Three Times Three/Antonio Sanchez
アントニオ・サンチェスの新譜も到着してからすでに40日以上が経過してます。このアルバム、どうしてもっと早く聴かなかったんだろうと思いました。メンバーからすると3つに分かれてますけど、何たって、それぞれで3枚のリーダー作が作れるような豪華な顔ぶれ。まあ、その分それぞれのグループでの収録時間は短めですけど、それでもCD2枚組になってしまいましたし。それを輸入盤だとCD1枚分ほどの値段で買えてしまうのは、お得感満載です。アントニオ・サンチェスは盛り上げるタイプのドラマーで、どんな曲でも盛り上がってしまうような感じが好みかどうかにもよりますけど、今年出たアルバムの中では出会ってかなり良かった方の部類になります。トリオ、3曲、3組、ってやっぱりタイトルに関係あるんでしょうね。
Three Times Three/Antonio Sanchez(Ds and Add Key on 2)(Cam Jazz)(輸入盤) - Recorded October 27, 2013(on 1-3), December 4, 2013(on 4-6), December 16, 2013(on 7-9), Brad Mehldau(P on 1-3), Matt Brewer(B on 1-3), John Scofield(G on 4-6), Christian McBride(B on 4-6), Joe Lovano(Ts on 7-9), John Patitucci(B on 7-9) - 1. Nar-this 2. Constellations 3. Big Dream 4. Fall 5. Nooks And Crannies 6. Rooney And Vinski 7. Leviathan 8. Firenze 9. I Mean You
(14/10/25)CD2枚組で、3曲ずつ3つのトリオでの贅沢な演奏。アントニオ・サンチェス作が6曲(2-3、5-8曲目)で、他はジャズメン・オリジナル。1曲目はNardisで、このメンバーだからなのか、ちょっと普段と違って、そして盛り上がり。ピアノの個性的な演奏がカッコいい2曲目、盛り上がりつつも厳かな感じがするバラードの3曲目、太いボトムに支えられつつ浮遊感満点のギターが燃え上って行くのがいい4曲目、16ビート基調の5拍子のファンクが中盤で4拍子のアップテンポになる5曲目、アップテンポの4ビートもあるジョン・スコ感満載の6曲目、サックストリオも変拍子でやはり燃え上る感じの7曲目、この中ではやや静かで内省的と言えなくもないやり取りが展開する8曲目、いかにも彼らの演奏ですがモンクらしさもある9曲目。
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Antonio Sanchez(Ds, Additional Keybords on "Constellations")
Brad Mahldau(P)
Matt Brewer(Ac-B)
John Scofield(G)
Christian McBride(El-B, Ac-B)
Joe Lovano(Ts)
John Patitucci(Ac-B)
Rec. October 27, December 4, December 16, 2013, NY
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Antonio Sanchezの新譜は、Pat Metheny Unity Groupの来日(http://blogs.yahoo.co.jp/pabljxan/62865729.html)の直前でのリリースになりました。
前作は2013年の New Life (http://blogs.yahoo.co.jp/pabljxan/61915068.html)で、さらにその前は、2010年の Live In New York At Jazz Standard (http://blogs.ya..... [続きを読む]
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こんばんは。
私もこのアルバムは今年の上位にランキングされました。
メルドー、ジョンスコ、ロバーノの良さがそれぞれ出ていて、かつサンチェスのアルバムとしての一貫性が感じられるあたりに、サンチェスが単なるドラマーではないと再認識しました。
サウンド・プロデュースの面も含め現代屈指のドラマーであることは間違いないと思います。
トラバさせていただきます。
投稿: いっき | 2014/10/25 19:59
>いっきさん
TBどうもありがとうございます。
出会って良かったアルバムの1枚(2枚?)になりました、いっきさんが書かれているように、何とも贅沢なミュージシャンを3組呼んで、しかもドラマーのリーダー作として成り立ってしまっているところがスゴいと思います。しばらく何度も聴くことになりそうです。
投稿: 工藤 | 2014/10/25 20:27
こちらからもTBさせていただきます。
サンチェスのアルバムはいつもそうですが、本作も期待以上の素晴らしい演奏で大満足です。
まだ2ヶ月残ってますが、今年のベスト1もこれに決めました。
投稿: nary | 2014/10/26 21:25
工藤さん,こんばんは。TBありがとうございました。
これはまじで強烈なインパクトを持ったアルバムでした。ジャズを聞くことによる興奮を心底感じさせてくれるアルバムは,そうそうないですよね。ジャズ・ファンには評価されて当然であり,更に幅広いオーディエンスに聞かせたい傑作だと思いました。
ということで,こちらからもTBさせて頂きます。
投稿: 中年音楽狂 | 2014/10/26 21:49
>naryさん
TBどうもありがとうございます。
これだけ密度の濃いアルバムになって来ると、なかなかないので、私の方もベスト3に入ってくる可能性もたかいなあ、と思います。素晴らしいです。
投稿: 工藤 | 2014/10/27 07:52
>中年音楽狂さん
TBどうもありがとうございます。
けっこういいですよね。たぶんすでに彼はCamJazzの中で別格扱いで、こういうメンバーを呼べて、しかも2CDになっても作ってしまえるのかな、と思いました。
投稿: 工藤 | 2014/10/27 07:58
わたくしも、遅くなりましたがブログアップいたしました。
三人、三組、三曲、、三にこだわったアルバムでしたが、、
招集したメンバーの実力が発揮された素晴らしいアルバムでしたね。
トラバありがとうございました。
とらばしましたー♪
投稿: Suzuck | 2014/11/05 18:36
>Suzuckさん
TBどうもありがとうございます。
CDにして1枚だと長すぎるし2枚だとちょっと短いかなと思える微妙に半端な作りを演奏の良さでカバーしてしまっているようなところがありますね。製作サイドがわがままを許してくれたみたいな。いろいろこだわりがあると思うのですが、演奏が3通り楽しめたのが良かったです。
投稿: 工藤 | 2014/11/05 20:22
かな~り遅れての記事アップですが(汗)
おっしゃるとおり、3つのアルバムにしてリリースできるクオリティの演奏を、凝縮したアルバムで、密度感と満足度共に高いアルバムでありました。
年間ベストに挙げる人多数と推測しております。
TBありがとうございます。逆TBさせていただきます。
投稿: oza。 | 2014/11/29 07:50
>oza。さん
TBどうもありがとうございます。
そうなんですよね。普通に考えるとアルバム枚分できてしまう。もったいないです(笑)。それだけにインパクトがかなりありましたです。
投稿: 工藤 | 2014/11/29 12:13