Mutations/Vijay Iyer
ECMレーベル新譜聴き3日目。何と、最近では有名なVijay IyerのECM初リーダー作です。私は今までACTレーベルで1枚しか聴いたことがないのですが、その独特な個性と超人的なプレイで圧倒されてしまいました。でも、そのイメージでこのアルバムを聴くと、「何だ、これは」ということになってしまうかもしれません。全部自作曲とはいえ、ソロ・ピアノと、弦楽四重奏団との演奏で、クラシック/現代音楽との折衷音楽になっているような感じだからです。ECMだとこういう風になってしまうのかな、という極端な方の例だと思います。なので、聴く人を選ぶため、要注意アルバムかな、と思います。
Mutations/Vijay Iyer(P, Electronics)(ECM 2372)(輸入盤) - September 2013. Miranda Cuckson(Vln), Michi Wiancko(Vln), Kyle Armbrust(Viola), Kivie Cahn-Lipman(Cello) - 1. Spellbound And Sacrosanct, Cowrie Shells And The Shimmering Sea 2. Vuln, Part 2 3-12. Mutations I-X 13. When We're Gone
(14/03/13)全曲ヴィジェイ・アイヤーの作曲。1曲目がピアノ・ソロ、2、13曲目がピアノとエレクトロニクス、3-12曲目の組曲がそれに加えてストリング・クァルテットの曲。やはりECMなだけあって、編成も含めて、聴こえてくるピアノも静かなのが基調で、かなりクラシック寄りの感じを受けます。変拍子(あるような感じですけど)だったり、破天荒なところもあったりというのは少し影をひそめて、別人のピアノにも聴こえます。ただ、ECMファンとしてはけっこういい感じのサウンドかも。エレクトロニクスの使い方も派手ではないけど、効果的に使用している感じ。タイトル曲の組曲の3-12曲目は、アンサンブルは現代音楽の要素が強く感じられ、しかも反復が多少多めのような気も。聴く人を選ぶでしょうけど、ボーダーレスなところがいい。
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工藤さん,こんばんは。
このアルバム,確かに聞く人を選ぶかもしれませんが,非常によく出来たアルバムだったと思います。タイトル・トラックは特にハードルが高いですが,その前後のVijay Iyerの独演による曲とのバランスがよく取れていて,アルバムの流れがスムーズなものになっていると思えました。このあたりはEicherの手腕ですかね。
ということで,TBさせて頂きます。
投稿: 中年音楽狂 | 2014/03/27 22:49
>中年音楽狂さん
TBどうもありがとうございます。
ACTのアルバムのインパクトが大きかったせいか、そのサウンドの違いに驚いてしまいました。ただ、そういう先入観がなかったとすれば、ECMのアルバムとしてはいいかも、と思います。
投稿: 工藤 | 2014/03/28 08:20