ハイ・スタンダーズ/ジェフ・バーリン
ジェフ・バーリンという超絶技巧ベーシストのリーダー作で7枚目とのこと。息の長いベーシストの割には、いろいろ事情があったらしく、活躍の場が今まで限られていましたけど、このスタンダード集を聴いても、相変わらずトップレベルのベースの腕前を持っていることが分かります。エレクトリックの4弦ベースで、ここまで弾ける人、そうはいないんじゃないかな。最近はそれでも速弾きのベーシスト、増えてきましたけれども。スタンダードでピアノ・トリオといっても、メインはピアノではなくてベースというところも、彼らしくて面白いです。ただ速いだけではなくて、歌っているように聴こえるのが、彼らしいところ。
ハイ・スタンダーズ/ジェフ・バーリン(B)(Seven Seas)
High Standards/Jeff Berlin(B)(Seven Seas) - Recorded January 2010. Richard Drexler(P, B), Danny Gotlieb(Ds) - 1. Groovin' High 2. Nardis 3. I Want To Be Happy 4. Body And Soul 5. Solar 6. Invitation 7. If I Were Bell 8. Valse Nobles Et Sentimentales No. 4 9. Someday My Prince Will Come
9曲目がクラシックの曲の他は、スタンダードやジャズメン・オリジナル。このアルバムでビックリするのは、ジェフ・バーリンの4弦エレクトリック・ベースがとにかく前面に出ていて、テーマもやってしまったり、ピアノと役割が普通のピアノ・トリオと反対なことです。もちろんピアノ・ソロの部分も、十分スゴいのですが、それ以上にベースにぶっ飛ぶ仕組みになっています。2、9曲目ではRichard Drexlerがアップライト・ベースでバックにまわって2ベースで演奏している曲も。とにかくその奏法やフレーズには驚くことばかり。有名度という点では今ひとつだけれども、テクニックはトップクラスなことを証明してしまっているアルバムです。もちろんバラードの曲も味がありますし。6曲目はちょっと遅めのテンポ。8曲目は構築された感じもある小品。(10年8月4日発売)
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こちらからもTBさせていただきます。
ジェフ・バーリンはチョッパーをやらない(できるけどあえてしない)ので決して派手ではないですが、本作のような4ビートをやらせても相変わらずの上手さで感心しました。
ただし6曲目「Invitation」だけは、ジャコがやっているようなアップテンポで聴いてみたかったです。
投稿: nary | 2010/08/08 14:12
>naryさん
TBどうもありがとうございます。
いやー、ピアノとベースの立場が入れ替わってしまっているようなピアノ・トリオっておそらく私、これがはじめてじゃないかと思います。インパクト強かったです。
やはり6曲目「Invitation」はアップテンポがいい、というのは同じ思いですけど、ジャコ風にならないように、苦心したのかもしれませんね。
投稿: 工藤 | 2010/08/08 17:17