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2012年8月の記事

2012/08/31

Music For The Films Of Buster Keaton, Go West/Bill Frisell

Billgowest
ビル・フリゼールのリーダー作旧譜聴き5日目。バスターキートンの無声映画に合わせたサウンド・トラック(?)集ということで、このシリーズ、2枚出ています。こういうのは今は入手困難ではないか、と思ったら、まだ入手できるようですね。なかなか珍しいモチーフのアルバムではあるけれども、同じようがフレーズが形を変えて繰り返されるのはあるにしても、そのまま彼のトリオのアルバムとしても楽しめてしまうというのはいいところ。実際にこの音楽で映画を観てみたい、と思うのは私だけではないはず。ちょっと変わった趣向ですけど、実際に上演したもので、CD化されてない映画もあるということで、何だかそれらも聴きたくなってしまいました。


Music For The Films Of Buster Keaton, Go West/Bill Frisell(G)(Elektra Nonesuch) - Released 1995. Kermit Driscoll(B), Joey Baron(Ds) - 1. Down On Luck 2. Box Car 3. Busy Street Scene 4. Go West 5. Train 6. Brown Eyes 7. Saddle Up! 8. First Aid 9. Bullfight 10. Wolves 11. New Day 12. Branded 13. Eats 14. Splinter Scene 15. Cattle Drive 16. Card Game 17. Ambush 18. Passing Through Pasadena 19. To The Streets 20. Tap Dancer And Confusion 21. Devil Suit 22. Cops And Firemen 23. That A Boy! 24. I Want Her

全曲ビル・フリゼールの作曲。バスター・キートンのサイレント映画に音楽を付けてしまう2枚の企画の1枚目。映画と音がシンクロしているそうで、映画を見ながら音楽を聴いてみたいです。もちろん映画抜きでも、音楽として(ビル・フリゼールが好きならば)CDを聴くだけでも楽しめると思います。ここでは「キートンの西部成金」という映画に合わせた音楽で、コミカルな映画にしてはちょっと沈んだムードの曲も。またフリーな曲も。コード進行などがはっきりしていて、事前に緻密な打ち合わせや楽譜などがあるとは思うのですが、例えば映画の音の出る場面とドラムスの音が合っているなど、けっこう難しそうなことをやってます。これをライヴで上演していたらしいです。曲も同じモチーフが何度も出てきて、内容的にもサウンドトラック的。

2012/08/30

Live/Bill Frisell/Kermit Driscoll/Joey Baron

Billlivekermitjoey
ビル・フリゼールのリーダー作旧譜聴き4日目。このアルバムは’95年の発売で、録音から4年も経ってからなので、他のアルバムたちが先に世に出ていた、ということはあるのですが、録音順重視でやっていきます。やはりライヴだと多重録音ができないし、ギターの持ち変えも難しいということで、ここではエレキで通しています。それにしてもGramavisionレーベルからの発売は、何か特別なものがあるかも。連名だから発売できたのか。この後にNonesuchから「Have A Little Faith」「This Land」(共に’92年録音)とアルバムが録音されていきますが、すでに手直しが済んでますので、2枚飛ばします。


Live/Bill Frisell(G)/Kermit Driscoll(B)/Joey Baron(Ds)(Gramavision) - Recorded October 27, 1991. - 1. Throughout 2. Rag 3. Crumb/No Moe 4. Have A Little Faith In Me 5. Pip, Squeak/Goodbye 6. Hello Nellie 7. Strange Meeting 8. Hangdog 9. Child At Heart 10. Again 11. When We Go

3曲目後半(ソニー・ロリンズ作)、4曲目以外はビル・フリゼール作曲。自己名義初の、スペインでのライヴ・アルバム。大部分の曲が以前録音した自己のCDの曲の再演奏なので、聴き比べてみるのも面白いかも。あまり演奏にノッて熱くなるライブではないですが、ライヴならではのスリリングで面白いところも割と多いです。基本的にサウンドは空間的であって、やはりこのトリオだと、ジャズやフュージョンよりも、ロックやポップス的なサウンドのイメージがくるような雰囲気。それでもこの当時は今よりも切り裂いたギターのサウンドも楽しむことができます。それでもある意味マッタリ感は十分かも。アコースティックギター他の多重録音ができないので、エレキ一本で勝負しているところもなかなか潔い感じ。やはり孤高のギター・サウンド。

2012/08/29

Where In The World?/Bill Frisell

Billwherein
ビル・フリゼールのリーダー作の旧譜聴き3日目。このアルバムに関しては追加の録音日、楽器のクレジットが元のが不十分だったし、アルバムコメントもほぼ書き換えになってしまいました。すでに過去に直し済みになっているアルバムも、アルバムタイトルが間違えていたりと、やはり旧譜の手直しは早めにやっておいた方がいいかなあ、と思います。何たって12年以上はそのままになっているのが多いので。今回のアルバム、おなじみのメンバーが多いですけれども、前作に比べてトンガリ度が少なくなり、逆に浮遊感や不安定度が目立ってきています。だんだん方向性を変えてきている時期ですが、本人の気持ちはそのまんまマイペースなのでしょうね。


Where In The World?/Bill Frisell(G, Ukulele)(Elektra Nonesuch) - Recorded October 1990 and January 1991. Hank Roberts(Cello, Jazz-a-phone Fiddle), Kermit Driscoll(B), Joey Baron(Ds) - 1. Unsung Heroes 2. Rob Roy 3. Spell 4. Child At Heart 5. Beautiful E. 6. Again 7. Smillin' Jones 8. Where In The World? 9. Worry Doll 10. Let Me In

全曲ビル・フリゼールの作曲。このバンド・サウンドでの、個性的な独特の間(ま)がいい感じ。アコースティック・ギターもエレクトリック・ギターも結局は彼の個性で聴かせます。妖しい浮遊感の中をややゆったりのロックビートで動き回る1曲目、アコースティックで少し不安定な響きから後半ロックになる2曲目、ゆっくりして時々影がさし、徐々に盛り上がっていく3曲め、妖しい浮遊感での支配から後半漂うメロディとカチッとした8ビートになる4曲目、ややクラシック的な流れるバラードの5曲目、不可思議かつゆったりとしているロックの6曲目、カントリー的な味わいのある7曲目、ポツリポツリと弾きながらだんだん曲になるタイトル曲の8曲目、さりげない静けさが続き後半盛り上がる9曲目、重いゆっくりビートとギターで静と動の10曲目。

2012/08/28

Is That You?/Bill Frisell

Billisthat
ビル・フリゼールのリーダー作旧譜聴き2日目。このあたり、ホームページのかなり初期の方で取り上げていたので、クレジットもけっこう大まかで雑だし、アルバムコメントも、ふだんは前のを活かす書き方をしているのですが、使えるところも少なくて、もう一度全部クレジットから見直しして、本文も書き直しをしなければなりません。ただ、それは表記上の理由で、音楽的にはよく内容を聴いていた時期なので、ここでまた聴けるのは懐かしいですね。だんだん牧歌的にはなっていきますが、少しは硬派な演奏もしていた時期でのアルバムになります。何たってプロデューサーがウェイン・ホーヴィッツですので。


Is That You?/Bill Frisell(G, B, Banjo, Ukulele, Cl)(Elektra/Musician) - Recorded August 1989. Wayne Horvitz(Key, Ds Prog, Momentary B), Joey Baron(Ds), Dave Hofstra(Tuba on 4, 8, B on 7) - 1. No Man's Land 2. Someone In My Backyard 3. Rag 4. Is That You? 5. The Way Home 6. Twenty Years 7. Chain Of Fools 8. Hello Nellie 9. The Days Of Wine And Roses 10. Yuba City 11. Half A Million 12. Hope Andfear

7、9(スタンダード)-10(ウェイン・ホーヴィッツ作)曲目以外はビル・フリゼール作曲。プロデューサーがウエイン・ホービッツですが、サウンドはそれほど急進的ではないと思います。ハードなギターの音が出てくるかと思えばアコースティックで、心の琴線に触れるメロディになる場面もあります。静かでミステリアスかと思うとアヴァンギャルドな部分もある1曲目が象徴的なサウンド。3、6、8、12曲目のようにアコースティックなギターやバンジョーを中心にメランコリーな世界を展開している曲も味わいがあります。アコースティックだと思ったら途中からゆったりロックになるタイトル曲の4曲目、夢見心地系のゆったりサウンドの5、11曲目、やや懐かし系の8ビートロックの7曲目、ミステリアスで異色なテンポが遅めのロックの10曲目。

2012/08/27

Before We Were Born/Bill Frisell

Billbefore
ビル・フリゼールのリーダー作の’88年から’98年作までのコメント手直し聴き(途中直し済みで2作品飛びます)。この前にECMから3作出てますが、それも今回は飛ばします。レーベル移籍で、当時の彼としては一番やりたいことをやっているような感じがするアルバムです。当時はジョン・ゾーンのネイキッド・シティにも参加して、ここでもかなりハードコアな側面を見せていて、今の牧歌的な演奏からはちょっと信じられないような展開になってます。個人的にはそっちの方が好きなんですけれどもね。ここでもアート・リンゼイが参加していたり、6曲目はジョン・ゾーンのプロデュースだったり、とけっこう好きなアルバム。


Before We Were Born/Bill Frisell(G, Banjo)(Elektra/Musician) - Recorded August 1988. Arto Rindsay(G, Voice on 1, 8), Hank Roberts(Cello), Kermit Driscoll(B), Peter Scherer(Key, Ds Prog on 1, 7-8), Joey Baron(Ds), Julius Hemphill(As on 2-5), Billy Drewes(As on 2-5), Doug Wieselman(Bs on 2-5), Cyro Baptista(Per on 7) - 1. Before We Were Born Some Song And Dance: 2. Freddy's Step 3. Love Motel 4. Pip, Squeak 5. Goodbye 6. Hard Plains Drifter 7. The Lone Ranger 8. Steady, Girl

全曲ビル・フリセールの作曲。レーベルを移籍して、音的にハードな部分はある気がしますが、多分マイペースなのでしょう。不安定なギターと一転割とハードなロック的サウンドが印象的な1曲目、目まぐるしいサウンドの展開と硬派な浮遊感が面白くて、ここから5曲目まで組曲扱いになっていく2曲目、重めでゆったりとした不思議感覚のロック曲の3曲目、ユーモラスで、特にサックスがアヴァンギャルドなサウンドの、彼らしい4曲目、やはり怪しげな浮遊感漂うタンゴっぽいリズムの5曲目、ジョン・ゾーンのプロデュースで、ネイキッド・シティ的目まぐるしい凝縮アプローチがハードコアで面白い13分台の6曲目、哀愁の漂う8分の6拍子の不思議な不安定感とハード感でせまる7曲目、アート・リンゼイの歌もあってやや牧歌的な8曲目。

2012/08/22

Uptown Music/Eddie Gomez Quartet Featuring Jeremy Steig

Eddieuptown
エディ・ゴメスのリーダー作旧譜聴きで8日目、そしてその最終日。実は’99年以降のアルバムは既にコメントが直っているので、旧譜としてはどのミュージシャンもここのブログで取り上げることは、新たに購入したもの以外は今後もないでしょう。8枚ホームページを手直しして、ついでに他の参加ミュージシャンも5枚直ったので、一石二鳥か。キング発売のこのアルバム、前作の路線からオリジナルを少し増やしていますが、基本的には近い路線。ここではジェレミー・スタイグがフルに登場しているのが特徴ですね。それにしても1枚目からここまで、ジャケ写にはエディ・ゴメスの顔写真がずっと登場し続けたというのも、特徴か。


Uptown Music/Eddie Gomez(B) Quartet Featuring Jeremy Steig(Fl)(Paddle Wheel) - Recorded July 28, 1998. Stefan Karlsson(P), Jimmy Cobb(Ds) - 1. Illusions 2. Dabble Vision 3. Never Let Me Go 4. You'll Never Believe 5. All Blues 6. Sweet William 7. Solar 8. What's New 9. Trikings 10. Night Fall

スタンダード、ジャズメン・オリジナル関係で4曲、エディ・ゴメス作ないし共作が3曲(2、6、10曲目)やステファン・カールソン作が3曲(1、4、9曲目)。当然ベースソロも目立っていて素晴らしい。ジェレミー・スタイグは、キレると尺八のような息を吹きかける音やうなり声も入ったりします。カールソンのピアノもフレーズやリズムのタメなど、まあ繊細。叙情感のあるバラードから複雑なキメのある曲まで変化に富んでいます。テーマがメカニカルで細かく、アドリブはアップテンポでモーダルな感じの1曲目、やはりアップテンポながらメロディアスな2曲目、スタンダードのように明るく軽快な4曲目、哀愁系のメロディが印象的で切ない6曲目、出だしがアルコでしっとりしたメロディでのバラードの9曲目、ベースの音が目立つ小品の10曲目。

2012/08/21

Dedication/Eddie Gomez

Eddiededica
エディ・ゴメスのリーダー作旧譜聴き7日目。ここから2作はキングのPaddle Wheelレーベルからの発売になります。やはりキングの意向が反映されてか、ジャズで、しかもスタンダードやジャズメン・オリジナルが多い曲の構成になっています。こういうのもいいんですが、スタンダードが多くなると、オリジナル派の私としては曲ごとのコメントがつけづらくなってしまいます。予想通りだった曲もあれば、えっ?こんなアレンジ?と思うような曲もあって、全体的には楽しく聴くことができましたけど。いろいろな時期にいろいろなリーダー作を発表していて(そんなに数は多くないですけど)、その時々の時代を反映しているようで、面白いです。


Dedication/Eddie Gomez(B)(Paddle Wheel) - Recorded January 9 and 10, 1997. Jeremy Steig(Fl on 2, 9), Stefan Karlsson(P, Synth), Jimmy Cobb(Ds) - 1. On Green Dolphin Street 2. Nardis 3. Spartacus Love Theme 4. Spider Song 5. When You Wish Upon A Star 6. Autumn Leaves 7. Just Friends 8. Footprints 9. Dedication

エディ・ゴメス作は9曲目、ステファン・カールソン作は4曲目。スタンダードやジャズメン・オリジナルなどが多くて聴きやすいですが、録音のバランスもあるのか、かなりベースが目立っています。バリバリ弾いているし。ベースが好きな人向きかも。ジェレミー・スタイグは2、9曲目に参加で、基本的にはピアノ・トリオ。ステファン・カールソンのピアノは何となくビル・エヴァンスに似たイメージ。アメリカ録音でも、プロデューサーは日本のキングの人なので、やはり聴きやすい曲とサウンドが前面に出ているのかと思います。そこがこれまでのアルバムとは違う点。有名曲で意表をついて淡く淡白な6曲目。ややミステリアスな出だしで8ビートだけど、これはジャズの土俵と思わせる4曲目、しっとりとした出だしからゆったりと融合していく9曲目。

2012/08/20

Next Future/Eddie Gomez

Eddienext
エディ・ゴメスのリーダー作旧譜聴き6日目。ここでやっと海外のGRP(Stretch)制作のリーダー作が出てきます。こういう時は、その前までのアルバムが日本制作だったので、日本に生まれて良かったなあ、と思えます。今までもここでも、ベース・ソロとか、目立っているところもあって、やっぱりオレがオレがの世界ですけれども、作曲面でもけっこういい曲があったりしますので、決してプレイヤーサイドだけの人ではないなあ、と思いました。今回はシンセサイザーが登場していても、ジャズの方面で勝負しているところが多かったので、それもやはり時代の流れなのか、レーベルが変わったからなのか、気になるところです。


Next Future/Eddie Gomez(B)(Stretch) - Released 1993. Rick Margitza(Ts on 1-6, 8), James Williams(P on 1-2, 5-8), Chick Corea(P, Synth on 1-4, 7, 9), Lenny White(Ds on 1-8), Jaremy Steig(Fl on 7) - 1. Next Future 2. Dreaming Of You 3. North Moore St. 4. Lost Tango 5. Tenderly 6. Cheeks 7. Love Letter 8. Basic Trane-ing 9. Walter

エディ・ゴメス作が4曲(1、6-7、9曲目)、チック・コリア作が3曲(3-4、8曲目)。トータルでまとまって聴きやすく、かつジャズの要素が濃いアルバム。チック・コリアとの共同プロデュース。ちょっと幻想的で雄大な出だしからミディアムの4ビートの部分もある1曲目、浮遊感のあるボッサとシャープなピアノが印象的な2曲目、少しメカニカルな感じもあるアップテンポの4ビートの現代ジャズの3曲目、哀愁のタンゴが何とも物悲しい4曲目、スタンダードで途中からややアップテンポの4ビートになる5曲目、ビパップ的テーマとアップテンポの4ビートでモーダルなアドリブの6曲目、たゆたうようなフルートが心地良いやや静かな7曲目、スピリチュアル度が割と高い8分の6拍子の8曲目、ベースとシンセサイザーで思索的なデュオの9曲目。

2012/08/19

Street Smart/Eddie Gomez

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エディ・ゴメスのリーダー作の旧譜聴き5日目。いちおう国内盤ライナーからすると、ここまでの5作では、リーダー作は全部あるようです。A Touchレーベルも、当時の日本の景気良さを反映してか、豪華なメンバーで3作連続で作っていて、その中にはラジオやその他BGMで聴き慣れた曲もあったりするので、プロモーションも積極的だったんでしょう。このレーベルも今はなく。最近のイタリアその他でのほぼ固定メンバーの録音も面白いですけど、やはり豪華なメンバーでないと出来ないサウンドもあるわけで、そういうのを今回久しぶりに再び聴けて良かったなあ、と思っています。所有枚数からいくとこういう機会もなかなかないわけで。


Street Smart/Eddie Gomez(B)(A Touch) - Recorded May 1989. Steve Gadd(Ds), Richard Tee(Key on 1, 6), Kenny Werner(Key on 1-4, 6-9), Dick Oatts(Ss, As, Ts), Barry Rogers(Tb on 1, 3, 6), Hugh McRacken(G on 1, 5, 8), Randy Brecker(Tp, Flh on 3-4, 7), Steve Thornton(Per on 3, 6), Nicky Marrero(Per on 3, 6), Jack McDuff(Org on 5) - 1. Street Smart 2. Lorenzo (For Lorenzo Homar) 3. I'Caramba 4. It Was You All Along 5. Blues Period 6. Bella Horizonte 7. Carmen's Song 8. Double Entendre 9. Besame Mucho

9曲目を除き、エディ・ゴメスの作曲ないしは共作。フュージョンのようなサウンドでの聴きやすいアルバム。シンセサイザーの多用によりサウンド面でもジャズから離れています。ここでもバリバリのベースソロをあちこちで聴くことができます。ファンク的8ビートでカッコ良い展開をするタイトル曲の1曲目、浮遊感もあるメロディアスなバラードの2曲目、パーカッションを従えたノリノリのメロディアス・ラテンの3曲目、しっとりとした感触の静かなバラードの4曲目、オルガン・ジャズの王道のようなミディアム4ビートの5曲目、16ビート的かつラテン的で浮遊感のあるメロディの6曲目、落ち着いてゆったりとしたバラードの7曲目、ファンクでズシンとくるようなサウンドで攻める8曲目、クラシック・サウンドではじまりゆったりとした演奏の9曲目。

2012/08/17

Power Play/Eddie Gomez

Eddiepower
エディ・ゴメスのリーダー作旧譜聴き4日目。A Touchレーベルでは2枚目ですが、ごった煮状態のさまざまな傾向の曲順は、この時代普通だったのか、それとも意図的だったのか。マイケル・ブレッカーの参加する曲はハードな方ですが、シンセサイザーをバックにメロディアスなフュージョン的なバラードもあったり、ジム・ホールとのデュオもあったり。このうち、2、9曲目は確かJ-WAVEでよくかかっていた記憶があるのでかなり印象は深いですけど。あと、ここまで4枚聴いていて、いずれもゴメスの顔、あるいは上半身のジャケットばかりですねえ。本人の意向なのか、プロデューサーがそうしたのか...。


Power Play/Eddie Gomez(B)(A Touch) - Recorded November, 1987. Steve Gadd(Ds, Per on 1-4, 6, 9) Al Foster(Ds on 1, 8), Michael Brecker(Ts on 1, 8), Lee Ann Ledgerwood(Key, Synth on 1-4, 6, 9), Dick Oatts(Ss, As, Ts on 2-4, 9), Jeremy Steig(Fl on 2, 6), Michael Cochrane(P, Key on 2-4, 8-9), Jim Hall(G on 5, 7), Ann Bristol(Back Vo on 9), Kimiko Itoh(Back Vo on 9) - 1. Power Play 2. Loco Motive 3. Spanish Flower 4. Mel 5. Amethyst 6. Mr. Go 7. Very Early 8. W. 110th St. 9. Forever

エディ・ゴメス作ないし共作は6-7曲目以外の全曲。マイケル・ブレッカーの参加曲もあり、ジム・ホールとのデュオもあり、「ヴェリー・アーリー」(7曲目)もあり、ごった煮状態のアルバム。2曲目はよく聴いた曲だと思ったら、J-WAVEの番組のテーマに使われていたメロディアスなラテン系の曲。16ビートでファンク系のゴキゲンな1曲目、エレキピアノをバックにした渋いバラードの3曲目、ちょっと浮遊感を誘うメロディで、途中からジャジーな(?)4ビートの4曲目、ベースのアルコではじまり、静かなギターと進む5曲目、8ビート基調のきっちりファンク的な6曲目、メランコリックな出だしで4ビートも聴けるビル・エヴァンス作の7曲目、アップテンポのモーダルな4ビートがカッコ良い8曲目、しっとりとしたメロディのバラードが心地良い9曲目。

2012/08/16

Mezgo/Eddie Gomez

Eddiemezgo
エディ・ゴメスリーダー作旧譜聴き3日目。ここからやはり日本制作のA Touchレーベルになりますが、このレーベルには佐藤允彦もいて、割と買ってました。ジャズとかフュージョンの枠を超えた新しさもあって、この当時リアルタイムで聴いていて新鮮さを覚えたのですが、今聴き返してみると、やはり内省的な曲もあったり、ベースがメロディを奏でていて、本来のベースも多重録音でやっているところもあり、そういう面では、難解ではないけれど、しかもメンバーも大物ぞろいだけど、聴く人を選ぶアルバムなのかな、とも思います。個人的には今でもこういうサウンド、好きなんですけどね。


Mezgo/Eddie Gomez(B)(A Touch) - Recorded November 1985. Michael Brecker(Ts, Steinerphone on 1-4), Steve Gadd(Ds), Masahiko Satoh(P, Synth) - 1. Me Two 2. Capricious Fantasy 3. Puccini's Walk 4. Delgado 5. Caribbean Morning 6. Scott David 7. Cello Sonata In G Minor: 1st Movement

7曲目のストリングスを交えたクラシックの曲(Henry Eccles作)の他は、エディ・ゴメス作ないしは共作。3曲目のように明らかにジャズしている曲もあるけど、いろいろな方向性の曲があります。曲によっては普段のベースの上に多重録音でメロディを弾くベースをかぶせたりしています。ミディアムのファンクビートにメカニカルなメロディが乗っかって、カッコいいサウンドの1曲目、アルコ奏法でかなり静かでクラシック的なサウンドの2曲目、アップテンポでモーダルかつ現代的な4ビートジャズの3曲目、メロディアスで静かな美しい、ジャズの枠を超えたバラードの4曲目、細かい16ビートに乗って、ベース・ソロが飛びまわる5曲目、ジャズ的なワルツで、やはりベースのメロディの6曲目、シンセサイザーもあるけどやはりクラシックの7曲目。

2012/08/15

Gomez/Eddie Gomez

Eddiegomez
エディ・ゴメスのリーダー作旧譜聴き2日目。これが出た時はまだCDが普及していなくて、値段も3,800円(消費税がなかった昭和時代ですね)。少ないCDを聴きこんでいた時代の1枚です。メンバーがスゴいのと、デジタルっぽい印象のトリオだったので、内容も割とはっきり、今でも覚えていました。それでもゴメスの趣向なのかどうなのか、ゲストが一部の参加、というのはまあいいのですが、ピアノ・トリオとしての録音は3曲だけで、あとは臨機応変に1人抜けたりしての演奏。そこが音的にちょっと内省的な部分も目立つかな、という印象。もちろんフュージョンっぽいサウンドもありますけどね。


Gomez/Eddie Gomez(B)(Denon) - Recorded January and February 1984. Chick Corea(P, Key, Synth), Steve Gadd(Ds), Kazumi Watanabe(G on 2, 6, 9), Yasuaki Shimizu(Ts on 8) - 1. Dabble Vision 2. Santurce 3. A Japanese Waltz 4. Zimmermann 5. Mez-Ga 6. Ginkakuji 7. Pops And Alma 8. Row, Row, Row Your Tones 9. We Will Meet Again

日本録音。エディ・ゴメス作ないし共作は1-2、4-5、7-8曲目、チック・コリア作ないし共作は3-4、6曲目、ビル・エヴァンス作が9曲目。曲によって渡辺香津美らも参加。逆にデュオも。ここでも思索的な曲もフュージョン的な曲も出てきます。そのかっちり度合いがあらわれている1曲目、メロディアスでボッサ的な2曲目、穏やかだけれども日本的ではない気もするワルツの3曲目、武満徹に捧げられたピアノとのデュオバラードの4曲目、フュージョン的なビートでのドラムスとのデュオのノリの良い5曲目、エレキ・ピアノとシンセが心地良い、フュージョンのドラマチックな展開の6曲目、しっとりとした情景の、ピアノとの静かな7曲目、サックス・トリオでけっこうジャズ的な展開の8曲目、アコースティック・ギターとの相性が抜群の9曲目。

2012/08/14

Down Stretch/Eddie Gomez

Eddiedown
新譜が少なくとも今月末まで出荷されないので、久しぶりに旧譜コメントの手直し聴きをやりたいと思います。まずはエディ・ゴメスの’90年代までのリーダー作が8枚あるので、これから。手元にコンプリートで揃っているわけではないせいか、今日のアルバムを含め、最初の2枚は日本制作になっていますね。時代からいっても、日本に来日した時に、よく日本制作はあったので、貴重な録音を残してくれました。ピアノ(エレキピアノ)の参加は3曲目までで、4曲目以降はベースの多重録音の場面もあるドラムスとのデュオになってます。アルコ奏法の多様とともに、ちょっと地味かな、という印象が残ります。ただ、内容は好みですけれども。


Down Stretch/Eddie Gomez(B)(Breaktime) - Recorded January 22-23, 1976. Takehiro Honda(P, Key), Elliot Zigmund(Per) - 1. Blues E 2. Caprice 3. Half Life 4. Down Stretch 5. Starry Night 6. Dream Passage

日本録音。タイトル曲の4曲目がヤン・ハマー作、2、5-6曲目がエディ・ゴメス作ないしは共作、1、3、5曲目がエリオット・ジグムンド作ないしは共作。ベースはピチカートやアルコでソロが目立つ感じ。曲調も思索的で、後半の曲にはピアノの参加はありません。彼の指向性はこちらの方だったという事かも。ブルースとは言いながらアップテンポの4ビートとエレキピアノでモーダルな雰囲気を漂わせる1曲目、メロディアスなボッサが心地良い2曲目、ピアノとのデュオのバラードが静かで美しい3曲目、ベース・ソロではじまり、続くビートに乗せたベース・ソロ(4曲目以降多重録音あり)が強烈なタイトル曲の4曲目、ベースとドラムスとのデュオのフリー的なバラードの5曲目、またドラムスとのデュオで中盤ミディアムでメロディアスな6曲目。

2012/08/12

All Over The Place/Mike Stern

Mikeallover
いよいよオリンピックも終盤に近づき、日本のサッカーの試合も終わって、やっと寝る時間ができました。そして、昨夜飲み会もあって、今日はっきりした頭で1枚聴く時間ができました。でも、手元未聴盤はゼロ。次の新譜が入るまで、旧譜に行くか、検討中。実はマイク・スターンのこのアルバム、もう少し前に聴こうと思っていたのですが、クレジットの多さでくじけてしまいました(笑)。ただ多いだけではなくて、顔ぶれも豪華。曲調も、彼おなじみのいい意味でのワンパターンとはならずに、けっこう変化に富んでます。それはやはり曲ごとにメンバーが交替しているのが大きいのかもしれませんが。ただ、作曲は全部彼です。


All Over The Place/Mike Stern(G)(Heads Up)(輸入盤) - Recorded May 17-18, December 3, 2011 and January 10, 2012. Jim Beard(Key, P, Synth, Org), Chris Potter(Sax on 1), Leni Stern(G on 1, Per on 3), Anthony Jackson(B on 1), Keith Carlock(Ds on 1, 10-11), Tim Keiper(Per on 1-3, 9), Richard Bona(Vo, B on 2, 9), Bob Franceschini(Sax on 2, 9), Dave Wekcl(Ds on 2, 9), Randy Brecker(Tp on 3), Tom Kennedy(B on 3), Kim Thompson(Ds on 3), Esperanza Spalding(Vo, B on 4), Lionel Cordew(Ds on 4, 8), Kenny Garrett(Sax on 5-6), Dave Holland(B on 5-7), Al Foster(Ds on 5-7), Victor L. Wooten(B on 8), Bob Marach(Sax on 10-11), Victor Bailey(B on 10), Will Lee(B on 11) - 1. AJ 2. Cameroon 3. Out Of The Blue 4. As Far As We Know 5. Blues For Al 6. OCD 7. You Never Told Me 8. Half Way Home 9. Light 10. Flipside 11. All Over The Place

(12/08/12)全曲マイク・スターンの作曲。非常に豪華なメンバーが曲ごとに入れ替わり立ち替わりの演奏。ジム・ベアードを軸にして、他のパートが曲ごとに異なっているのは、サウンドの変化につながっています。1曲目のようにいつものメカニカルなスターン節を聴かせる曲もあれば、意外なサウンドでせまってくる曲も。2曲目は明るいアフリカン・サウンドに、9曲目はロック系の8ビートになっていて、リチャード・ボナがハマり役。3曲目はエレキ・ベースながら途中でアップテンポの4ビートになるのが圧巻。しっとり系哀愁バラードの4、7曲目もいい。5-6曲目はアコースティック・ベースなので割とジャズ寄り。やや渋めでカッコ良いアプローチの8曲目、メロディとハードな部分が混ざり合う渋めの10曲目、彼らしいハードな11曲目。

2012/08/08

Spirit Fiction/Ravi Coltrane

Ravispirit
このところ、オリンピックのサッカーを主に観ていて、睡眠不足が続いていますが、さすがにあと男女計2試合は仕事との兼ね合いで、無理せずに録画して観た方がいいかな、と感じます。寝不足には弱い方だし、車の運転も絡むので。そんなわけで、手持ちの枚数が少ないのと、オリンピックとで、更新がまばらになってしまいました。このアルバムも、もう届いてから1ヵ月以上になってしまいました。ラヴィ・コルトレーンのブルーノート移籍作です。それにしても豪華なメンバーを使っています。2つのグループのどっちもなかなかいい感じですけど、けっこう自由な場面もある現代ジャズなので、やはり聴く人をある程度選ぶかな、という気はしています。


Spirit Fiction/Ravi Coltrane(Ts, Ss)(Blue Note)(輸入盤) - Released 2012. Joe Lovano(Ts on 9-10), Kuis Perdomo(P on 1, 3-4, 7, 11), Drew Gress(B on 1, 3-4, 7, 11), E.J. Strickland(Ds on 1, 3-4, 6-7, 11), Ralph Alessi(Tp, on 2, 5, 8-9), Geri Allen(P on 2, 5, 8-10), James Genus(B on 2, 5, 8-9), Eric Harland(Ds on 2, 5, 8-9) - 1. Roads Cross 2. Klepto 3. Spirit Fiction 4. The Chance, My Girl 5. Who Wants Ice Cream 6. Spring & Hudson 7. Cross Roads 8. Yellow Cat 9. Check Out Time 10. Fantasm 11. Marilyn & Tammy

(12/08/07)1、3、7曲目がフリー・インプロヴィゼーション、4、6、11曲目がラヴィ・コルトレーン作、2、5、8曲目がラルフ・アレッシ作、6曲目がジョー・マルシアーノ作、9曲目がオーネット・コールマン作、10曲目がポール・モチアン作。主に2つのグループによる演奏で、そのメンバーによってサウンドが変わるけれど、うまい具合に配置されています。1曲目にフリーっぽい曲を持ってきたので、そっち方面の印象が強くなりますが、自由度が高くても、割ときっちり組み立てを考えられている曲もあって、まだまだ安定よりもスリルを求めている彼の姿勢に感心します。特にピアノの2人は、それぞれに個性を持ちながら、アグレッシヴなフレーズでくる場合も多く、インパクトがあります。逆に、バラードも美しい印象。なかなかいい感じ。

2012/08/03

Because/山中千尋

Yamanakabecause
山中千尋の新譜はビートルズ曲集。まあ、同内容の新譜の3種類発売の是非は置いておいて、けっこう彼女らしいダイナミックな部分もリリカルな部分もある、アレンジも含めて大胆な演奏で、楽しませてくれます。やっぱりこういうのを聴きたいなあ、というのを出してくれた感じ。ビートルズファンにとってみれば、何だこれはと思うぐらい、アレンジでいじってしまっているのもありますが、ジャズだとこのぐらいやってもらった方が、スカッとします。内容的には、いろいろ変化に富んでいますし。いや~、ノリにノッているなあ、という印象です。オリジナルもあえて加えたのも良かったと思います。


Because/山中千尋(P、Synth、Org,、G、Ukulele、Harmonica)(Verve)
Because/Chihiro Yamanaka(P, Synth, Org, G, Ukulele, Harmonica)(Verve) - Recorded May 7 and 8, 2012. Yasushi Nakamura(B), Jon Davis(Ds), John Nollen(Tabla on 1-2) - 1. Because 2. Yesterday 3. For No One 4. Insight Foresight 5. Here, There And Everywhere 6. The Imprints/Drive My Car/The Word 7. It Was A Beautiful 8 Minutes Of Mi Life 8. Your Mother Should Know 9. Honey Pie 10. Michelle (DVD) 1. Insight Foresight 2. It Was A Beautiful 8 Minutes Of Mi Life 3. For No One

主にビートルズ曲集で、山中千尋の曲が4曲目、6曲目のメドレーの一部、7曲目。かなり大胆な曲のアレンジと演奏の場面があります。演奏はリリカルな面もあるけど、彼女特有のパワフルさが特に魅力。時に変拍子も。1-2曲目はタブラが入っているし、3曲目はラテンのスピーディな出だしからカラフルに変わっていきます。ビートルズの曲は、アルバムを持ってなくても聴いたことのある曲は多いので、けっこう楽しめるのでは。アップテンポの4ビートでピアノを弾きまくっているのがうれしい4曲目、出だしの哀愁曲から変化のある展開をして、アップテンポもある6曲目、静かで渋いバラードから3連12ビートで盛り上がっていく7曲目。9曲目は多重録音で、ギター、ウクレレ、ハーモニカも使って陽気に。変化に富んでいるアルバム。(12年7月18日発売)

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