La Notte/Ketil Bjornstad
ECMレーベル新譜聴き2日目。奇しくも昨日は2200番、今日は2300番とキリ番が続きました。通常、キース・ジャレットかヤン・ガルバレクが多いとされるキリ番ですが、そこにケティル・ビヨルンスタが加わったわけです。しかもこれもマンフレート・アイヒャーのプロデュースではなく、外箱にはAn ECM Productionとだけ書かれています。このアルバムを聴く限り、ECMらしさは十分に出ているとは思うのですが。ジャケットはけっこうロマンチックなサウンドを想像させますが、メンバーがメンバーなので、ECMらしさを出しつつも、個性的な寄り集まりだということが、聴いていて分かります。なかなか面白い組み合わせですけど、やはりレーベルかリーダーのファン向けかな。
La Notte/Ketil Bjornstad(P)(ECM 2300)(輸入盤) - Recorded July 21, 2010. Andy Sheppard(Ts, Ss), Anja Lechner(Cello), Eivind Aarset(G, Electronics), Arild Andersen(B), Marilyn Mazur(Per, Ds) - 1. 1 2. 2 3. 3 4. 4 5. 5 6. 6 7. 7 8. 8
(13/05/25)ライヴでの収録。ECMらしい静かな情景が広がっていくような曲が多めですが、クラシック畑のチェロもいるし、ギターも個性的なので、それをこのメンバーでどう広げていくのか、興味ある展開の演奏。タイトルが本当はギリシャ数字でのI-VIIIになっています。静かな中にも、このメンバーならではの盛り上がりがあり、2曲目は、けっこう盛り上がるし、普通のインストルメンタル・ポップスとしても聴ける曲。ただ、ケティル・ビヨルンスタのメロディ感はジャズ以外の普遍的なところにあるような気がしています。民族音楽的な響きを持つメロディが印象的な3曲目、あとは静かな曲が多いけれども、彼ならではの淡く静かな世界に連れていってくれます。7曲目ではベースソロにドラムスが合わせて後半ダイナミックな展開をしてます。
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910さま、、
このアルバムもライブ盤でしたね。
静と動がはっきりしてたけど、ケティルの美学はまったくぶれてないんで、美しさと静けさが残る印象 でした。
わたし、、とても、よかったです。
それから、ナリーさま事情、、どうも、ありがとうございました。
何処かで、そのように仰っていらした気もしたのですが、、
怒濤の毎日だった時期があって、何処かに、、埋もれてしまってたのです。m(_ _)m
投稿: Suzuck | 2013/06/23 17:33
>Suzuckさん
TBどうもありがとうございます。
ケティルの他レーベルのアルバムも聴いたことがあるのですが、ジャズでもなく、ただ美しいだけの印象のピアノでした。それがECMになってくるとこういうサウンドになるのか、と予想通りというか、予想をある程度超えた展開になってくれるのがうれしいですね。
naryさんのところはTB廃止になっていますので、自ブログアドレスをはりつけることで、コメント入れて下さいませ。
投稿: 工藤 | 2013/06/23 17:54
工藤さん,続けてこんばんは。
これは非常にいい演奏でした。Ketil Bjornstadらしい演奏と言えばそういう部分もありますが,彼の音楽にしてはダイナミズムを感じさせたのはライブという理由もあるでしょうし,Eivind Aarsetのギターが利いていたように思えます。これだけ国際色豊かなメンツをまとめるBjornstadのリーダーシップも大したものだと思いました。
ということで,TBさせて頂きます。
投稿: 中年音楽狂 | 2013/07/10 21:22
>中年音楽狂さん
TBどうもありがとうございます。
2300番というキリ番で、しかもマンフレート・アイヒャーのプロデュースではなくて、ECMらしいメンバーで、ECMのサウンドで演奏してしまうのは、何だかスゴいことだなあ、と思います。ケティル・ビヨルンスタでこういうサウンド(しかもライヴ)というのは聴く前には、ちょっと想像できなかったでした。
投稿: 工藤 | 2013/07/10 22:09