東風(こち)/ウィッシズ
East Windレーベル2日目にしてひと区切り。メンバーがまずスゴいのですが、’76年という時代でこのメンバーだと、やはり少し前のあたりのマイルス・バンドの影響も避けて通れないようで、アルバムを聴いて、最初イメージしていたのと、だいぶ違いました。1曲目の出だしが日本の雅楽風なので、これで通すのかと思いきや、1曲目の中盤からサウンドは180度反転してしまってファンクになるのですから。本当は当時の菊地雅章のアルバムを全部聴いてみるべきなのですが、私はまだそこまでいっていません。フリージャズもあった’70年代は、同時にファンクサウンドの時期でもあったのですね。日野皓正も参加しています。
東風(こち)/ウィッシズ(East Wind)
Wishes/Kochi(東風)(East Wind) - Recorded August 11-12 and 14, 1976. Masabumi Kikuchi(P, Key, Synth, Biwa), Terumasa Hino(Tp, Per), Steve Grossman(Ss, Ts), Dave Liebman(Ss, G-fl), Reggie Lucas(G), Anthony Jackson(B), Al Foster(Ds), M'tume(Conga Ds) - 1. Aurural Flare 2. Caribbiean Blue 3. La Moca Esta Darmiendo 4. Wishes - Pacific Hushes 5. Electric Ephemeron 6. Alone
作曲は全曲菊地雅章。メンバーもスゴいけれども、日本の雅楽を元にした曲を1曲目の出だしに持ってくるのは、東洋(日本)というものを意識したサウンド。でもそこだけですけれども。中盤からあとは渋いクロスオーバーになるその1曲目は13分台の大作になっています。2曲目は当時少し前のマイルスバンドなどの影響を受けているような、ファンクサウンド、リズムとベースの反復が陶酔感を誘います。ちょっとゆったりした、ベースの持続音が印象的に心に残る渋めの3曲目、出だしで静寂の中から音が現れて、少しずつ盛り上がっていくスローな、どことなく日本的でもある4曲目、シャッフルのリズムであるものの、ちょっと沈んだ感じから盛り上がる5曲目、ライナーによれば菊地の多重録音で構成されている浮遊感のある6曲目。(02年11月20日発売)
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