Athens Concert/Charles Lloyd/Maria Farantouri
ECMレーベル新譜聴き。チャールス・ロイドはもともとエスニックな感じのサウンドではあったのですが、そこにギリシャのヴォーカルと、曲によっては民族楽器も加わるという編成で、より無国籍(あるいは多国籍)的なワールドのサウンドも加わった演奏です。いつもの彼ららしい部分と、相手のペースに合わせたような演奏の部分とありますが、基本的なグループのアプローチは、サウンドは変わるにしても、いい意味であまり変化がないような気もしています。まあ、新たな側面も見た思いですが、メンバー買いした人は、賛否両論分かれるかもしれません。この融合は、まさにECMのものと言えるのですが。
Athens Concert/Charles Lloyd(Sax, Fl, Tarogato)/Maria Farantouri(Voice)(ECM 2205/06)(輸入盤) - Recorded June 2010. Jason Moran(P), Reuben Rogers(B), Eric Harland(Ds), Scratis Sinopoulos(Lyra), Takis Farazis(P) - 1. Kratissa Ti Zoi Mou 2. Dream Weaver 3. Blow Wind 4. Requiem 5-7. Greek Suite, Part 1 8. Taxidi Sta Kythera 9. Prayer 10-12. Greek Suite, Part 2 13-17. Greek Suite, Part 3 18. Yanni Mou
(11/09/08)CD2枚組。チャールス・ロイドのバンドとギリシャのヴォーカル共演の、アテネでのコンサート。ロイド作は2-4、9曲目のみで、あとはギリシャの作曲家の曲やトラディショナル、あるいはそれを基にした曲で、エレニ・カラインドロウ作(8曲目)も。ほとんどの曲にヴォーカルが入っています。ギリシャのトラディショナル寄りのサウンドの曲もあれば、ロイドのサウンドの曲も2、4曲目などにあり。時にギリシャ流のエキゾチックさ、ギリシャの曲でのバンドサウンド、それらが合わさった場面も。18曲中、特に組曲がパート1から3まで11曲もあるのでこれらが骨組みなのですが、つながってい流れていくようでも、個々の曲の組み合わせ。スピリチュアルな演奏も多めですが、ECMにしては時々賑やかなサウンドで盛り上がります。
« Robert Schumann/Geistervariationen/Andras Schiff | トップページ | Rafale/KAZE »
「音楽」カテゴリの記事
- 1月28日(土)、大阪中津の Vi-code で16時からライヴをやります(2023.01.24)
「ECMレーベル」カテゴリの記事
- Pier Paolo Pasolini/Land Der Arbeit/Christian Reiner(2022.12.10)
- Tonu Korvits/Robert Schumann/Edvard Grieg/Duo Gazzana(2022.11.27)
- The Recordings/Meredith Monk(2022.11.28)
- Affirmation/Arild Andersen Group(2022.11.19)
「ジャズ」カテゴリの記事
「ECM2201-2250番」カテゴリの記事
- Eleni Karaindrou/David(2016.12.05)
- Heinz Holliger/Machaut-Transkriptionen(2015.10.22)
- Tchaikovsky/Kissine/Piano Trios/Gidon Klemer/Giedre Dirvanauskaite/Khatia Buniatishvili(2011.05.06)
- Heinz Holliger/Induuchlen(2011.07.06)
- J.S. Bach/Ich Hatte Viel Bekummernis/Heinz Holliger/Erich Hobarth/Camerata Bern(2011.07.07)
コメント
トラックバック
この記事へのトラックバック一覧です: Athens Concert/Charles Lloyd/Maria Farantouri:
» Charles Lloyd, Maria Farantouri / Athens Concert [Jazz&Drummer]
Charles Lloyd(Ts, Fl, Tarogato)
Maria Farantouri(Voice)
Jason Moran(P)
Reuben Rogers(B)
Eric Harland(Ds)
Socratis Sinopoulos(Iyra)
Takis Farazis(P)
Rec. June 2010, Live at Herod Attic... [続きを読む]
« Robert Schumann/Geistervariationen/Andras Schiff | トップページ | Rafale/KAZE »
こちらからもTBさせていただきます。
Maria Farantouriは他のアルバムでは聴いたことがないので、普段どういう音楽をやっているのか分からなかったですが、本作ではロイドのカラーにバッチリ嵌っていて、それなりに良かったです。
ただ同じヴォーカルでも、もっとジャズ寄りの人の方がロイドとはミスマッチで、むしろ面白いかなとも思いました。
投稿: nary | 2011/09/19 23:17
>naryさん
TBどうもありがとうございます。
Maria Farantouriはネットで見てみたら、ギリシャのベテラン女性シンガーということで、やはり民族音楽系というか国民的歌手というか、そういう位置付けなんだろうと思います。異種格闘技的でありながら、両方で歩み寄っているところも多く、興味深く聴けました。
投稿: 工藤 | 2011/09/19 23:48
こんにちは。
いつも参考にさせて頂いております。
さて一点お伺いしたいのでが、アテネコンサート
本盤私も購入しまして、非常に気に入っているのですが、
テープヒスといいますか、ノイズは見られませんでしたか??
終始(特に静かな場面で目立つ)テープノイズがありまして、
本国amazonではお一人そういったレビューを書いている方がいる以外、ネット上でもそういった情報はなく、戸惑っております。
参考までにお聞かせ頂ければ嬉しく思います。
これからも参考にさせて頂きます。
yu
投稿: ecm yu | 2012/05/22 19:17
>ecm yuさん
どうも、はじめまして。
私はヘッドホンやイヤホンでは音楽を聴かないし、スピーカーも極端に音量を上げる方ではないので、ちょっと聴き直してみましたけど、ノイズは気になりませんでした。
CDのプレスなんで特定のものが不良品ってことはないでしょうし、全部に一定のノイズがのっている可能性は有りますが、私は全然気にならなかったです。昔の音質の悪い音源も含め、常に音楽の方に耳が行ってしまう、という私の性質もあるのかもしれませんが...。
投稿: 工藤 | 2012/05/22 20:04
工藤さま
ご丁寧にご返信ありがとうございます!!
またお言葉足らずで失礼いたしました。
実際には二枚目の方が一曲目から目立っている感じです。
私はまだまだこういったノイズが気になってしまう方です。
精進ですね!
投稿: ecm yu | 2012/05/22 20:53
>ecm yuさん
考えてみればレコード(LP)時代はヒスノイズが当たり前の時代だったので、その時代も過ごしている私にとっては、気付かないか気にならないのかもしれません。
耳や音感が良かったりすると、いい面もあれば、気になるところや違和感が出てくるなど、その反対の面もあるようです。音を楽しむと書いて「音楽」ですから、より多くの人がジャズを楽しめればいいなあ、という感じでブログをやってます。
投稿: 工藤 | 2012/05/22 22:14