Gefion/Jakob Bro
ECMレーベル新譜聴き3日目。今日はヤコブ・ブロのECM初リーダー作のアルバムです。ギター・トリオなんだけど、ある時期のビル・フリゼールを思い出すような、そんな感じの牧歌的でゆったりした空間的なサウンド。そこに、トーマス・モーガンとヨン・クリステンセンが絡むとけっこういい味、だしてますねえ。でも、おとなしい曲が多めなので、そこで好き嫌いは分かれるかもな、とも思いますけれども。収録時間も短めで、ちょっともったいないかも、と思います。まあ、彼の通過点としてはこういうアルバムもあってもいいんじゃないかな。彼の好みなのか、マンフレート・アイヒャーの好みなのかは分かりませんけれども。
Gefion/Jakob Bro(G)(ECM 2381)(輸入盤) - Recorded November 2013. Thomas Morgan(B), Jon Christensen(Ds) - 1. Gefion 2. Copenhagen 3. And They All Came Marching Out Of The Woods 4. White 5. Lyskaster 6. Airport Poem 7. Oktober 8. Ending
(15/02/26)全曲ヤコブ・ブロの作曲。収録時間が39分ほどと、短めです。1曲目はタイトル曲で10分に及ぶ曲ですが、明るく牧歌的で、そこにゆったりとインプロヴィゼーションが絡むような、いかにもECMらしい曲。メンバーから見ても、想像はある程度つきましたが。その後も濃淡や長調、短調の差はあれど、そののんびりした風景が広がるような、そういう曲が続きます。刺激は少ないけれど、そういう中での落ち着いたインプロヴィゼーションというのも、このレーベルらしくて、まあいい感じではあります。その中でも3曲目は8ビートのベースの中をギターが揺蕩う感じで、躍動感も出てきます。この中でベースの存在感とセンスはなかなか良い感じ。ただ、空間的な静かな場面がずっと続くので、そのあたり、聴く人を選ぶかも。
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工藤さん,こんにちは。TBありがとうございました。
これは私が最近聞いたECMレーベルの作品の中でも,静謐度はトップ・クラスではないかと思いました。おっしゃる通り,これは聞き手によっては受け容れ難いと思う場合もあるタイプの音楽ですよね。私は好きですが(笑)。
ということで,こちらからもTBさせて頂きます。
投稿: 中年音楽狂 | 2015/02/28 16:20
>中年音楽狂さん
TBどうもありがとうございます。
個人的にはけっこう好きな部類なんですが、普通の人が普通に聴くとやっぱり意見は分かれるかなあ、なんてことを考えてました。ここでのトーマス・モーガンとヨン・クリステンセン、いい味出してますね。特にベースはタダものではないな、と感じました。
投稿: 工藤 | 2015/02/28 17:00
910さま、私も好きです。笑
でも、某有名なプロの方が 「つまんねぇギター」とつぶやかれてましたので、
真っ二つなんでしょうねぇ。。
がっちり弾いて存在を誇示するタイプではないのですが、3人の空間の使い方は最高だとおもいました。。
投稿: Suzuck | 2015/03/09 09:36
>Suzuckさん
TBどうもありがとうございます。
聴く人によって分かれてくるでしょうね。静かな世界を分かる人にとっては面白いですし。このトリオだからこその味があると思います。
投稿: 工藤 | 2015/03/09 17:08
浮遊音の良さ、以上にベース、ドラムが良かったです。特にベースが芯のようで。
そういえば、NYでリーコニッツ、ビルフリのライヴを聴いたとき、浮遊系ふたりに芯を与えていたのはピーコック、でした!
投稿: ken | 2015/10/03 18:38
>kenさん
TBどうもありがとうございます。
そう言えば、トーマス・モーガンが多く参加するようになった時期って、その分ゲイリー・ピーコックが退いてきた時期と重なるような気がします。タイプは少し違うかもしれませんけれど、ECM的な芯のあるベースっていう点では一致するかもしれません。この浮遊感とベース、ドラムスとの対比や融合、いい感じです。
投稿: 工藤 | 2015/10/03 19:25