ビコーズ/後藤芳子
特にこのアルバムを以前から探し求めていたわけではなかったのですが、バックのトリオのメンバーが佐藤允彦、富樫雅彦、井野信義ということで、注文してみました。当初トリオ・レコードで’81年に録音、発売、その後’80年代に一度他のレコード会社よりCD化されたらしいですが、すぐになくなり、久しぶりのCD化とのことです。富樫雅彦の参加と、おそらく佐藤允彦のアレンジというかアプローチが、このアルバムを、ただのピアノトリオをバックにしたヴォーカルアルバムではなくて、4者一体となった素晴らしいアルバムとしてくれたのだと思います。ただ、個性的すぎて聴く人を選ぶアルバムかもしれませんが。
ビコーズ/後藤芳子(Vo)(Clinck Records)
Because/Yoshiko Goto(Vo)(Clinck Records) - Recorded March 11 and 13, 2011. 佐藤允彦(Key)、富樫雅彦(Per)、井野信義(B) - 1. S'wonderful 2. Because 3. Dindi 4. Send In The Crowds 5. New York State Of Mind 6. You Must Believe In Spring 7. Don't Explain 8. You Stepped Out Of A Dream 9. Ordinary Fool
元はトリオレコードでの録音、LP発売。スタンダード、ボッサ、ポップスが適度に混ざっている、ピアノ・トリオをバックにしたヴォーカルアルバム。とここまで書くと普通のアルバムに思えますが、ヴォーカルはもちろんかなりいいですが、バックの3人がタダ者ではない有名な人たち。特に、富樫雅彦が歌伴のパーカッションを、彼のリーダー作のように緊張感を持って演奏しています。彼のこれだけの歌伴演奏はおそらくこれ以前には例がなかったのでは。ピアノは時にエレキ・ピアノになります。4曲目はスピリチュアルにゆったりと進行して、しかも奥が深い、まさに彼らならではのサウンド。味わい深く普通にジャズとして聴かせるものもあれば、トリッキーというか個性満載の曲があるのも彼らならではの味わい。7曲目はフリー的な展開。(11年2月20日発売)
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