スリッピン・トリッピン/ヴィクター・ベイリー
ちょっといろいろあって、国内盤の発売から1ヵ月以上経ってからの紹介になります。元々は自主盤だったらしく、それをキング・レコードがボーナストラックをつけて国内盤化したという事情らしいです。ちょっとシンプルすぎるくらいシンプルなサウンドだし、彼ひとりのいろいろな楽器を使用した多重録音も何曲かあり、彼のヴォーカルも入っているということで、好みはけっこう分かれそう。豪華なメンバーがゲストですけれども、むしろそちらはあまり気にせずに、彼のベースや曲を楽しむためにあるようなアルバムかも。どうもそのシンプル感が合うか合わないかがカギとなっていそうです。聴きやすいながら聴く人を選ぶアルバムでしょうね。
スリッピン・トリッピン/ヴィクター・ベイリー(B、Key、Ds、Vo)(Seven Seas)
Slippin'N'Trippin'/Victor Bailey(B, Key, Ds, Vo)(Seven Seas) - Released 2011. Peter Horvath(Key on 2-3, 9), Billy Cobham(Ds on 2, 9), Mino Cinelu(Ds on 3), Ron Carter(B on 4), David Kikoski(P on 4, 6), Lenny White(Ds on 4), Manolo Badrena(Per on 6), Omar Hakim(Ds on 10), Randy Goos(G on 11-12), Dean Johnson(Ds on 11-12) - 1. Ape School 2. Slippin'N'Trippin' 3. I Wonder 4. Countdown 5. Alfie 6. Like A Horn 7. Kiss 8. If You Say So 9. Slippin'N'Trippin' 10. Lucky Punch 11. Monument Valley[Bonus Track] 12. Say Uncle[Bonus Track]
ヴィクター・ベイリー作ないし共作は9曲(1-3、6、8-12曲目)あって、彼のみの多重録音の曲も1、5、7-8曲目にあります。元は自主制作盤として販売していたらしいです。エレキ・ベース好きにはたまらないほどにベースが前面に出ていて、多重録音も効果的で、サウンド全体としてはシンプルな傾向。4曲目のジョン・コルトレーン作では、スキャット付き(?)の超絶技巧を見せたり、ゲストのメンバーも多彩だったりと、曲ごとにはけっこう面白い。ただ、シンプルな編成でのゲストが入れ替わり立ち替わりなのでちょっと散漫な気もするのと、ヴォーカルも適度に入っているので、そのあたりが好みが分かれそう。彼のヴォーカルも、まあ、なかなかかも。11-12曲目の、ボーナス・トラックのギター・トリオもなかなか好みのサウンド。(11年2月23日発売)
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Victor Bailey(B, Key, Ds, Per, Vo)
Peter Harvath(Rhodes)2,3,9
David Kikoski(P)4,6
Randy Roos(G)Bonus Tracks11,12
Ron Carter(Ac-B)4
Billy Cobham(Ds)2,9
Mino Cinelu(Ds, Per)3
Lenny Whit... [続きを読む]
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こちらからもTBさせていただきます。
本作はエレベ奏者の典型的なアルバム作りでしたね。
バンドとしての魅力はイマイチで、特にビリー・コブハムが参加している意味合いは感じられませんでした。
その点オマー・ハキム入りの曲はまあまあだったですが、むしろ無名のメンバーでやっているボーナストラックの2曲が一番面白かったです。
投稿: nary | 2011/04/02 11:48
>naryさん
TBどうもありがとうございます。
私もボーナス・トラックと10曲目は気に入りましたけど、オリジナルアルバムだけの曲だとやっぱり雰囲気はガラっと変わってきたと思います。
ベースと、彼自身の多重録音が多いのは、やはり評価が分かれてきそうです。けっこうシンプルなサウンドでしたし。
投稿: 工藤 | 2011/04/02 12:00