Vigil/Chick Corea
チック・コリアの新作で、なぜか国内盤は出ていない模様。もっとも、最近はボーナストラックがついていても、輸入盤がある場合、高い国内盤はできるだけ買わないようにしていますが。トータルアルバムの感じで曲が続き、タイトルもそうなんだけど、なぜか6曲目だけフリーだったり中盤が4ビートだったりする曲があって異質。結局変化を求める点ではいいと思うのですが、トータルアルバムではなかったのかな? ベースで参加しているアドリアン・フェローは個人的に好きなベーシスト。ただ、ここではゴダンのフレットレスベースを弾いているようで、これはエレクトリックとアコースティックとの中間の音を出すようなベースです。彼の個性としては、どうかな、とも思いました。ただ、リズム面を含め、アルバムとしてはけっこういいと思います。
Vigil/Chick Corea(P, Key, Synth)(Stretch Records)(輸入盤) - Released 2013. Tim Garland(Ts, Ss), Charles Altura(G), Hadrien Feraud(B), Marcus Gilmore(Ds), Pernell Saturnino(Per on 1-3), Gayle Moran Corea(Vo on 5), Stanley Clarke(B on 6), Ravi Coltrane(Sax on 6) - 1. Galaxy 32 Star 4 2. Planeto Chia 3. Portals To Forever 4. Royalty 5. Outside Of Space 6. Pledge For Peace 7. Legacy
(13/07/29)全曲チック・コリアの作曲で、どうやらトータルアルバムになっているような感じ。77分収録。統制のとれたハードコア・フュージョンとでも言うか。キメの多いテーマだけど、都会的でメカニカルなカッコ良さのある1曲目、ピアノではじまり、少しスパニッシュ的な哀愁のある短調ラテン系のノリがなかなかのドラマチックな2曲目、8分の6拍子基調の、少しゴージャスな印象でやはりドラマ的な展開を見せている16分台の3曲目、やはり8分の6拍子系でちょっと淡く浮遊感があってやや静かな雰囲気の4曲目、転調が多い浮遊感のある曲にヴォーカルが舞うボッサの5曲目、テンポのないフリーから、中盤4ビートで展開していく、この曲だけ異色な17分台の6曲目、細かいビートでファンク的に進み、物語の結末を飾る7曲目。
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Chick Corea(P, Motif XF8, Moog Voyager)
Tim Garland(Ts, Ss, B-Cl, Fl)
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Hadrien Feraud(El-B)
Marcus Gilmore(Ds)
Pernell Saturnino(Per)1,2,3
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こちらからもTBさせていただきます。
あらゆる音楽をやってきたチックですが、本作はアイデアが尽きるどころか新たな可能性まで感じられて、最高に素晴らしかったです。
投稿: nary | 2013/07/29 22:59
>naryさん
TBどうもありがとうございます。
なかなかいいアルバムだったですが、6曲目のジャズ曲だけはちょっと異質だなあ、と思いました。これでトータルアルバムではなくなる?と思いますが、アルバム全体の印象ではけっこうよかったです。
投稿: 工藤 | 2013/07/30 07:54
工藤さん、おはようございます。
このアルバム、新しさは感じないものの、演奏のレベルは非常に高い作品でした。6曲目は確かにアルバムの中では異色でしたが、私はこれが一番いいと思ってしまいました。
ということでTBさせて頂きます。
投稿: 中年音楽狂 | 2013/07/31 08:30
>中年音楽狂さん
TBどうもありがとうございます。っと、すいません、TB入ってなかったので、お暇な時にもう一度トライしていただけると助かります。
けっこうチックらしさのあるアルバムで、楽しんで聴けました。トータルアルバムを意識しすぎると6曲目はなんでだろう、ってことにはなりますけど、個々の曲を順番に聴いていく、という感じで聴くと、けっこうポイントは高かったです。
投稿: 工藤 | 2013/07/31 11:57
工藤さん,こんばんは。TBですが,現在,ココログのTB全体が不調のようで,工藤さんのTBも当方ブログに入ってきていません。また後でリトライすることにしますが,工藤さんもご確認下さい。
投稿: 中年音楽狂 | 2013/07/31 18:40
>中年音楽狂さん
あれ?ほんとだ。こちらからもTB入れてない痕跡が残ってました。まさかココログ同士だったんで、入れた時に入ったことを確認してませんでした。
また時間を改めて、トライさせていただきます。
投稿: 工藤 | 2013/07/31 19:25
こんばんは。
私はちょっとチックにうんざりぎみでしたがメンバーを見て購入。
ドラムのギルモアとベースのフェローがチックのバンドに新風を吹き込んでいると思いました。
まあチックはいつものチックなのですが、ドラムとベースの活躍を買って、総評では良いアルバムだと思います。
6曲目が良いというのでは、聴く方の耳が古いんじゃないかと、個人的には思ったりしてます(笑)。
TBさせていただきます。
投稿: いっき | 2013/08/17 19:59
>いっきさん
TBどうもありがとうございます。
アドリアン・フェローのベースは元々はフレットありで恐ろしく速弾きなのですが、ここではゴダンのフレットレスベースを使って、サウンドを柔らかめにして、これがまたギルモアと合ってしまった、というような感じでしょうか。ちょっと意外でしたけど、結果オーライということで。
投稿: 工藤 | 2013/08/17 21:49
Hadrien Feraud、Marcus Gilmoreが入って価値があがったということになると思います。
いかにもchick coreaな雰囲気横溢の作品なんですが、なんだか惹かれます。
個人的にchick coreaサウンドが好きな部分ってのがあるんだと思います。
6曲目も、アルバムの中では異質な存在になりますが、演奏自体はそう悪くなかったと思ってます。
「このアルバムの中に無くても良かった」と言われれば、否定はしませんが。。
TBありがとうございます。逆TBさせていただきます。
投稿: oza。 | 2013/09/01 07:30
>oza。さん
TBどうもありがとうございます。
チック・コリア、年齢の割には冒険的ですけど、彼自身の作曲や演奏に関しては金太郎アメ的なところもあるかと思います。そういう意味では、リズム陣を替えて、というのは正解だったな、とも思います。
いろいろな意味で話題になるアルバムではないかなあ、なんてことを考えています。
投稿: 工藤 | 2013/09/01 08:44
新譜ラッシュですね!
チックコリア購入してもblogにあげないこともあったりしますが、これは、メンバーがメンバーなだけにとても面白かったです。そして、ご本人も見直しました。(ファンに怒られそう)
でも、、、私の結論はやっぱりMarcus Gilmoreのしなやかな美しい「煽り」♪
6曲目でのチックコリア&ギルモアのソロ奏者の煽り方すごかったです!
投稿: Suzuck | 2013/09/14 09:41
>Suzuckさん
TBどうもありがとうございます。
個人的にはいつもとはちょっと違う弾き方をして見せたアドリアン・フェローが印象に残りました。とは言いつつもバンドサウンドの印象はドラムスとベースでだいぶ変わるので、やっぱりギルモアの影響も大きいですよね。チックはやっぱりいつものチックという感じでしたが、リズムが違うので、面白かったでした。
投稿: 工藤 | 2013/09/14 16:05