Unlikely Stories/Lage Lund
Criss Crossレーベル新譜聴き2日目。ラージュ・ルンドの新作は全曲オリジナルです。スタンダードを演奏しているアルバムもいいけれど、現代ジャズを垣間見るにはこういうアルバムを聴いてみなければ、という面はあると思います。ですので、聴く人を選ぶかもしれませんが、この微妙な浮遊感やビート、繊細なフレーズがけっこう高度なところで組み合わされて紡ぎ出される音は、なかなか聴くことができないのではないかと思います。けっこうハマるのではないでしょうか。メンバーもかなりいいですしね。そして、このアルバム、けっこうギターが前面に出ずっぱりの印象もあるので、そういう点でもおススメです。
Unlikely Stories/Lage Lund(G)(Criss Cross 1321)(輸入盤) - Recorded November 5, 2009. Edward Simon(P), Ben Street(B), Bill Stewart(Ds) - 1. Swagger 2. Folly 3. Worms 4. 12 Beats 5. Truckstop Queen 6. Drum 7. Life At The Bottom Of The Lake 8. What We See
(10/03/13)全曲ラージュ・ルンドの作曲。若いながら、現代ジャズの複雑さ、浮遊感などをうまく消化している感じ。ピアノとのクァルテットという難しい編成ですが、うまくまとまっています。というよりは、繊細でかなり自由なサウンドかも。その浮遊感と薄暗さのうまく表現されている1曲目、独特なリズムと綾織り系のサウンドが組み合わさった非4ビート系の2曲目、ギターがメインで、各楽器が自由奔放に動き回っているような3曲目、温度感が低くて12ビートというよりラテンビートにも聴こえる4曲目、ソロ・ギターではじまる静かなバラードの5曲目、中途にアップテンポの4ビートもはさまって快活に進む6曲目、しっとりとした、それでいて一筋縄ではいかないバラードの7曲目、綾織り系のサウンドと思うとけっこう盛り上がる8曲目。
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こちらからもTBさせていただきます。
前作も良かったのですが、本作はそれに輪をかけて素晴らしかったです。
こういうのを聴いてしまうと、国内盤の2枚はいったいなんだったのかなあとますます思ってしまいます(苦笑)。
投稿: nary | 2010/03/14 12:36
>naryさん
TBどうもありがとうございます。
やっぱりこのバックでここまでギターを弾かれてしまうと、彼はギターの天才だなあ、と思ってしまいます。ジャズにはよくありますけれども、決して弾きやすいバックの音やリズムではなさそうですから。しかも全曲彼のオリジナル。
国内盤のことは忘れましょう(笑)。
投稿: 工藤 | 2010/03/14 14:41
私も
>前作も良かったのですが、本作はそれに輪をかけて素晴らしかったです。
です。
成長著しいと聴いたのですが、criss crossと相性ばっちりという可能性もあるということですかね。
TBありがとうございます。逆TBさせていただきます。
投稿: oza。 | 2010/03/28 08:02
>oza。さん
TBどうもありがとうございます。
私は国内盤とか他レーベルのリーダー作(あったかな?)は聴いてないのですが、このアルバムを聴く限り、自作曲ばかりでなかなかマニアックなプレイヤーで良かったでした。まだ若いので末恐ろしいな、なんて感想も持ちました。
投稿: 工藤 | 2010/03/28 10:00
国内盤。。。
ピアノと相性ばっちりで、やってることは高レベルでも美しく仕上がってましたよねぇ。
巧いですよねぇ。。こんなギターリストばかり出てきちゃったら、、どうしよう。。
トラバしました。
投稿: すずっく | 2010/04/20 18:26
>すずっくさん
TBどうもありがとうございます。
たいていの場合、バッキングに乗っかっている感じでギターがフレーズを奏でているので、ある程度予想もつくフレーズなのですが、ここでは、まったく雲をつかむような繊細な浮遊感で、このバッキングでこういうフレーズをバリバリ(しかも控えめに)やるか、という不思議さがあります。それだけに気に入っていますけど。
投稿: 工藤 | 2010/04/20 20:36