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2010年1月の記事

2010/01/29

Cities/Raymond MacDonald/Satoko Fujii/Neil Davidson/Natsuki Tamura/Tom Bancroft

Raymondcities
藤井郷子関連で、輸入盤が1枚出ています。これも12月に届いてはいたのですが、少々アップするのが遅れてしまいました。ライヴのようで、5人による全くのフリー・インプロヴィゼーション、イディオム系と非イディオム系がごっちゃになって、しかも割と淡々と進むので、かなり聴く人を選ぶかもしれません。その中で、藤井さんのピアノでのアプローチ、時折見せる構築力がアクセントになりました。こういうアルバムを曲ごとにどういう曲、と書いていくのは難しい作業で、やはりアルバム単位でその流れを聴いていく、ということになるのでしょうか。フリーが好きでかつ藤井さんと田村さんが好きな方は聴いてみた方がいいとは思いますが。


Cities/Raymond MacDonald(Sax)/Satoko Fujii(P)/Neil Davidson(G)/Natsuki Tamura(Tp)/Tom Bancroft(Ds)(Nu-Jazz)(輸入盤) - Recorded April 18 and 19, 2005. - 1. Navigation 2. Pararell Shapes 3. Overload 4. A Strange Predicion 5. Two Blocks East 6. Into The Diversion 7. Oxygenitis 8. How Did I Get Here 9. Euphoria

(10/01/24)全曲5人によるフリー・インプロヴィゼーション。ピアノなど、イディオム系のメロディもありますが、ある程度は、楽器を効果音的に使う非イディオム系の音も見受けられます。サックス、トランペットがメロディだったり、それを飛び越えた音だったり、ギターがやはりノイズ系の音もあったりと、かなり硬派なフリーと言うことができるかも。曲も短いものは1分台が2曲ある半面、7-9分台の曲もあるので、録音を続けていて、その中でインパクトの強いものを採用した、という感じです。完全なフリーのため、いわゆるキメのようなものは希薄で、むしろ丁々発止のやりとりに耳を傾ける要素が強いかと思います。いつもの構築とフリーを行ったり来たりに慣れている人は意外と思うかも。でも表現の幅はなかなか広いです。

2010/01/28

カウンターカレント/日野=菊地クインテット

Hinocount
昨日に引き続き、今日は同時期に録音されたクインテット編成のアルバムです。内容はかなりフリーに近く、シリアスなアルバムなのに、スイング・ジャーナルのゴールドディスクになっているんですね。珍しいパターンです。デュオとクインテットと、その方面が好きな人にはどちらも甲乙つけがたい出来となっています。こういうのを大手の国内レコード会社が制作するのだから、まだ良心は残っているのかな、と思います。タイトルは、まあ、こういう曲の場合、あってもなくてもいいような感じですけど、Ver.1-2というのが2種類あるのはちょっと芸がないかな、とも思います。でもフリーやシリアスジャズのファンには内容的には納得ではないかと。


カウンターカレント/日野皓正(Tp)=菊地雅章(P)クインテット(Sony Music Japan)
Counter Current/Terumasa Hino(Tp)=Masabumi Kikuchi(P) Quintet(Sony Music Japan) - Recorded June 9 and 10, 2007. Michael Atias(As), Thomas Mogan(B), Paul Motian(Ds) - 1. J.L.L.(Ver.1) 2. Sky Over Rain Forest 3. Blue In Yellow (For Mark Rothko) 4. Misery On The Hudson 5. Making The Elephant Run (Ver.1) 6. Making Elephant Run(Ver.2) 6. J.L.L.(Ver.2)

菊地雅章作曲が7曲中5曲(1、3-5、7曲目)あり、2、6曲目もメンバーの作曲ながら日野皓正の曲ではないので、実質菊地のリーダー作か。サウンドは総じてフリーかそれに近い雰囲気です。まさにジャケット写真そのもの。出だしの自由なビートの上を、苦しんで切り刻んでいくようなピアノが印象に残る、フリーなところから中盤4ビートに移行していき、また自由なビートになる変幻自在の1曲目と、ある程度雰囲気を変えたVer.2の7曲目、マイケル・アティアスの作曲の、やはり盛り上がりと静けさの場面のあるフリー的展開になっている2曲目、ピアノとベースのデュオで静かに進んでいく3曲目、幽玄な感じすらする静かなやり取りで進んでいく4曲目、5-6曲目でVer.1-2となっているけど、6曲目はトーマス・モーガン作。(07年9月19日発売)

2010/01/27

エッジズ/日野=菊地デュオ

Hinoedges
日野皓正が何度目かの菊地雅章との出会いで録音されたアルバム。このちょっと前にこの2人のクインテット編成のアルバムが発売されています(このブログでは後日紹介)が、こちらはデュオでの録音。Sony Musicという大手レコード会社が、よくここまでマニアックなアルバムを出せるなあ(ECMからなら納得のサウンドですが)と思います。これは、ハマる人はハマるけど、途中で聴くのをやめてスイッチを切ってしまう人もいるだろう、聴く人を選ぶアルバムかと思います。でも、これも現代ジャズなんですね。それを日本(海外在住でも)の大御所が演奏している、と。スペイシーと斬り込み、静けさが特徴のアルバムです。


エッジズ/日野皓正(Tp)=菊地雅章(P)デュオ(Sony Music Japan) - Recorded June 20 and 21, 2007. - 1. Edges(Ver.1) 2. Is It? 3. Alone, Alone, And Alone 4. Can't Describe 5. I Fall In Love Too Easily 6. Dad, I Miss You 7. My Kinda Yesterday 8. Edges(Ver.2)

フリーに極めて近いサウンドだけれども、それぞれの作曲になっています。日野皓正作が1、3-4、6(ソロ)、9曲目、菊地雅章作が2、7(ソロ)曲目。そして、シリアスかつスペイシーなやり取りと、ほんのりと少しだけ温かみのあるサウンドが聴かれるスタンダードの5曲目。ちょっと激しい部分もあるにしても、彼らの特徴として、胸元をえぐり取られるかのような、タイトル通り「エッジ」の効いた、スペイシーで内省的な、ギリギリまで音を選んだ世界が広がっています。やはり聴く人を選ぶということだろうけれども、ECMに近いシリアスさ、静けさ、温度感がそこには横たわっています。決して退屈ではなくて、これが日本の静寂から生まれたジャズと言えるかも。静かながら名人の真剣勝負をじっくり構えて聴くということになるでしょう。(07年11月21日発売)

2010/01/26

ヒア・ウィ・ゴー・アゲイン/日野皓正

Hinohere
昨年、日野皓正のCDをまとめ買いしているのですが、年代順ではなくて、順不同に聴いてます。最近のフリーに傾倒した演奏とか、昔にフュージョン路線をいった頃もありますが、このアルバムの演奏は王道路線の現代ジャズという感じ。十分に日本ジャズをリードしている風格はありますね。10曲目に’98年の故日野元彦のドラムソロと、おそらく多重録音での演奏もあります。美空ひばりの「川の流れのように」は、テーマがメロディそのままで、ミディアムの4ビートなので、ちょっとアルバムの中では軽かったかな、という印象も少々。でもMisiaの曲はバッチリとキマってましたね。他の彼のアルバムも早めに聴いてみたいところです。


ヒア・ウィ・ゴー・アゲイン/日野皓正(Tp)(Sony Music Japan) - Recorded March 20-24 and 27, 2003. 多田誠司(As、Ss)、石井彰(P)、金澤英明(B)、藤山英一郎(Ds except 10)、Koichi Inoue(Snare Ds on 10)、日野元彦(Ds on 10) - 1. AM PM 2. Freesia 3. Charles Tone 4. Everything 5. Quick Solution 6. Melancholy Daddy 7. TAKUMI 8. Elysium 9. Kawa-no Nagare-no Youni 10. Aythentic 11. The Forest Giant

10曲目を除き、レギュラー・クインテットでの演奏。4曲目にMisiaの曲を美しいバラードで、9曲目に美空ひばりの「川の流れのように」を演奏しているほかは、全曲日野皓正の作曲。現代ジャズのサウンドながら割と王道路線のジャズを、メンバーとしては最高の人選で演奏しているので、悪かろうはずはないです。2管のクインテットの演奏がメインなので、原点回帰なのかなと思わせるのですが、一筋縄ではいかないメンバーなので、やっぱりこれがこの時代の日野クインテットだという存在感はあります。火を吹きそうなアップテンポの演奏から、ノリの良いシリアス気味なミディアムテンポ、そしてバラードまで、フリーに近いサウンドまでけっこう味わいのある作り。10曲には故日野元彦の音源も使用していて、いいなあと思わせます。(03年7月2日発売)

2010/01/25

Historicity/Vijay Iyer Trio

Vijayhisto
ヴィジェイ・アイヤーのこのアルバム、発売してしばらくしてから注文、11月の末には届いていたのだけれど、やっと聴きました。いや、正確には、一度聴いていて、その時はなんて書いていいか分からずに、保留していたのです。高度な現代ピアノトリオなんですが、有機的に絡み合うよりはその時はバラバラに聴こえていた、ということもあります。テンポがない曲で、よく一般的に三者三様で自由に絡みながら演奏するということがあるので、そんなに珍しいことではないんですが。おそらく3人とも個性的な演奏なので、その時はそう聴こえたのでしょう。今回も演奏的にはひかれる面もあるけど印象が変わったとまでは言えなくて、彼はたくさんアルバムを出していても買うのは今回だけになる可能性はあります。


Historicity/Vijay Iyer(P) Trio(ACT)(輸入盤) - Recorded November 3, 2008 and March 31, 2009. Stephan Crump(B), Marcus Gilmore(Ds) - 1. Historicity 2. Somewhere 3. Galang [Trio Riot Version] 4. Helix 5. Smoke Stack 6. Big Brother 7. Dogon A.D. 8. Mystic Brew [Trixation Version] 9. Trident: 2010 10. Segment For Sentiment #2

(10/01/23)Vijay Iyerのオリジナルばかりと思ったら、彼の作曲は10曲中4曲(1、4、9-10曲目)のみ。スタンダードを個性的に演奏したり、スティーヴィー・ワンダー作(6曲目)、アンドリュー・ヒル(5曲目)やジュリアス・ヘンフィル(7曲目)の曲も演奏しています。変拍子(何拍子か分からないものも多い)や流れていく曲、テンポが変わっていく演奏も多めで、高難易度のトリオの演奏。個性的に演奏をこなしていく感じがあります。ともすれば音がバラバラに飛び込んでくるような危うい印象。全編こんな感じなので、聴く人を選ぶかもしれませんが、その中での高度なトリオのやり取りが気持ち的にひかれます。テクニシャンであって、バップフレーズは出て来ず、類似のタイプのピアニストがいないという点ではかなり個性的。

2010/01/24

透光の樹 オリジナルサウンドトラック/日野皓正

Hinotoukou
昨年STEPさんの閉店セールで日野皓正をまとめ買いした時に、このアルバムはなくて別途通販で注文したものです。そろそろ昨年前半のまとめ買いアルバムもアップしていかねばなあ、と思っています。このアルバム、ピアノとのデュオだし、映画のオリジナルサウンドトラックということで、かなり静かで、いわゆるジャズ度という点では、ないようなものなんですが、ECM的なインプロヴィゼーションを、さらにメロディを分かりやすいものに置き換えた静かなアルバム、という風にとらえていただけると分かりやすいかと思います。私はこういうアルバム、けっこう好きなんですけど。何だか映画も観たくなってしまいたくなる音の情景描写でした。


透光の樹 オリジナルサウンドトラック/日野皓正(Tp)(Sony Music Japan) - Recorded February 5 and 6, 2004. 石井彰(P) - 1.プロローグ-炎- 2. スルー・ライト-再会- 3.ヴァイオレット・メランコリー 4.エンバー-六郎杉- 5.ブルー・フレイム-かたくりの花- 6.ヴァイオレット・メランコリー-愛のテーマ- 7.エンバー-別れ- 8.ヴァイオレット・メランコリー-愛のテーマ- 9.ブルー・フレイム-電話- 10.ヴァイオレット・メランコリー 11.モノクローム 12.スルー・ライト-GとC- 13.ヴァイオレット・メランコリー/エンバー-エピローグ- 14.インヴォケイション 15.ブルー・フレイム 16.モノクローム 17.エンバー

石井彰(P)とのデュオでピアノ・ソロが何曲か。トランペットはほとんどミュートをかけた演奏。映画音楽だけれども、しっとりとした穏やかなインプロヴィゼーションを聴かせてくれます。まるで作曲されたもののようにメロディがしっかりとしていても、やはり即興的に2人が寄り添って紡ぎあげられた世界があります。決して盛り上がらずに、ちょっと地味な印象もあるけれど、スペイシーで映像が見えるような情景描写が繰り広げられています。このアルバム単独でもひとつの作品として、じゅうぶん聴ける味わい。サントラなので、短いヴァージョンも多く、全17曲ですが、うち5曲はそのロング・ヴァージョンを収録しています。それでも、静かに進んでいくサウンドは相変わらず。きっと映画も、渋く落ち着いている作品だろうと思わせます。(04年9月1日発売)

2010/01/23

Alone/Marc Copland

Marcalone
なかなか発売日を過ぎても入荷せず、やむを得ず入手先を変えて、昨年末ギリギリの31日に到着したアルバムです。このアルバムはマーク・コープランドのソロ・ピアノ集。彼のピアノは薄暮がかかったようなある種独特なピアノで、似たタイプのピアニストを思い浮かばないほどに個性的です。彼を追いかけてだいぶ経つけれども、ある意味パターンが決まっているかもですが、それでも追いかけずにはいられないピアニストです。まだの人はぜひ体験されてみてはいかがでしょう。ある程度頭で聴く部分はあるにしろ、叙情的な部分の方がもっと大きく、聴いていて疲れはしませんし。


Alone/Marc Copland(P)(Pirouet)(輸入盤) - Recorded November 21, 2008 and June 4, 2009. - 1. Soul Eyes 2. I Don't Know Where I Stand 3. Night Whispers 4. Into The Silence 5. Rainy Night House 6. I Should Care 7. Fall 8. Blackboard 9. Michael From Mountain 10. Hi Li Hi Lo

(10/01/18) マーク・コープランドのソロ・ピアノ集で、彼の作曲は10曲中3曲(3-4、8曲目)。他にジョニ・ミッチェルの曲が3曲(2、5、9曲目)ありますが、彼の水彩画のような淡いイメージのハーモニーとメロディが満載で、69分をじっくりと彼の世界にひたることができます。1曲目の「ソウル・アイズ」(マル・ウォルドロン作)からして、もう彼のイメージ。他にスタンダードやウェイン・ショーターの曲(9曲目)もあり、彼の基調ながらも少しずつそのサウンドを変えていきます。6曲目は原曲のイメージがなくなるほどの演奏。時にほんのりと、時にややシリアスに。でも多少賑やかになったとしても温度感自体は低いことが多く、全般的に穏やかなのが彼のピアノ。ほの暗いかも。そういう点では、彼ならではの個性にあふれています。

2010/01/22

ブログ再開/「Swing Journal」を買うのをやめた

今月14日付エントリーで、「ブログを1月いっぱいお休みします」(当初の題は「2月上旬まで」となっていた。そのエントリーは削除済み)という題で書いていて、2月1日のブログ再開としようと思っていましたが、今後のスケジュールは予定通り進行するにしても、頭がテンパッている状態がだいぶ和らいできたので、予定より早めてアップすることにしました。勝手に宣言しておいて、勝手に撤回して申し訳ありません。ただ、毎日更新ではないと思われるので、その点はご了承ください。


さて、今日の本題です。私は’86年の1月号から「Swing Journal」(「スイング・ジャーナル」)を買い続けていて、今も処分せずに持っています。実は昨年限りで買うのをやめようかなあ、と思ってここにも少し書いていたのですが、20日に2月号を買ってみて、もう買うのをやめよう、という気になったのです。これで、数年前まで他に「JAZZ LIFE」「ジャズ批評」「CDジャーナル」と買っていたのが、徐々にやめていって、今回でジャズ関連の雑誌購読をすべてやめたことになります。

現状の自分が聴いているジャズの世界と、雑誌に書かれているジャズの世界の開きがだんだん大きくなってきて、この雑誌の情報を元に買ってみようというCD国内盤がここ数カ月ゼロ。昔は5枚や10枚ぐらいは毎月出ていたのに。そして、今回2月号で「2009ジャズ・ディスク大賞発表!!」と、特集が出ていましたが、そのラインナップ、同調できるものも少しある半面、なんだかなあ、と思う作品も多く、購読をやめる決断になりました。もともと雑誌はじっくり読む方ではなかったけれども、ここ半年ぐらいは、この雑誌を買ってちょっとペラペラめくっておしまい、ということばかりだったのです。値上げの理由も明記しないまま黙って100円値上げしたのも理由のひとつ。

ネット通販の発達により、輸入盤情報も豊富になって、安価で手に入るようになりました。情報も雑誌主導だったのが、今はネット通販の情報や、ブログ仲間たちの情報の方が信用できることなどがあげられます。買うCDも輸入盤中心になってしまいました。もともと国内盤新譜は一昨年あたりから購入枚数はかなり減っていたので、これも時代の変化でしょうね。他の雑誌もそうですけど、買わなくなって困らないものはその人にとって不必要なものです。そうでなかったら、また購読を復活するでしょうけれども、急激な時代の変化でそれはないかな、と思います。今まで20年以上、どうもお世話様でした。

2010/01/11

ボテロ/ボブ・ジェームス&ジャック・リー

Bobjackbotero
ジャズやフュージョンの世界で、いちばん自分が長く追いかけているのは、やっぱりボブ・ジェームスでしょう。確か’75年頃からで、自分が中学生の時でした。フュージョンやスムース・ジャズだけの人ではなくて、デビューの頃からしばらくは4ビートだったり実験音楽をやっていたりしたので、その懐は深いです。今回もしっとり感もあるけれど、やっぱりボブ・ジェームスの世界が広がっています。ジャック・リーはアコースティックの曲が気に入りました。エレクトリック・ギターを使うと何だかパット・メセニーに似てしまうのが気になるのですが、まあ、それは置いておいて、アルバムとしては個人的に満足度の高いスムース・ジャズになっていると思います。4ビートの曲も2曲あって、ネイザン・イーストがアコースティックも弾けるんだと、はじめて知りました。


ボテロ/ボブ・ジェームス(P、Key)&ジャック・リー(G)(Videoarts)
Botero/Jack Lee(G), Bob James(P, Key)(Videoarts) - Recorded April - September 2009. Nathan East(B, Vo), Lewis Pragasam(Ds), Melvin Davis(B, Additional Key) - 1. Sphere 2. Oblivion 3. Botero 4. Lovers In Moonlight 5. April 6. The Wind Comes 7. Love Me As Though There Were No Tomorrow 8. Luiza 9. Dream With You

ジャック・リー作が3曲(3、5、9曲目)、ボブ・ジェームス作が2曲(1、4曲目)と英語表記ではジャックの方が先にきているので、実質ジャックが中心になっている模様。最近ボブの好きな西洋と東洋(韓国、マレーシア)の融合的作品ですが、サウンドはほぼ西洋的。いつものボブ・ジェームス節のスムース・ジャズかと思うと、その雰囲気を持ちつつ1、7曲目はアコースティック・ベースを使った4ビートの曲。しっとり系のいい感じのサウンド。ピアソラ作の2曲目、ジョビン作の7曲目があっても、やっぱり彼らのサウンドで演奏しているところが面白いです。ベースもギターもアコースティックとエレクトリックがあって、非常に聴きやすくメロディアスに仕上がっています。やっぱり曲はボブ党かな。言わばこれもスムース・ジャズの一方向かも。(09年12月23日発売)

2010/01/10

The Sweetest Love/パオロ・ディ・サバティーノ・トリオ

Paolothesw
澤野工房の12月発売分です。前にこのレーベルのアルバムを取り上げたときに、人気のミュージシャンのローテーションで新譜制作をしている、とちょっと非難めいたことを書きましたけど、まあ、それには違いないですけど、今回のパオロ・ディ・サバティーノ・トリオ、個人的にはけっこう内容は濃くて良かったと思いました。これを聴いている限り、彼に関してはマンネリは認められないです。逆に、アルバムを聴いてメロディアスでインパクトもあり、聴いた後にも爽やかさが残る結果となりました。オリジナルも半分あって意欲的ですし、しかもそれも聴きやすい方ですしね。あまりマニアックではないですけど、スタンダードの料理方法も独特です。


The Sweetest Love/パオロ・ディ・サバティーノ(P)・トリオ(澤野工房)
The Sweetest Love/Paolo Di Sabatino(P) Trio(Atelier Sawano AS093) - Recorded September 2009. Marco Siniscalco(B), Glauco Di Sabatino(Ds) - 1. L-O-V-E 2. Balla Con Teddy 3. Song 39 4. Beyond The Hill 5. The Sweetest Sounds 6. Chiara Di Luna 7. 'S Wonderful 8. It Might As Well Be Spring 9. Glauco's Mood 10. Scene 3 11. Mona Lisa/'O Sole Mio 12. Vuelvo Al Sur

パオロ・ディ・サバティーノの作曲が全12曲中6曲(2-4、6、9-10曲目)で、このレーベルにしては珍しくオリジナルが多い。スタンダードもなかなかの選曲で、1曲目の「L-O-V-E」でも意表をつくアレンジの印象的な明るいピアノ。饒舌なピアノで、それでいて基本的に爽やか。オリジナルも、やはりメロディアスで明るいサウンドの曲が多め。今どきのポップス的な味わいがあります。繊細なところと、盛り上がるところとのダイナミックレンジが広いのがいい感じ。3-4曲目は牧歌的で明るい、いかにもヨーロッパのピアノトリオという感じの8ビート系のサウンドがなかなか。このあたりはキース・ジャレットの影響もありそう。それでも、5-6、12曲目のように短調系の曲もあったり、エキゾチックな9曲目も。7曲目も絶妙なバランス。(09年12月24日発売)

2010/01/07

日産スカイラインのマイナーチェンジ

Skyline
6日、日産スカイラインがマイナーチェンジをしました。特に2.5リッターエンジンの車種は、エコカー減税の対象車種も登場。AT車の7速トランスミッションと兼ね合わせ、燃費が良くなったので、食指がそそられます。でも、こういうことができるのならば、スカイライン・クロスオーバーにも、3.7リッターエンジンだけではなくて、2.5リッターの車種を登場させて、とも思うのですが。

今回のスカイラインも買い換えの検討はしました。今のステージアを下取りに出せば買えないこともないけれど、多少燃費が良くなったり装備が最新のものになったりして、さて、車の差額分お得かというと、まあ、不景気で時期が悪かったね、と言うしかないです。長引く不況に備えて、出費はできるだけ抑えないと。ローンを組んだとして、3年先、5年先の自分が見通せないという。

昔はスカイラインジャパンのGTやR-32スカイラインのGTS-T(ターボモデル)を乗り継いだこともあるけど、今は日産には存在しないステーションワゴン党になってしまっているのも、ブレーキのひとつ。たとえば買い物に行って、つい先日の例ですが、1.8メートルの長さのカーテンレールを無造作に入れられるのはステーションワゴンか、せいぜいSUV。セダンだと、どうすればいいの、ってことにも。新しいスカイライン、いいんですけどねえ。トヨタの新型マークXと比べて値段が高いのも、ハードルが高くなってしまってます。

買った場合を想定してあれこれ考えるのは楽しいですが、あとの支払いが重くのしかかってくるのは、自分にとっては今の時期、大変なので、今回も夢を見させてもらった、ということで、心の中で満足するしかないですね(笑)。

そう言えば、ムラーノも今日、2WDタイプ登場とありました。同じSUVでも、大きいムラーノの方が小さいスカイライン・クロスオーバーよりザクッと100万以上安いのはどういうわけだろう、とも思います。それだけ造りが違うんでしょうけれども。

2010/01/06

中古CDが届く(買い戻し)

Capitolvo
たしか’98年ごろだと思うのだけど、CDを数十枚、知り合いの中古CDショップに売りました。つい先日、ネットでそのお店のホームページを見ていたら、このCD-BOXがまだ売れ残っていて、結果的に買い戻すことになりました。タイトルは「Capitol Vocal Classics 1942-1955」という8枚組BOXです。定価が1万6千円のところ、いくらで売ったかは忘れましたが、送料込み5千円で買い戻せたので、ラッキーだったです。いわゆるコンピレーション的な作りです。でも、個々にオリジナルアルバムも、もうまとめて買うことはないだろうな、と思うので、タイミング的には良かったですが。

これを処分するちょっと前まで、戦前戦後のスウィング・ジャズとかヴォーカルものもけっこう聴いていたんですよ。でもほとんどそのジャンルは処分してしまいました。ハインドサイト・レーベルとか、もう再発はしないだろうなあ、と思いつつ、ちょっともったいなかったかな。今回のCD-BOXは東芝 EMI(当時)の発売で、今聴いても知っているヴァージョンがけっこう入っているので、やはりCDは処分するものではないな、と思った次第です。まあ、置き場所がなくてやむを得ず、という面はありますが。ちなみにこれは’92年の発売で、外箱などはある程度経年変化しているけど、満足ではあります。

2010/01/04

Speaking Of Love/マリエル・コーマン&ヨス・ヴァン・ビースト・トリオ

Mariellespeak
澤野工房から、11月に出たアルバムの紹介です。この後12月に出たパオロ・ディ・サバティーノのアルバムも、もう手元にあるのですが、このところ、何と言うか、隠れた名盤の発掘ではなくて、このレーベルによって売れたミュージシャンのローテーションでアルバム制作をするようになって、そろそろこのレーベルもマンネリの時期にさしかかる頃なのかな、と思えてしまうところがあります。それが聴くのが遅れた理由のひとつ。1月もまたウラジミール・シャフラノフの予定だし。このアルバムも、アルバムとしては水準は割と高い方だとは思うのですけど、もうこのコンビで3枚目ですよね。マイナーレーベルながら、Venusの後追いをしているのかな、なんて心配をしています。もう少し追いかけてみますけど。


Speaking Of Love/マリエル・コーマン(Vo)&ヨス・ヴァン・ビースト(P)・トリオ(澤野工房)
Speaking Of Love/Marielle Koeman(Vo) & Jos Van Beest(P) Trio(Atelier Sawano AS092) - Recorded 2009. Eric Schoonderwoerd(B), Nanning Van Der Hoop(Ds), Special Guest: Walther De Graaff(G) - 1. Everything I've Got 2. What A Wonderful World 3. My Kinda Love 4. Tea For Two 5. Can't We Be Friends 6. Two For The World 7. Falando De Amor "Speaking Of Love" 8. The Frim Fram Sauce 9. So Many Stars 10. I'm Old Fashioned 11. Dindi 12. Almost Like Being In Love 13. Two Sleepy People

スタンダードやボッサの曲ばかり、13分で45分ほどの演奏。もう少し1曲あたりの時間が伸びてもいいかな、と思うのですが、元のメロディを大切にするような歌い方なので、かえって引き締まっていていいのかも。ここではピアノ・トリオにほとんどの曲にギターが加わっていることで、曲に躍動感というか、楽しさが増していて、なかなかいい効果がでています。ノリのいい割とアップテンポの4ビートやしっとりとしたバラードやボッサまで、なかなかいい感じ。2曲目はピアノよりもギターの方がメインの印象もあって、しんみりとバラードを聴かせてくれています。これが名盤に位置するかどうかはともかく、とにかく気楽にリラックスして聴ける身近なアルバムなのは間違いのないところです。曲の内容からBGM的にも聴くことができます。(09年11月27日発売)

2010/01/02

「らくちん動画変換2 + DVD Premium」を購入

Img054
昨年暮れ、「らくちん動画変換2 + DVD Premium」というソフトをダウンロード購入しました。目的は、自分たちの昔のバンド音源(もとはビデオ収録したものを友人がDVDにダビングしてくれたもの)をYoutubeにアップするのに、いいソフトがないかと探していて、ものは試し、ということでお試し版でやってみたらうまくいきそうなので、購入。ジャズとは今のところ関係ありません。

実は8か月ほど前にフリーソフトなどで、息子にいろいろファイル変換とYoutubeへのアップを試してもらったのですが、DVDからのリッピング対応のソフトが手元になくて、DVDのVOBファイルから変換するときに音と画像がズレたり、ファイルの境目ではやはり音と画像が途切れたり、となかなかうまくいきませんでした。

その時にも当時の「らくちん動画変換」を購入したのですが、それもDVD非対応の方のソフトを買ってしまいました。当時からケチらないでDVD対応版を買っていれば、半年以上も回り道をしなくて済んだのに、と思いました。今回の購入で、編集はサクサクできましたし、データを変換後にマイクロソフトの「Windows Live ムービーメーカー」も使うと、そこから直接Youtubeにアップできるしで、かなり簡単にアップできるようになりましたよ。パソコンを入れ替えたタイミングなので、逆に良かったのかもしれません。

よく探せばフリーソフトでもDVDからリッピングできる機能を持ったものはあるでしょうし、このソフトも、一部評判ではフリーソフトを集めたもの、ということもネット上で書かれていましたけど、販売されている以上、責任もってサポートがされているはずと、購入した次第です。フリーソフトもいくつか試しましたが、専門用語が難しかったり、設定が簡単でなかったり、でした。なお、先に購入した「らくちん動画変換」の方は息子が使っていますけど、今はあまり利用してないようです。

2010/01/01

謹賀新年

Michaeltiger
あけましておめでとうございます。
本年もよろしくお願いします。

何年か前までは、元旦のブログも含め、毎日CD紹介のアップだったのですが、さすがにそこまでは元気がなくなりました(笑)。ホームページ歴は12年を超えましたし、ブログもはじめてから5年半以上が経ちました。まあ、よく飽きずに続くなあ、と思うのですが、毎日更新ではなくなって久しく、1ヶ月後の2月からブログでのCD紹介の復活(今もスローペースではやってますが)してからも、あまり更新頻度を気にすることなく、マイペースでやっていこうと思っています。

今年の景気も良くないことが予想されます。CD購入は昨年はSTEPさんの閉店セールもあって、かなり多かったです。今年は購入枚数を絞って、逆に閉店セールその他での昨年4-7月購入の未聴盤121枚(今日現在の枚数)を、今年中に聴くことを目標にしたいと思っています。

ホームページも12月に作成ソフトを替えて、一時は使い方がさっぱり分からず、どうなるかと心配しました。今は必要最小限のことはできるようになり、ホッとしています。同時期にパソコンも替えたのですが、以前の6年使ったXPパソコンは起動で15分ぐらいかかっていたのに、新パソコンは1-2分です。まだソフトがあまり入っていないからでもありますが、各ソフトの起動も速くなり、時間の点でもかなり節約になりました。懸念したWindows7の操作性も、全然問題ありません。

基本的にはネット上での友人やお知り合いには年賀状は省略させていただき、新時代の友人ということで、ここでごあいさつさせていただきました。ちなみに今年の私の年賀状、「タイガー・イン・ザ・レイン/マイケル・フランクス」のジャケ写を使いました。仕事でもプライベートでもこれですが、まあ、いいでしょう。ジャズではありませんが、新年1枚目はこれです。

今年も皆さんにとって良い年でありますように。

(追記)10年以上前に書いた簡単なアルバムコメントを載せておきます。

Tiger In The Rain/Michael Franks(Vo)(Warner Bros) - Released 1979. Herb Busher(B), Rick Marotta(Ds), Joe Caro(G), Kenny Barron(P), Paul Griffin(Org), Crusher Bennett(Per), Rubens Bassini(Per), Buddy Williams(Ds), Bob Leinbach(Org), Ben Reiley(Ds), Bucky Pizzarelli(Per), Mike Mainieri(Vib), Ron Carter(B), Seldon Powell(Ts, Ss), John Simon(Per), Dave Liebman(Fl), George young(Ts, Fl), Dave Sanborn(As), Randy Brecker(Tp), Low Soloff(Tp), etc. - 1. Sanpaku 2. When It's Over 3. Living On The Inside 4. Hideaway 5. jardin Botanico 6. Underneath The Apple Tree 7. Tiger In The Rain 8. Satisfaction Guaranteed 9. Lifeline

曲によってメンバーが変わり、しかもそれぞれのソロやアンサンブルが非常に豪華になっています。ストリングスなどのアレンジもいい感じ。ブラジル色の強い曲などもあって、3曲目などは哀愁が漂います。ジャズ風の豪華なホーン・アンサンブルも数曲で聴けます。6曲目はどこかで聴いたことのあるジャズ色の強い曲。デイヴ・リーブマンは5-6曲目に、ランディ・ブレッカーは8曲目に参加。

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