7曲目。(15年5月9日発売)

2015/06/02

一期一会/藤井郷子オーケストラベルリン

Fujiiichigo
藤井さんのアルバム、5月9日に3枚出たのですが、入手が5日ほど遅れて、仕事その他で更新が滞っているうちに聴くのが6月になってしまいました。相変わらずオーケストラのフリーと構築感が絶妙なんですが、今回はフリーの方がより前面に出てきている感じです。これはドイツ(ヨーロッパ)の国民性によるものなのか、あえて作者の意図したものなのかは分かりませんが、日本から移住(?)されてしまった理由が分かるような気がします。音楽的に一段とハードになってきたような気もしますけど、これからもどんどん突き進んでほしいと思います。さて、あと2枚、早く聴かなくちゃ。


一期一会/藤井郷子(P)オーケストラベルリン(Libra)
Ichigo Ichie/Satoko Fujii(P) Orchestra Berlin(Liba) - Recorded January 26, 2014. Matthias Schubert(Ts), Gebhard Ullmann(Ts), Paulina Owczarek(Bs), Natsuki Tamura(Tp), Richard Koch(Tp), Nikolaus Neuser(Tp), Matthias Muller(Tb), Kazuhisa Uchihashi(G), Jan Roder(B), Michael Griener(Ds), Peter Orins(Ds) - 1. Ichigo Ichie 1 2. Ichigo Ichie 2 3. Ichigo Ichie 3 4. Ichigo Ichie 4 5. ABCD

全曲藤井郷子の作曲。ドラムスが2人で、そのドラムスから豪快にはじまり、テーマがゆったりとそのエネルギーの上を流れていく感じ。タイトル曲は4部構成の組曲で、相変わらずストーリー展開が、構築とフリーの間を行ったり来たりしていてうまいです。大曲なので、ソロのスペースも多めにとってあったりと、まさにここでしか出会えない一期一会の世界を切り取った、シリアスなフリー。シリアスなのも作曲によるものなのか、ドイツの国民性と気候のなせるわざなのか。ソロも非イディオム的なものが多め。2曲目もテーマのあと、静かな世界があって、時に「和」を感じます。5曲目は静かな場面から、流れるようなアンサンブルをバックに徐々に盛り上がって、時にドラムスをバックに演奏したり、静かになる物語的な14分台の曲。(15年5月9日発売)

2015/06/01

Only Sky/David Torn

2433
先にECMレーベルを続けてしまいます。ECMの手持ちはこれで一段落。今日のアルバムはデヴィッド・トーンのセルフ・プロデュース作で、やはりAn ECM Productionのジャケ裏の記述が。シンセサイザーやエレクトロニクスの表記がないところを見ると、エフェクターのたぐいでこういう幅広い、時に音響的な音も出しているんだろうと思います。でも76分は、ちょっと長すぎではないかなあ、と聴いてみて思ったりして。確かに変化には富んでいるのだけれど、流れるようなゆったりしたサウンドが多めなので、パット・メセニーの「ゼロ・トレランス・フォー・サイレンス」とどっちが問題作かなあ、なんてことを思ったりしました。


Only Sky/David Torn(G, Electric Oud)(ECM 2433)(輸入盤) - Recorded February 2014. - 1. At Least There Was Nothing 2. Spoke With Folks 3. Ok, Shortry 4. Was A Cave, There... 5. Reaching Barely, Sparely Fraught 6. I Could Almost See The Room 7. Only Sky 8. So Much What 9. A Goddamned Specific Unbalance

(15/05/31)76分にもわたる、全曲デヴィッド・トーン作曲の、多重録音による主にギターと、エレクトリック・ウードの世界。エフェクターをかけて流れるような感じで、しかも効果音とかオーケストレーションのサウンドを意識した部分(特に1曲目)と、ギター(ウード)らしい音が出ている部分とがあって、ちょっとエキゾチックな雰囲気もあります。ただ、基本的には流れていくような漂うようなサウンドなので、聴く人を選ぶかも。2曲目は牧歌的で明るい、素朴なサウンドを奏でて、そこからディストローションのかかったディープな方向に行く感じ。全体的にゆったりしているのですが、曲ごとのサウンドカラーや曲内での移り変わりはさまざま。エレクトロニクスを多用した音響のような部分も。やはりこういうアルバムはECM独特のものか。

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