Rruga/Colin Vallon/Patrice Moret/Samuel Rohrer
ECMレーベル2日目。このレーベルではピアノ・トリオというのは割と珍しいです。そんなに前でなくてキース・ジャレット以外で記憶にあるのはアナト・フォート、ジュリア・ハルスマン、ステファノ・ブラーニ、トルド・グスタフセンとシンプル・アコースティック・トリオ(アルバムでは3人の名前でクレジット)ぐらいかな(全部調べたわけではないですが)。今、ECMの公式ホームページのトップページも、このアルバムのジャケ写が使われていて、レーベルのイチオシの感じがしないでもありません。どうやらスイスが活動拠点のようです。オリジナルばかりだし、単に繊細なだけではなくて盛り上がりもある非4ビート系、たまに静かなフリー的アプローチもあり、ということで、万人ウケはしないでしょうけれども、ECMのファンにとってはけっこうツボなんじゃないか、と思ってもみたり。
Rruga/Colin Vallon(P)/Patrice Moret(B)/Samuel Rohrer(Ds)(ECM 2185)(輸入盤) - Recorded May 2010. - 1. Telepathy 2. Rruga 3. Home 4. Polygonia 5. Eyjafjallajokull 6. Meral 7. Iskar 8. Noreia 9. Rruga, Var. 10. Fjord 11. Epilog
(11/02/19)タイトル曲はアルバニア語で「Path」「Road」「Journey」などを表す言葉で、コーカサス地方などの単語もあって、そちらの関係か。メンバーそれぞれの作曲がほとんど対等にちりばめられていて、元曲があるインプロヴィゼーションは7曲目。どちらかというと繊細なピアノ・トリオなんですが、静かな場面からダイナミックな高揚感のある場面まで表現でき、しかもあまり甘口でないアプローチも見せています。ややフリー的な展開の場面もあります。タイトル曲の2曲目のように、まるで映画音楽のような美しいメロディながらも少しダイナミクスのある場面のある曲もあったり、まさに非4ビート哀愁系のヨーロッパ的なピアノ・トリオ。落ち着きはあっても、繊細なようでいて、なかなか一筋縄ではいかないECM好みのミュージシャンです。
« Night Song/Ketil Bjornstad/Svante Henryson | トップページ | Mistico Mediterraneo/Paolo Fresu/A Filetta Corsican Voices/Daniele Di Bonaventura »
「音楽」カテゴリの記事
- ブルーノートのタワーレコード限定SACDハイブリッド盤を購入(2024.09.24)
- Unfolding/Louis Sclavis/Benjamin Moussay(2024.09.23)
- Our Time/Trygve Seim/Frode Haltli(2024.09.22)
- Za Gorami/Alice Zawadzki/Fred Thomas/Misha Mullov-Abbado(2024.09.21)
- Imaginary Cycle/Florian Weber(2024.09.20)
「ECMレーベル」カテゴリの記事
- Unfolding/Louis Sclavis/Benjamin Moussay(2024.09.23)
- Our Time/Trygve Seim/Frode Haltli(2024.09.22)
- Za Gorami/Alice Zawadzki/Fred Thomas/Misha Mullov-Abbado(2024.09.21)
- Imaginary Cycle/Florian Weber(2024.09.20)
- Transylvanian Dance/Lucian Ban, Mat Maneri(2024.09.04)
「ジャズ」カテゴリの記事
- ブルーノートのタワーレコード限定SACDハイブリッド盤を購入(2024.09.24)
- Unfolding/Louis Sclavis/Benjamin Moussay(2024.09.23)
- Our Time/Trygve Seim/Frode Haltli(2024.09.22)
- Za Gorami/Alice Zawadzki/Fred Thomas/Misha Mullov-Abbado(2024.09.21)
- Imaginary Cycle/Florian Weber(2024.09.20)
「ECM2151-2200番」カテゴリの記事
- Arvo Part/Symphony No.4(2010.08.29)
- Gidon Kremer/Kremerata Baltica/Hymns And Prayers(2010.08.30)
- A. Berg/K.A. Hartmann/Tief In Der Nacht/Juliane Banse/Aleksandar Madzar(2010.11.20)
- A Worcester Ladymass/Trio Mediaeval(2011.03.28)
- Songs Of Ascension/Meredith Monk(2011.06.05)
コメント
トラックバック
この記事へのトラックバック一覧です: Rruga/Colin Vallon/Patrice Moret/Samuel Rohrer:
» Colin Vallon:期待通りのECMらしさと言うべきか [中年音楽狂日記:Toshiya's Music Bar]
Rruga Colin Vallon(ECM) 久々の(そうでもない?)ECMレーベルの新作である。私はこのColin Vallonという人の名前は初めて聞いたのだが,既にHatHutにもアルバムを残 [続きを読む]
« Night Song/Ketil Bjornstad/Svante Henryson | トップページ | Mistico Mediterraneo/Paolo Fresu/A Filetta Corsican Voices/Daniele Di Bonaventura »
工藤さん,こんにちは。TBありがとうございました。
このアルバム,期待通りのECMらしさというか,なかなかいい作品でした。私としては,この人たちを現段階でもろ手を挙げて評価するには時期尚早のような気もしますが,確実に期待できる人たちではありますね。
ということで,こちらからもTBさせて頂きます。
投稿: 中年音楽狂 | 2011/02/20 16:24
>中年音楽狂さん
TBどうもありがとうございます。
ECMの場合、ビッグネームを呼び込むこともありますけど、全くの新人だったり、このグループのようにある程度演奏経歴があったりと、いろいろですね。でも、ヨーロッパではともかく、日本ではあまり知られていないこのメンバーをイチオシ(現在の公式HPのトップ写真がジャケット)にしているところなど、ますますECMの独自性というかミステリー性にひかれてしまいます。
投稿: 工藤 | 2011/02/20 17:21