Harvesting Samblances And Affinities/Steve Coleman And Five Elements
スティーヴ・コールマンが久しぶりにアルバムを出しました。レーベルを移籍したんでしょうかね。相変わらず、彼独自の世界をメロディ、ハーモニー、リズムなどの面でかもし出していますけれど、似たような傾向(変拍子とか)の現代ジャズミュージシャンがたくさん出てきたので、昔ほどには目立ってないのが、ちょっと気になってます。彼には最前線を突っ走ってほしいのですが。昔はカサンドラ・ウィルソンはじめ、有名なミュージシャンをたくさん出したファイヴ・エレメンツではありますが、このアルバムでも(名前はトーマス・モーガン(B)しか知らなかったけど)いい腕前のミュージシャンを揃えています。ただクセがあるので、聴く人を選ぶアルバムかなあ、とも思います。
Harvesting Samblances And Affinities/Steve Coleman(As) And Five Elements(PI Recordings)(輸入盤) - Recorded October 19, 2006 and February 23, 2007. Jonathan Finlayson(Tp), Tim Albright(Tb), Jen Shyu(Vo), Thomas Morgan(B), Tyshawn Sorey(Ds), Marcus Gilmore(Ds on 5), Ramon Garcia Perez(Per on 5) - 1. Attila 02(Dawning Ritual) 2. Beba 3. Clouds 4. 060706-2319(Middle Of Water) 5. Flots Ut Rosa Floruit 6. Attila 04(Closing Ritual) 7. Vernal Equinox(Initiation)
(10/07/12)5曲目以外はスティーヴ・コールマンの作曲。5曲目の詩は13世紀の作者不詳のもので、サウンドは何となく昔の雰囲気も。相変わらず変拍子もあって、不思議でエキゾチックなヴォーカルを起用した、彼流のファンク・ジャズ。サックスの旋律転換法(反メロディアスなフレーズ)も健在。ただ、’80年代はこれが彼のウリだったわけですが、こういうアプローチが現代ジャズでは多くなってきているため、これぞ彼のアルバム、という要素は薄れてきているかも。その複雑なビートを縦横無尽に叩きまくり、時にアクセントをつけるドラマーのTyshawn Soreyはけっこう個性的かも。フリーに近くも聴こえますが、やはり自由ながら変拍子ファンクの演奏。4ビート的、あるいはバラード的になるところもあって、曲によりジャズ寄りかも。
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コメント
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こちらからもTBさせていただきます。
本作はサウンド自体は悪くなかったのですが、ヴォーカル(ヴォイス)がかなり目立っていたのが残念でした。
でもドラマーのTyshawn Soreyは収穫だったです。
投稿: nary | 2010/07/14 19:10
>naryさん
TBどうもありがとうございます。
スティーヴ・コールマンはヴォーカリストを入れて演奏することも多いのですが、やっぱりひとクセあるサウンドですね。そのあたりが好き嫌いが分かれるのかもしれませんが、ちょっと小粒な印象もありました。
ドラマーはその中では私も良かったです。
投稿: 工藤 | 2010/07/14 22:24