Perpetual Motion/Donny McCaslin
10曲目はユリ・ケインのソロ・ピアノで牧歌的に明るく終わるのですが、そこに至るまでのほとんどを占める9曲目まではやはり現代ジャズ的な要素が、フェンダー・ローズやエレキ・ベースがありつつも強いサウンドだったです。やっぱりデヴィッド・ビニーやデイヴ・ダグラスがプロデューサー関係で絡んでいるからだな、と思いました。メンバーとしてはアントニオ・サンチェスのドラムス(5曲目まで)も聴きどころではありますけど、後半のドラマーと個性がだいぶ違っていて、興味深かったです。このアルバムも聴く人を選ぶかと思います。でも、現在進行形のニューヨークジャズをあらわしているサウンドなんだ、と感じています。
Perpetual Motion/Donny McCaslin(Ts)(Green Leaf Music)(輸入盤) - Recorded September 2010. Adam Benjamin(Key, P on 1-7, 9), Tim Lefebvre(B), Antonio Sanchez(Ds on 1-5), Mark Guiliana(Ds on 6-9), Uri Caine(P, Key on 4, 8, 10), David Binney(As, electronics on 9) - 1. Five Hands Down 2. Perpetual Motion 3. Claire 4. Firely 5. Energy Generation 6. Memphis Redux 7. L.Z.C.M. 8. East Bay Grit 9. Impossible Machine 10. For Someone
(11/02/05)8-10曲目がメンバーの作曲や共作のほかは、ドニー・マッカスリンの作曲。エレキ・ベースやフェンダー・ローズの場面が多い現代ジャズで、入り組んだ感じはするけれどもカッコ良いです。分かりやすい感じではないので、聴く人を選ぶかと思いますが、ハマるとけっこうハマります。メンバーも強力だし、プロデューサー関係に、デヴィッド・ビニーとデイヴ・ダグラスが名前を連ねていることからも、自由で強力な現代ジャズサウンドがせまってきます。エレキ・ベースでもファンクもあるけれど、非4ビートのジャズに乗っかっているという感じの曲が多いです。そのあたりクールながらフレキシブルな感じ。ドラムスでリズムが変わり、後半ははっきりしたシンプルなビートがメインに。3曲目出だしのドラムスとのデュオはなかなか。
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» Donny McCaslin / Perpetual Motion [Jazz&Drummer]
Donny McCaslin(Ts)
Adam Benjamin(Rhodes, P)1-7,9
Tim Lefebvre(El-B)
Antonio Sanchez(Ds)1-5
Mark Guiliana(Ds)6-9
Uri Caine(P, Rhodes)4,8,10
David Binney(As, Electronics)9
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Donny Mccaslinの新作です。
Donny Mccaslinは、2009年のベスト3(http://blogs.yahoo.co.jp/pabljxan/58913084.html)に Declaration (http://blogs.yahoo.co.jp/pabljxan/58695731.html)を入れたくらいに、個人の演奏もさることながら、アルバムの完成度(魔力、魅力)にヤられてしまっていたので、この新譜も、かなりの期待度を持って購入してきたアルバムとなります。
メ..... [続きを読む]
こちらからもTBさせていただきます。
本作はマッカスリンとサンチェスの2人が容赦なくガンガンいっている前半も良かったのですが、ドラムスがマーク・ジュリアーナに代わっての後半もまたそれまでとは雰囲気が変わっていてとても良かったです。
これだけの素晴らしい演奏内容なのに、1,000円以下で買えてしまったのだから、こんなに嬉しいことはないです。
投稿: nary | 2011/02/05 18:37
>naryさん
TBどうもありがとうございます。
値段の安さで思わずクリックしてしまったのですが、メンバーも強力ですし、演奏もけっこう良かったです。エレクトリック系の楽器が入っていつつもあまりファンクにならずに非4ビート系のジャズに近いのはさすがだな、と思いました。
投稿: 工藤 | 2011/02/05 20:16
こんばんは。
このアルバムは今時ニューヨークで、私としては今一番聴いているタイプのジャズ。なかなか良かったです。
フェンダー・ローズとエレクトリック・ベースでフュージョンに走らないジャズというのが結構私好みです。
最近のマッキャスリンはレベルが高いですよね。
確かに値段が安い。
トラックバックさせていただきます。
投稿: いっき | 2011/02/26 22:53
>いっきさん
TBどうもありがとうございます。
私はつい値段で買ってしまいました(笑)が、内容はかなり良かったです。参加メンバーも文句なしですし、できればデヴィッド・ヴィニーももう少し参加してくれれば、と思ったぐらいです。まさにニューヨークの現代ジャズサウンドですね。
投稿: 工藤 | 2011/02/26 23:19
前作"Declaration"を2009年のベストに推しているくらいに、自分との相性抜群だと思ってるDonny Mccaslinですが、本作でもその相性の良さは違わずの満足度の高い演奏を聴かせてもらいました。
コメントありがとうございます。逆TBさせていただきます。
投稿: oza。 | 2011/04/16 17:28
>oza。さん
TBどうもありがとうございます。
現代ジャズとしてはけっこうおいしいところを聴かせてくれましたよね。皆に聴きやすいわけではないですが、現代ジャズ好きのツボを押さえている、という感じのアルバムでした。
投稿: 工藤 | 2011/04/16 18:40