Quiet Inlett/Food/Thomas Stronen/Iain Ballamy
ECMレーベル新譜聴き7日目で一段落。今回ECMの新譜を聴いてきて、ジャズらしい感じのするのはなく、どこかボーダーレスのものでジャズの色がないか、薄いものが多かったです。現代ジャズを象徴するような動きでもあるし、このレーベルがそういう方向性を強めていることもあるでしょうね。このアルバムのメンバーも、ジャズはやろうと思えばできるんだろうけれど、あえて抑制をかけて、エレクトロニクスも割と地味に使い、民族音楽的な、無国籍的なサウンドにした雰囲気があります。でも、快進撃を続けているECMのことだから、やはりヨーロッパには受け入れられているんだろうなあ、とは思います。日本ではどうでしょうか。
Quiet Inlett/Food/Thomas Stronen(Ds, Live-electronics)/Iain Ballamy(Ts, Ss)(ECM 2163)(輸入盤) - Released 2010. Nils Petter Molvaer(Tp, Electronics on 2, 4-6), Christian Fennesz(G, Electronics on 1, 3, 7) - 1. Tobiko 2. Chimaera 3. Mictyris 4. Bacalmed 5. Cirrina 6. Dweller 7. Fathom
(10/06/02)全曲、グループ「Food」の作曲。Thomas StronenとIain Ballamyのユニットと考えてよさそう。エレクトロニクスを多用していますが、あまり電気電気した感じではなく、効果的に使われています。そして、 ECMらしいゆったりした空間の多いサウンドであり、どことなく民族音楽を想像させるような曲調。素朴と言えば素朴な感じのメロディと打楽器で、そこにエレクトロニクスが絡んで、けっこう考えられているサウンドかも。ドラムスのビートのある程度効いた曲もあるけれど、管楽器が全然シャープではなくて、包み込むような、しかもこれまた素朴な民謡的なメロディなので、本質的には西欧作の民族音楽なのかな、と思わせるサウンドです。メンバー的にはECM的なのですが。地味な感じもするけどヨーロッパではウケそう。
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