Break Stuff/Vijay Iyer Trio
ECMレーベル新譜聴き5日目。今回の6枚は発売されている番号の若い順に聴いていってます。その方が迷うことがなくていいですし。ヴィジェイ・アイヤーのトリオは過去にACT盤で1枚しか聴いたことがなかったような気がするけれども、やっぱりレーベルによって出てくるサウンドが違ってくるんだなあ、と思いました。演奏自体、やはりECMを意識している部分があるだろうし、ミキシングやマスタリングでの印象も変わってくると思います。でもその中でも、マンフレート・アイヒャーのプロデュースの割にはけっこう自由にやらせてくれている方じゃないかな。1作目はピアノとストリングス・クァルテットとのアルバムで、明らかに傾向が違っていたので、比較するには今回がいいかもね、と思います。でも、個人的には好きな方。
Break Stuff/Vijay Iyer(P) Trio(ECM 2420)(輸入盤) - Recorded June 2014. Stephan Crump(B), Marcus Gilmore(Ds) - 1. Starlings 2. Chorale 3. Diptych 4. Hood 5. Work 7. Blood Count 8. Break Stuff 9. Mystery Woman 10. Geese 11. Countdown 12. Wrens
(15/01/20)5曲目がセロニアス・モンク作、7曲目がビリー・ストレイホーン作、11曲目がジョン・コルトレーン作で、他はヴィジェイ・アイヤーの作曲。バリバリの変拍子のトリオを聴かせてくれるのを期待してましたが、ECM寄りのところはあるにしても、その落ち着き加減もまたいい塩梅で、十分魅力的。幾何学模様のようなトリオ・サウンドの曲もあるし(例えば4曲目、8、9曲目の出だし、11曲目など)。ミキシングやマスタリング次第で印象も変わっているかも。でも、例えば2、3曲目の中途から盛り上がっていて、11曲目も、そのあたり彼自身の自由な演奏を感じます。フェードアウトの曲がいくつか。既成曲も雰囲気もあるけれど、よりオリジナルっぽく聴こえます。7曲目はソロ・ピアノ。アルバムを頭と体をフル動員して聴く感じ。
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Vijay Iyerのリーダー作は、過去に2枚(下記)聴いています。
Historicity (http://blogs.yahoo.co.jp/pabljxan/58747928.html)
Accelerando (http://blogs.yahoo.co.jp/pabljxan/61295336.html)
が、その後全部買いしたくなるようなこともなく、ましてや多くリリースされている過去のリーダー作(http://vijay-iyer.com/albums-2/)も特にチェ..... [続きを読む]
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工藤さん,続けてこんばんは。
前作から転じてのトリオ作は非常にいい出来だと思ってしまいました。そうした中で4曲目はハードなミニマル・ファンク的だったのが面白かったです。やはりこの人,破格の才人だと思わされました。
ということで,こちらもTBさせて頂きます。
投稿: 中年音楽狂 | 2015/01/21 23:57
>中年音楽狂さん
TBどうもありがとうございます。
やはりACTでの録音とECMでの録音と違うなあ、と思いましたが、彼は彼でマイペースを貫いている感じにとらえました。それにしてもECMには才気あふれる人が集まりますねえ。
投稿: 工藤 | 2015/01/22 06:55
クリポタに引き続き、ヴィジェイも素晴らしかったです!
ずっと、前から本人は「まず、リズムありき」って、公言してたんですが、
時代が丁度追いついてきた感じでしょうか。。
ライブは、ものすごい大きな力に飲み込まれる感じで 自然と体がゆれてしまいました。
また、来日してくれるといいな。。♪
投稿: Suzuck | 2015/01/26 18:23
>Suzockさん
TBどうもありがとうございます。
確かにリズムに対するアプローチがスゴいですね。変拍子も多いし。たぶん彼は次もECMから出しそうな予感です。ライヴには行ったことがないので、チャンスがあれば行ってみたいと思います。
投稿: 工藤 | 2015/01/26 22:57
こちらからもTBさせていただきます。
本作はACTからの過去盤と比較するとアグレッシブさが希薄でしたが、似たようなゆったり目のテンポの曲が続くわりにはそれなりに楽しむことができて、さすがにこのメンバーだけのことはあるなあと思いました。
投稿: nary | 2015/02/10 18:42
>naryさん
TBどうもありがとうございます。
そうなんですよね。私もACTのアルバムを聴いてみたい理由がそこにあります。ただ、彼もECMに合わせながらもけっこう自由にやっているなあ、ということを感じました。
投稿: 工藤 | 2015/02/10 20:02
Vijay Iyerは、過去に2枚(非ECM盤)を聴いてますが、"こりゃ凄い。他のアルバムもいろいろ聴かねば。"とはならなかったのですが、
この盤を聴いたら、思わず"こりゃ凄い。"と思いまして、ここにきて一気に才能を開花させたか!!と感じたんですが。。。 次作も迷わず買うと思います。
TBありがとうございます。逆TBさせていただきます。
投稿: oza。 | 2015/06/07 18:25
>oza。さん
TBどうもありがとうございます。
ACT的な部分やECM的な部分で感動度合いが人によって違うにしても、こりゃタダものではないな、と思う人は多いかと思います。私も自作はどこから出たとしても買おうと思ってます。すごいピアニストです。
投稿: 工藤 | 2015/06/07 20:44