Wish/大石学トリオ
澤野工房は主に何人かのピアニストのローテーションで録音するようなスケジュールになってから、聴く方も最近は飽きてきて、3か月前から全部買いするのをやめていますが、こういういいアルバムも出しているんですね。今回、日本人のピアニストがフランスへ行って、Jean-Philippe Viretらと共演するというので、買ってみました、聴いてみたら、これが私的にはアタリで、買って良かったアルバムの1枚になりました。日本人だけで録音したら、こういう風にはならなかったと思います。まさにヨーロッパのピアノ・トリオというサウンドで、しかもオリジナリティもあって、珍しくアップするまでに何度も聴いてしまいました。
Wish/大石学(P)トリオ(澤野工房)
Wish/Manabu Ohishi(P)(Atelier Sawano AS100) - Recorded May 8, 2010. Jean-Philippe Viret(B), Simon Goubert(Ds) - 1. I'm Yours 2. Wish 3. My Foolish Heart 4. NEBULA 5. Continuous Rain 6. Hikari 7. What A Wonderful World [Solo]
3、7曲目がスタンダードの他は大石学作曲。ボトムの2人がフランス人のせいか、曲やフレーズのせいか、5-6曲目がやや日本的かなと思うけど、全体に日本人色が希薄で、ヨーロッパのピアノ・トリオとしても分からないかも。ちょっと色合いが薄い感じで、サラッとしているサウンドはかの地の気候にマッチします。ビートも非4ビート系が多く、4ビートの曲は2、6曲目のみ。あまりブンブンとドライヴするような感じではない。オリジナル曲はそのコード進行といい、フレーズといい繊細で美しいです。それはスタンダードでも、3曲目の「マイ・フーリッシュ・ハート」や7曲目のソロの曲にもあらわれてます。かと言って繊細なだけではなく、乾きながらも力強さの感じるフレーズも。「全曲を1テイクで録」ったそうで、素晴らしいピアノ・トリオ。(10年7月23日発売)
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» 一汁一菜のやさしさ Wish/大石学 [JAZZ最中]
中国での食事は品数が多く、7品から8品のおかずを食べて〆はというパターンです。
それを体験した後にこのアルバムを聴いて、思い浮かんだblogの題がこれでした。
誤解を招いてはいけないののですが、このアルバムが一汁一菜の質素なものという事ではありません。
間違えませんように。
1曲目、これがとてもいい曲で、ピアノの音がやさしく響きます。録音をこの人のピアノ音をとるためにしたような包み込まれるような素敵な音です。
このアルバム、仕事で海外に行く前に仕入れて帰ってすぐきいたのですが、ちょっとわから... [続きを読む]
» WISH / MANABU OHISHI TRIO [JAZZ & BOSSA]
何とも耽美的。 美しいピアノです。
大石学さん、とてもロマンチックなピアノを弾く方です。
澤野から出た1枚。WISH。澤野らしいアルバムに仕上がってます。
でももとから、彼にはこういう面があって、レーベルカラーに合わせた、と
いうものでは ないと思います。
むしろ、彼のピアノなら、澤野から出すにふさわしい、と感じました。
本当に静謐だったり、ロマンチックだったり。
..... [続きを読む]
910さん、こんにちはmonakaです。
この人とても柔らかいハーモニーをつくりますね。右手のラインはしっかりしているし、聞いていてとても安心します。
今年の中でもかなり上位のアルバムです。
TBさせていただきます。
投稿: monaka | 2010/09/05 09:26
>monakaさん
TBどうもありがとうございます。
私、大石学さんてはじめてなんですが、澤野工房をレーベルとして追いかけることはやめましたけど、澤野の日本人はほぼハズレなしなんで買ってみました。
ジャン・フィリップ・ヴィレはじめフランス人らと演奏したのが、結果的にいい方向に出ていると思います。私もこのアルバム、買って良かったでした。
投稿: 工藤 | 2010/09/05 12:20
大石さんのピアノは好きです。
このアルバムは確かにバックのメンバーでよりヨーロピアンなテイストが際立ってますね。
ライブに行きたくなりました。TBしますね。
投稿: madame | 2010/10/25 23:01
>madameさん
TBどうもありがとうございます。
私はこのアルバム、ジャン=フィリップ・ヴィレ買いで買ってみたのですが、大石さん、スゴくいいではありませんか。
このメンバーで日本でライヴをやらないかなあ、なんて思っています。
投稿: 工藤 | 2010/10/26 08:29