Rio/Keith Jarrett
ECMの新譜、しかもキース・ジャレットのソロが届きました。昨日届いたばかりだけど、先に聴いてしまいます。トリオのアルバムはなぜか最近の録音のものは出てないんですけど、ソロだと今回のように今年の録音の演奏が出ているところをみると、キース自身は好調なのかと思います。ピアノの表現力の限界に挑戦しているかのような、現代音楽的なものからしっとりしたバラード、そしてブルース的な演奏に至るまで、かなり幅広いですね。それをライヴ丸々1本まとめて録音してしまうのだから、その完成度はかなりのものと言わざるを得ません。しかも、出すアルバムごとに、内容が違うのだから(当然か)素晴らしいものです。
Rio/Keith Jarrett(P)(ECM 2198/99)(輸入盤) - Recorded April 9, 2011. - 1. Parts 1 2. Parts 2 3. Parts 3 4. Prats 4 5. Parts 5 6. Parts 6 7. Parts 7 8. Parts 8 9. Parts 9 10. Parts 10 11. Parts 11 12. Parts 12 13. Parts 13 14. Parts 14 15. Parts 15
(11/11/13)CD2枚組。ブラジルのリオデジャネイロでのライヴ。演奏は15パートに分かれていますが、比較的短いパートをつなぎ合わせてドラマのように構築されている感じもします。現代音楽的なやや激しいアプローチのある1曲目ではじまり、静かなしっとりとしたパート、美しいパート、活発なパート、その他いろいろな幅広い情景描写を見せつつライヴが進みます。ビートが利いて明るく進んでいく5曲目、じっくりとした、エキゾチックな要素もある6曲目、3拍子でかっちりしつつ温かみのある演奏をする8曲目、かなりの急速調で瞬発力もある10曲目、もっともブルース的でジャジーな、やはりこういう曲が1曲あると安心する11曲目、ゆったり感と浮遊感が何ともいえないバランスの12曲目、やはりジャジーという雰囲気の14曲目。
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910さん、こんにちは、monakaです。
ECMにしてはとても早いリリースですね。
これで2011年より前に録音どうするのでしょうね。どこかに心変わりでもあるのでしょうか。
次日本にきたらまた見にいくでしょうね。
投稿: monaka | 2011/11/13 17:03
>monakaさん
TBどうもありがとうございます。
ECMは必ずしも順番にリリースしていくレーベルではないですけど、これが出されてその前のはなかったことに、というのは困りますよねえ。ライヴ、1回1回違うでしょうし、なるべく多くの種類のリリースを望んでいます。
投稿: 工藤 | 2011/11/13 18:04
おはようございます。
トラバありがとございます。
キースも随分前から時々しかアルバムを買わなくなってしまいました。一番の理由はお財布の問題なんですけどね。。
皆様のようにきちんとフォローされてる方々の文章はとても勉強になります。
次々とでてくる現代のピアニストが尊敬してるだけありますよねぇ。。
何をしててもキースだ、、って、おもうわけで、その個性の強烈さを改めてかんじました。
投稿: Suzuck | 2011/11/14 06:47
>Suzuckさん
TBどうもありがとうございます。
インプロヴィゼーションだけでソロ・ピアノのアルバムを作ってしまった元祖で、それを他のこともやりながら何十年も続けているのはやはりタダ者ではないですよね。決定打がアルバムになるとはいえ、やはり演奏は素晴らしいです。
投稿: 工藤 | 2011/11/14 15:12
こちらからもTBさせていただきます。
いかにもといった感じのフリーインプロもあればブルースまでやっていたりして、今回のソロは緩急のメリハリがいい塩梅でした。
2枚組みなので通しで聴くのは疲れるだろうなあと思ってましがが、1枚目は39分しかないので、すぐに2枚目に手が伸びてしまいました(笑)。
投稿: nary | 2011/11/14 23:29
>naryさん
TBどうもありがとうございます。
やはりブラジルでの演奏、ということが良かったのか、重めの曲から軽い曲までバランスよく弾いていましたね。ライヴでこれだけのことをやってのけるのは、やはり素晴らしいと思いました。
投稿: 工藤 | 2011/11/15 08:04
工藤さん,こんばんは。
このアルバム,構成として結構聞き易くて,身構えずに聞くことができました。こういう演奏ならば何度でも聞きたくなりますね。近年のソロ作では一番いいと思いました。
ということでTBさせて頂きます。
投稿: 中年音楽狂 | 2011/11/15 19:26
>中年音楽狂さん
TBどうもありがとうございます。
最初は現代音楽風で身構えてしまいましたが、全15曲、いろいろなタイプの曲を演奏していて、だんだん親しみをもって聴くことができました。こういう演奏もいいなあ、と思います。
投稿: 工藤 | 2011/11/15 21:25
standaedsはちょっと古い演奏をリリースし、ソロ作は最近のをタイムラグ無くリリースしているのは、昨今のソロがstandardsより充実しているからと勘ぐっているのですが、本作も一気に聴き通せてしまう重苦しさをあまり感じさせない演奏で好感触です。
TBありがとうございます。逆TBさせていただきます。
投稿: oza。 | 2011/12/18 12:40
>oza。さん
TBどうもありがとうございます。
ソロがこれだけ新しい演奏をリリースされると、私も、やっぱりトリオの方は最近満足いく演奏がないのかなとも思えるのですが、それでもソロでここまでやってくれると、けっこうキースに対する満足度は高いです。やっぱり重苦しくないのはライヴの場所だったのかな、とも思います。
投稿: 工藤 | 2011/12/18 17:22
TB,ありがとうございます。
キースが明るいですね。リオの空気は彼の明るさを引き出しましたね。
軽やかになった感じです。こちらもTBします。
今年1年、お世話になりました。また来年もよろしくお願いします。
投稿: madame | 2011/12/31 10:18
>madameさん
TBどうもありがとうございます。
やっぱり演奏する場所によって、聴衆の反応(ソロでは静かですが)によって展開が変わってくるのかな、と思いました。やはりこれはその地で演奏したからこそ出てきたものかもしれませんね。
こちらこそ、お世話になりました。来年もよろしくお願いします。
投稿: 工藤 | 2011/12/31 10:45
910様
こんにちは。かなり遅れて聴いています。そして感動、年末に聴いていれば2011年の収穫に影響がありました。丸々一本がこれということの完成度の凄さはありますね。改めて恐るべしということで反省気味です。トラバさせて頂きます。
投稿: ki-ma | 2012/02/25 17:22
>ki-maさん
TBどうもありがとうございます。
リオでの録音ということで、気のせいかどうか、そこで演奏されている空気感や雰囲気までいつもと違う感じかします。むしろいい方向に動いているというか。改めていいな、と思いました。
投稿: 工藤 | 2012/02/25 18:41