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2009/09/08

Stone In The Water/Stefano Bollani Trio

2080
ECMレーベルのジャズ聴き2日目。ステファノ・ボラーニもこれでこのレーベル3枚目かな?ECMの風土に合っているというか、実力が認められたというか。実際、このアルバムを聴いて、非4ビート系のヨーロッパ・ジャズのピアノ・トリオ作では、素晴らしい出来だな、と個人的には思っています。まあ、スタンダード集ではないわけだし、フレーズなどもあまり分かりやすいとは思いませんけど、その肌合いというか、繊細と豪胆を併せ持っていて、しかも主に繊細な方で勝負しているような感じです。基本はECMの方向性だけれども、その中でかなり自由にやらせてもらっている感触はありますね。


Stone In The Water/Stefano Bollani(P) Trio(ECM 2080)(輸入盤) - Recorded October 2008. Jesper Bodilsen(B), Morten Lund(Ds) - 1. Dom De Iludir 2. Orvieto 3. Edith 4. Brigas Nunca Mais 5. Il Cervello Del Pavone 6. Un Sasso Nello Stagno 7. Improvisation 13 En La Mineur 8. Asuda 9. Joker In The Village

(09/09/06) 全9曲中4曲(5-6、8-9曲目)がステファノ・ボラーニの作曲で、ベーシストの曲も2-3曲目に。ボラーニがイタリア人に対し、ボトムの2人はデンマーク人。レーベルカラーなのか、非4ビート系で慈しむような、流れていく静かなトリオの曲が目立っていて、これはこれで非常に美しいサウンド、そして紡ぎだされるフレーズ。それでいて2、5曲目のようにある程度エネルギーがあり、ピアノのフレーズが盛り上がりで爆発するような曲もあります。トリオの温度感は低めだけれど、ボラーニのピアノの内なる情念がふつふつと燃え上がろうとする雰囲気を時おり感じます。アントニオ・カルロス・ジョビンの共作曲の4曲目が異色だけど、静かに進行して行き、他の曲と同化しています。7曲目はフリーでなく、他の人の作曲。

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コメント

こんばんはァ。
わたくしも、これはとても素敵なピアノトリオの作品だと思います。

やっぱ、前作から比べるとレーベルカラーでしょうか。。
温度は低め。でも、退屈な低さで無くて、もの凄く想像力豊かな作品だと思いました。

面白かった。。
と、トラバしました!
入ってますか??

>すずっくさん

TBどうもありがとうございます。今回はうまく入りましたよ。

半分近くしかオリジナルがないのはECMでは珍しいですが、かなりECMのプロデュースが入っていると思われます。それでも素晴らしいピアノトリオに仕上がっていますね。私もけっこう気に入ってしまいましたよ。彼がこのレーベルでリーダー作3枚目、というのも実力なのだなあ、と思います。他レーベルでも活躍されてますし。

こちらからもTBさせていただきます。

本作は決して悪くはないのですが、ちょっとECMカラーに染まりすぎたかなあって感じでした。
私としてはアップテンポな曲も2曲ぐらい欲しかったです。
特に前半の4曲目までは、あまりにも演奏が穏やか過ぎるために居眠りしてしまいましたよ(苦笑)。

>naryさん

TBどうもありがとうございます。

ちょっとハミ出している感じはあるにしても、よっぽどECMばかり聴いている人でなければ、大人しさでもの足りなさが出てくるかもしれないアルバムですね。

個人的にはこの繊細さが好きだったりしますが、逆にECM以外のボラーニの演奏を聴いてないので、彼の良さを全部は分かってない面が私にはあるかもしれません。それらはまたいずれ、とは考えているのですが。

910さん、こんにちはmonakaです。
私もこのアルバムを聴きましたので、UPをしました。TBさせて、いただきたいと思います。
このアルバム、一人のピアニストの独自性とECMといるフレームとどう調整しているのでしょうね。
ボラーニの演奏も知りながら、このアルバムもすると言うことに、先々どのようになっていくか、でもECMとしてボラーニは維持していきたいミュージシャンだと言うことは間違いないと思います。

>monakaさん

TBどうもありがとうございます。

ECMとしてはもう3枚アルバムが出ているので、かなりレーベルとの相性がいいことは間違いないんですが、同時に他レーベルでもサウンドカラーの異なるアルバムを出しているそうですね。やはり彼は多才な面を持っているのでしょうね。今後の活躍にも期待したいところです。

工藤さん、こんばんは。本日はエジンバラからお邪魔します。

このアルバム、私の嗜好にぴったりだというのはすずっく師匠に見事に読まれていましたが、その通りでした。

Bollaniがいいのはもちろんですが、やはり私はここではプロデューサーのEicherとエンジニアのFarberも合せて評価したくなってしまいました。見事なまでのレーベル・カラーぴったりの音楽で、私はうれしくなってしまいました。

TBさせて頂きます。

>中年音楽狂さん

TBどうもありがとうございます。

私もこのアルバム、ECMらしくもあり、ボラーニのある面の個性が出ていて、何度も聴いています。なかなかいいアルバムに出会えたと喜んでいます。某オフ会でも1曲かけたのですが、良かったとの評判でした。

素敵な質感を3人で描いている印象です。でも陽気なBollaniを見ている身としてはちょっとよそ行き感が無くもないです。ただしなんだかんだ言ってECMから出してくれるのはもの凄く嬉しいものですね。

>ki-maさん

TBどうもありがとうございます。

確かVenusからも出していたような気もしますが、レーベルに合わせてピアノの温度感を弾き分けているというか、そういうことのできる人だと思います。

最初は彼とECMは何で結びついたんだろう、と思いましたけど、聴いて納得しました。

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