All Our Reasons/Billy Hart
ECM新譜聴き2日目で一段落。このところ、仕事やプライベートの忙しさで毎日更新ができないもどかしさはありますが、やはり稼ぎと日常生活を優先させないと、という面があって、つらいところ。今日聴いたアルバム、1曲目だけを聴くと、やはりECMだとこうなってしまうんだろうなあ、と予想通りのサウンドになったのですが、その後見事に予想を裏切るような曲が続き、アルバムコメントを何度も書き直すことになりました。結果、全部を聴いてみて、まあ、だいぶ違った印象になりました。マンフレート・アイヒャー・プロデュースでもこういう風に自由にやらせてくれる(といっても一定の縛りはあるようですが)のだなあ、と思った次第です。
All Our Reasons/Billy Hart(Ds)(ECM 2248)(輸入盤) - Recorded June 2011. Mark Turner(Ts), Ethan Iverson(P), Ben Street(B) - 1. Song For Balkis 2. Ohnedaruth 3. Tolli's Dance 4. Nostalgia For The Impossible 5. Duchess 6. Nigeria 7. Wasteland 8. Old Wood 9. Imke's March
(12/03/28)Billy Hart作が1、3、5、9曲目、Mark Turner作が6-7曲目、Ethan Iversonは2、4、8曲目(2曲目はジャイアント・ステップスに基づく)とメンバーで分け合っていて、タイトル的に4人連名を表記した方が良かったかも。1曲目がメロディの提示はあるものの、4人が寄り添いながら自由なテンポで進んでいく、穏やかなフリー的演奏。その曲の後マンフレート・アイヒャーのプロデュースとしてはけっこう自由にやらせてもらって、5曲目や2曲目中盤はスローやミディアムで4ビートを割と感じたりします。少し激しい場面や3曲目のようにちょっとテンポがあったり、極めつけはアップテンポかつ速いパッセージのフリーの6曲目が目立って、ドラムソロもあります。また、8曲目はテンポ感もあって温度感も高く、ECMとしては珍しいかも。
« Sunrise/Masabumi Kikuchi Trio | トップページ | X/Tribal Tech »
「音楽」カテゴリの記事
- 1月28日(土)、大阪中津の Vi-code で16時からライヴをやります(2023.01.24)
「ECMレーベル」カテゴリの記事
- Pier Paolo Pasolini/Land Der Arbeit/Christian Reiner(2022.12.10)
- Tonu Korvits/Robert Schumann/Edvard Grieg/Duo Gazzana(2022.11.27)
- The Recordings/Meredith Monk(2022.11.28)
- Affirmation/Arild Andersen Group(2022.11.19)
「ジャズ」カテゴリの記事
「ECM2201-2250番」カテゴリの記事
- Eleni Karaindrou/David(2016.12.05)
- Heinz Holliger/Machaut-Transkriptionen(2015.10.22)
- Tchaikovsky/Kissine/Piano Trios/Gidon Klemer/Giedre Dirvanauskaite/Khatia Buniatishvili(2011.05.06)
- Heinz Holliger/Induuchlen(2011.07.06)
- J.S. Bach/Ich Hatte Viel Bekummernis/Heinz Holliger/Erich Hobarth/Camerata Bern(2011.07.07)
コメント
トラックバック
この記事へのトラックバック一覧です: All Our Reasons/Billy Hart:
» Billy Hart / All Our Reasons [Jazz&Drummer]
Mark Turner(Ts)
Ethan Iverson(P)
Ben Street(B)
Billy Hart(Ds)
Rec. June 2011, NY
(ECM 2248)
ビリー・ハートのECMレコーディングは、「Charles Lloyd/The Call(93年)」「同/All My Relatio... [続きを読む]
» ECMらしい仕上がりです。 [「いっき」のJAZZあれこれ日記(ブログ)]
今日は新譜紹介です。 ビリー・ハートの『オール・アワー・リーズンズ』(2011年 [続きを読む]
» Billy Hart All Our Reasons [JAZZとAUDIOが出会うと。。。]
新譜情報をつらつらと眺めていたら引っかかった盤ということになりますが、Billy Hartという名前でもとくにピンときたわけでなく、なんとなく見覚えがあるような?という感じだったのですが、自blogを調べたら、Jean Michel Pilc の盤に参加している人でした。記憶力がないというか覚えようとしないというか..(汗)
といううことで、そのBilly HartがECMレーベルでそうそうたる面々と作成したアルバムがこれということになります。
かくいうメンツは以下のとおり。Mark Tur..... [続きを読む]
こちらからもTBさせていただきます。
ECMを意識しすぎたのか、同一メンバーでの「Billy Hart/Quartet(06年、別頁あり)」とはやっている音楽が異なっているところに、わざとらしさを感じてしまいました。
あとほ主役扱いのマーク・ターナーのプレイにもいまいちピンとこなかったのですが、こちらの方はFlyの新作に期待しています。
投稿: nary | 2012/04/04 18:29
>naryさん
TBどうもありがとうございます。
同一メンバーの別アルバムがあるんですね。ECMだと、おそらく同じようには全然いかないことと想像されます。まあ、このレーベルならと、想定の範囲内だったことと、ECMのど真ん中からは少しはみ出した曲もあったので、自分には、まあ面白かったでした。
投稿: 工藤 | 2012/04/04 20:16
こんばんは。
私は前作との比較になってしまったので、ECMの枠に入っちゃった演奏だと感じました。
工藤さんのようにECMをたくさん聴かれていると、その中での自由度のほうが見えてくるんでしょうね。
私もこれがつまらないとは思いません。
おっしゃるとおりまあ面白いというのに同感です。
私もTBさせていただきます。
投稿: いっき | 2012/04/22 19:27
>いっきさん
TBどうもありがとうございます。
ECMとしては自由度はある方かもしれませんけれど、キース・ジャレット・トリオなどレーベルでのベテランほどの自由度はなくて、やはりレーベルの枠はあるのかな、と思わせる演奏ではありました。
ただ、そのあたりを意識したサウンドとしては、やっぱりまあ面白いかな、と思うサウンドではあります。他レーベルでの同一メンバーの前作も気になります。
投稿: 工藤 | 2012/04/22 20:24
(温度感高めとも書いていますが)ECMらしい演奏という見立てをしているので..。
いっきさんが書かれている通り、ECMを聴いている量で印象が変わってくるんでしょう。
私も、楽しく聴いた1枚ではあります。
TBありがとうございます。逆TBさせていただきます。
投稿: oza。 | 2012/05/06 16:38
>oza。さん
TBどうもありがとうございます。
ECMらしいか、らしくないかということもありますけど、いわゆる範疇には入っているんじゃないかな?
ただ、そういうことよりも、楽しく聴けた、ということがよかったんではないでしょうか。
こうなると他レーベルでの同一メンバーのアルバム、気になりますね。
投稿: 工藤 | 2012/05/06 17:23