私的’14年上半期のジャズ・フュージョン ベスト3
今年上半期の購入枚数は、輸入盤60枚(うちECM34枚)、国内盤11枚、中古盤2枚の計73枚でした。昨年上半期よりは10枚強減ったかな。でも国内盤の廉価盤購入が減っただけという感じも。そしてECMに関しては全部買いを心がけているため、昨年よりも増えてしまいました。
今年の上半期ベスト3ですが、非常にベタです。他の人が選んでもこのセレクトになりそうな、ならなそうな(笑)。まあ、いいじゃありませんか、今回はお許しを。3枚迷わず出てきましたけど、順不同ということで、また順番は付けずに、ササッと並べてしまいます。これの枚数をもう少し増やすと、個性がもっと出てくるのでしょうけれども。
Kin(←→)/Pat Metheny Unity Group(G, G Synth, Electronics, Synth, Orchestrionics)(Nonesuch)(輸入盤) - Recorded June 2013. Chris Potter(Ts, Bcl, Ss, Cl, Afl, Bfl), Antonio Sanchez(Ds, Per), Ben Williams(B), Giulio Carmassi(P. Tp, French Horn, Cell, Vib, Cl, Fl, Recorder, As, Wurlitzer, Whistling, Vo) - 1. On Day One 2. Rise Up 3. Adagia 4, Sign Of The Season 5. Kin(←→) 6. Born 7. Genealogy 8. We Go On 9. Kou
(14/02/14)全9曲をパット・メセニー作曲。拍子の複雑なものもあったり、曲中でもまさに変幻自在に動いていき、70分ほどをパット・メセニー節で一気に聴かせてくれます。録音はけっこう大がかりだったと思うけれど、最初から最後までドラマのように楽しませてくれます。本当に5人編成? ジャズでもフュージョンでもあり、それよりもメセニー・ワールドと言った方がいい世界。ギターは当然前面に出てくるところが多いですが、グループサウンドの方にシフトしているせいか、まとまりはあります。クリス・ポッターが前面に出ているのは少なめでも存在感あり。Giulio Carmassiのマルチ・インストルメンタリストが加わって、サウンドのスケールが増した感じで、一部に自由な部分を残しつつ、グループとしては文句なしのまとまり感があります。
Alive/上原ひろみ(P)(Telarc)
Alive/Hiromi(P)(Telarc) - Recorded February 5-7, 2014. The Trio Project Featuring: Anthony Jackson(B), Simon Phillips(Ds) - 1. Alive 2. Wanderer 3. Dreamer 4. Seeker 5. Player 6. Warrior 7. Firefly 8. Spirit 9. Life Goes On
全曲上原ひろみの作曲。このトリオのCDは3枚目。相変わらずスゴいトリオです。どの曲もドラマチックな展開。荘厳にはじまり、性急な感じの変化に富むリズムで突っ込んでくる緩急自在の1曲目、しっとりと静かにせまると思うと中盤4ビートの、ドラマチック感じが印象的な2曲目、7拍子基調で、やはり進行しながら変化していく3曲目、シンプルな8ビートで落ち着いた長調系の4曲目、変化していく安定したリズムの上を縦横無尽にピアノがかけめぐる5曲目、しっとりとはじまり、複雑なリズムを経て盛り上がって行くダイナミクスの大きい6曲目、クラシックのようにピアノが静かにはじまり、そのままソロ・ピアノで語りかける7曲目、シンプルにゴスペル的な進行をしていく8曲目、活発なリズムの曲でごキゲンな雰囲気で最期を飾る9曲目。(14年5月21日発売)
Stories/Enrico Pieranunzi(P)(Cam Jazz)(輸入盤) -Recorded February 22 and 23, 2011. Scott Colley(B), Antonio Sanchez(Ds) - 1. No Improper Use 2. Detras Mas Alla 3. Blue Waltz 4. The Slow Gene 5. Which Way Is Up 6. Where Stories Are 7. Flowering Stones 8. The Real You
(14/05/31)4曲目がスコット・コリー作で、他は全曲エンリコ・ピエラヌンツィ作。アルバム的には時々ある激しめの曲がアクセントか。いきなり変拍子系のハードでアグレッシヴな展開になっていて、フリーへの接近も見せている1曲目、哀愁の渋いメロディでせまって、それでいて盛り上がるラテンリズムでの2曲目、活発に演奏していてもやはり美メロの素質は隠せないワルツの3曲目、やはりワルツ系でしっとり感と哀愁のたかい静かめの4曲目、変幻自在なフリー的な演奏が展開する、このアルバムの中ではちょっと異質な5曲目、しっくりと慈しむようにメロディを弾いていくバラードの6曲目、最初自由なんだけど淡白に展開していって、まとまりとやや盛り上がりのある7曲目、ゆったりとして牧歌的に語りかけるように演奏する8曲目。
次点は
Portlaits/Chick Corea Solo Piano(Stretch)(輸入盤)
サブテクスト/スティーヴ・カーン(55 Records)
ここ数年、購入盤を絞り込む傾向にあるため、もっといいアルバムが存在するかもしれませんが、聴いた中では、ということでお許しください。
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コメント
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ご無沙汰しております。
今年も上半期を終えましたが、早速のベスト盤紹介興味深く拝読しました。
Kin はやはりチャート・インですかw
↓わたしは、ジャギ専リスナーなので、ジャギの上期ベストを公開してみました。
http://kjc-guitar-betta-taro.at.webry.info/201407/article_1.html
今後とも何卒宜しく御願い致します
投稿: betta taro | 2014/07/06 06:58
>betta taroさん
どうもお久しぶりです。
この時期、周りで上半期ベスト3をやる人が多いので、ちょっと早めに出してしまいました。ジャズの場合、10人10色になる場合が多いので(人によっては旧譜を出してくる場合もあるし)、なかなか興味深いです。で、自分の場合はちょっとベタだったかな、と思います。セールスとが評判も加味すると、まあ、こんな感じかな、と思います。
投稿: 工藤 | 2014/07/06 09:40