One Of Many/Kenny Wheeler
ケニー・ホイーラーの新作が届いてました、と思ったら’06年録音だったでした。まあ、この3人の方たち、高齢なので、ちょっと昔の音源が出てもやむを得ないでしょうね。ただ、そのことはともかくとして、ここでの演奏はけっこういいです。3人の個性が出ていて、温度感が低めなホイーラーとジョン・テイラー、ほんのり温かい感じのするスティーヴ・スワロウが合わさって、不思議と落ち着く音世界です。10曲目も4ビートが基調なんだけれど、フレーズ的には「オレは4ビートにはならないぞ」的な細かさがあったりするベースも面白いです。ホイーラーのアルバムは時々しか追いかけてませんけど、これは、なかなか。
One Of Many/Kenny Wheeler(Flh)(CAM Jazz)(輸入盤) - Recorded July 30 and 31, 2006. John Taylor(P), Steve Swallow(B) - 1. Phrase 2. Anticipation 3. Aneba 4. Any How 5. Canter #5 6. Ever After (Duo Version) 7. Now And Now Again 8. Old Ballad 9. Fortune's Child 10. Even After
(11/05/25)全曲ケニー・ホイーラーの作曲。フリューゲルホーン、ピアノ、エレキ・ベースという編成。時にはある程度活発だし、高齢とは思えない、割と温度感の低いメロディアスな演奏が展開されています。お互いにあうんの呼吸を分かっているような落ちついたやり取り。音的にはトリッキーなところはあまりないですが、フレーズ的には冒険しあってこのトリオが構成されているんだな、ということが分かります。それが美しいメロディの方向へ流れることが多く、さすがこのトリオ、と思えることもしばしば。変則編成ながらもヨーロッパの香りは強いです。ジョン・テイラーもクリアな硬質感を持つピアニスト。そして、スティーヴ・スワロウの柔らかいエレキ・ベースがアクセントです。時に高音域でギター的な役割も。4曲目は4ビートからラテンへ。
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雲、、高いな。。今日は、大安。 それがどうした?って、それだけでも心のよりどころ [続きを読む]
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なんだか、配送が遅れて、、
夏前には来ましたが、、夏ばてで、、
やっと、ブログにあげました。
スワローのエレベ、ギター効果ですよねぇ。
3人の阿吽の呼吸が、演奏をハイレベルな感じにしておりますね。
投稿: Suzuck | 2011/09/07 18:44
>Suzuckさん
TBどうもありがとうございます。
私もちょっと遅れて届いたんですが、でも日付は5月になってます。
スティーヴ・スワローのベース、確か高い方に1本弦が余分についていて、それがギターの音域に届いているのです。
さすがベテランの、そして肩の力が抜けていい感じの演奏でした。
投稿: 工藤 | 2011/09/07 21:10