Anacapa/David Binney
Criss Crossレーベル新譜聴き3日目。今回のCriss Crossは4枚とも方向性が違って(ってまだ4枚目は聴いてませんけれども)、面白いです。特に今日のデヴィッド・ビニーが異端だったんじゃないかな。せめてクレジットに誰が何曲目に参加か書いてもらえれば(英文ライナーにはどの曲で誰がソロを取っているか書いてあるのもありますが)。ギターは全曲ではなくて数曲ずつの参加にとどまっているようですし(追記-たぶんほとんどの曲で2人参加しているんでは)。こういうエレクトリックの要素も強いファンクジャズは王道のジャズファンには鬼門かもしれませんけど、けっこう面白いことは面白いです。これも現代ジャズの要素ですしね。デヴィッド・ビニーのソロが多いのも収穫かも。
(追記)改めてど真ん中でよく聴いてみると、基本的に2ギター、2ドラムスのバンドのようです。
Anacapa/David Binney(As, Ts, Ss, Vo, Synth, B)(Criss Cross 1370)(輸入盤) - Recorded Fabruary 13, 2014. Wayne Krantz(G), Adam Rogers(G), John Escreet(P, Key), Matt Brewer(B), Obed Calvaire(Ds), Dan Weiss(Ds, Tabla), Sergio Krakowski(Pandeiro), Louis Cole(Vo), Nina Geiger(Vo) - 1. She Loves, Introduction 2. The Golden Zone 3. Massive Humanity 4. Distant City 5. Anacapa 6. Waiting For The Blast 7. Imagination Sets Us Free 8. Heart Shaped Mind 9. Santo Spirito 110. She Hates, Outro
(14/06/24)全曲デヴィッド・ビニー作曲。Criss Crossでは珍しいエレクトリックの要素が大きい現代ファンクジャズ。多重録音をやっているものもあるだろうし、同一楽器で2人担当のものもあるけれど、音が混とんとしている部分もあって、交替参加なのか共演なのか今ひとつ不明(基本的には2ギター、2ドラムスの変則的な編成のようです)。複雑な曲の構成、時に変拍子やそれぞれの楽器の入り組んだソロなど、エレクトリックも含んだ現代ジャズのこっち側を垣間見た感じ。3曲目はモロにビートがロックだし。4、6-7曲目にはコーラス的なヴォイスが入っていて、好みが分かれるところ。10分以上の曲が4曲(4-5、7、9曲目)あり、けっこうお腹いっぱいになるファンクです。タイトル曲の5曲目は盛り上がりがあってドラマチック。
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criss crossからの6月リリース分の1枚です。
David Binneyのcriss cross作品は2枚聴いています。いずれも、王道ジャズというには。。という演奏が多く、一筋縄ではいかないイメージがありました。
なんで、より厳選買いをしている中では本作は買わなくても..と思っていたんですが..。
criss crossの2枚
Aliso (http://blogs.yahoo.co.jp/pabljxan/59342843.html)
Barefooted Tow..... [続きを読む]
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工藤さん、こんばんは。
私はメンツにつられてDavid Binneyのアルバムを買うことが多いのですが、これもKrantz買いですね。今までのBinneyのアルバムもそうですが、曲にあまり魅力を感じないのも同じです。しかし、本作はファンク度の高さが結構楽しめて、彼のアルバムでは気に入った方に入ると思います。だいたい同じような面子でやることが多いので、想定通りのサウンドでもあるわけですが、この変態的ファンクはなかなかいいですよね。
ということでTBさせて頂きます。
投稿: 中年音楽狂 | 2014/07/01 00:18
>中年音楽狂さん
TBどうもありがとうございます。
Criss Crossでこのサウンドってあまり予想がつかないのですが、それでも表現の幅が広がって、面白いと思いました。独特な感じのファンクですけど、演奏のメンバーが曲によって交替するのも、ここでは効果的か、と思います。
投稿: 工藤 | 2014/07/01 06:19
こちらからもTBさせていただきます。
ビニーのリーダー作はけっこう当たり外れが多いのですが、本作は大当たりでした。
ファンクが主体なのと、ツインギター、ツインドラム効果のお陰もあって、最後までいい感じで楽しめました。
投稿: nary | 2014/07/01 20:37
>naryさん
TBどうもありがとうございます。
ファンクでCriss Crossってイメージが、やっぱりあまりないのですが、こういうやり方をしてくれると聴いていてうれしいですね。あとは英文ライナーを読みながらまた聴いて、参加ミュージシャンの分析(?)が楽しみです。
投稿: 工藤 | 2014/07/01 21:29
こんばんは。
私はこれを聴いてあまりファンクという意識はありませんでした。
今突如思い出したのですが、2ギター、2ドラムのファンクと言えば、オーネット・コールマンのプライム・タイム・バンドがありましたね。
ちょっと変わった編成ではありますがこの手のサウンドは好きです。
なのでこのアルバムは気に入りました。
ビニーのアルトも快調ですしね。
トラバさせていただきます。
投稿: いっき | 2014/07/05 20:13
>いっきさん
TBどうもありがとうございます。
プライム・タイム・バンドは2ギター、2ドラムス感満載だったと思いましたが、こちらのアルバムはまとまりが良い感じで、あとになってやっと一連のそういう構成に気がつきました。
私もこういうサウンドは好きなので、もう少しこの方向を進めたアルバムも期待しています。
投稿: 工藤 | 2014/07/05 21:03
今作も、メンツはすこぶる豪華ではあったんですが、実はあまり期待感もなく。。
が、予想以上に良い仕上がりになっていて、楽しんで高頻度に聴いてました。
TBありがとうございます。逆TBさせていただきます。
投稿: oza。 | 2014/08/02 13:18
>oza。さん
TBどうもありがとうございます。
Criss Crossらしくない雰囲気がまたけっこう面白く、デヴィッド・ビニーの幅の広さを見せつけられたような気がします。このアルバムは実験的ではあるも、音楽的に楽しさも見えていた1枚でした。
投稿: 工藤 | 2014/08/02 14:52