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2009年9月の記事

2009/09/28

Resonance/Manfred Schoof Quintet

2093
ECMレーベルが続きますが、一段落。今日も2枚組の再発CDです。もともとは傍系のJAPOレーベルから出たLP3枚を、2曲カットして2枚組CDにしたものです。ただ、収録時間がそんなに長くないので、なぜ曲をカットしたのかは不明。ECMの美意識ってやつかな? またJAPOレーベルのタイトルのディスコグラフィーはネットで検索しても出てくるのですが、曲名まで出ているものがないのと、このアルバムのライナーその他の資料で、どの曲が元々どのLPに入っていたのかが不明です。それは後日しらべてまた資料を整備しなければならないな、と思いました。内容的には時を経て再発されるだけのことはあるな、と思わせるものです。


Resonance/Manfred Schoof(Tp, Flh) Quintet(ECM 2093/94)(輸入盤) - This composition includes material from the albums "Scales", "Light Lines" and "Horisons". Recorded 1976, 1977 and 1979. Michel Pilz(Bcl), Jasper Van't Hof(P, Org), Rainer Bruninghaus(P, Synth), Gunter Lenz(B), Ralf-R Hubner(Ds) - (CD1) 1. Scales 2. Ostinato 3. For Marianne 4. Weep And Cry 5. Flowers All Over 6. Resonance 7. Old Ballad (CD2) 1. Source 2. Light Lines 3. Criterium 4. Lonesome Defender 5. Horizons 6. Hope 7. Sunset

(09/09/27)CD2枚組。JAPOレーベルの「Scales」(JAPO 60013)と「Light Lines」(JAPO 60019)から全曲、「Horisons」(JAPO 60030)から2曲カットされて収録。Manfred Schoofの作曲はCD1の4-5曲目、CD2の3-4曲目以外の全て。ピアノ関係はJasper Van't Hofがメインで、CD1の7曲目、CD2の4-6曲目のみRainer Bruninghausが担当。’70年代の傍系レーベルの音であっても、当時のECMの基調とするサウンドに通じるものがあって、クインテット編成ながら温度感の低い、なおかつ自由度の高めな、時に盛り上がりのあるサウンドが展開しています。グイグイくるフリージャズ的な曲も。リーダーのトランペットはクリアでやはりその自由なフレーズがなかなか素晴らしい。もう一人のフロントがバス・クラリネットなのも印象的。

2009/09/27

Crystal Silence/The ECM Recordings 1972-79/Gary Burton/Chick Corea

2036
ECMレーベルがまた届きました。今回はゲイリー・バートンとチック・コリアの4枚組BOXセットなのですが、今回のセットは以前CDになっていたものの再発もの。でも、うれしいことに以前のCD化の際にカットされていた2曲が復活しているんですね。もっとも私はそのLPを持っていなかったので、どんな曲か今回はじめて分かったのでしたが。ECMではCD化されていないもの、CD化の際に曲がカットされたものなど、まだまだありますので、どんな形でも再発してもらえたら、と思います。ヴァイブラホンとピアノのデュオでジャズというのは当時珍しかったですが、これらが名盤であることに違いはありません。


Crystal Silence/The ECM Recordings 1972-79/Gary Burton(Vib)/Chick Corea(P)(ECM 2036-39)(輸入盤) - Crystal Silence - Recorded November 6, 1972. - 1. Senor Mouse 2. Arise, Her Eyes 3. I'm Your Pal 4. Desert Air 5. Crystal Silence 6. Falling Grace 7. Feelings And Things 8. Children's Song 9. What Game Shall We Play Today - Duet - Recorded October 23-25, 1978. - 1. Duet Suite 2. Children's Song No. 15 3. Children's Song No. 2 4. Children's Song No. 5 5. Children's Song No. 6 6. Radio 7. Song To Gayle 8. Never 9. La Fiesta - In Concert, Zurich, October 28, 1979 - Recorded October 28, 1979 - 1. Senor Mouse 2. Bud Powell 3. Crystal Silence 4. Tweak 5. I'm Your Pal/Hullo, Bolinas 6. Love Castle 7. Falling Grace 8. Mirror, Mirror 9. Song To Gayle 10. Endless Trouble, Endless Pleasure

(09/09/26)「Crystal Silence」(ECM 1024)「Duet」(ECM 1140)「In Concert, Zurich, October 28, 1979」(ECM 1182/83)の再発のCD4枚組。今回の再発で、CD化のときに削られた「In Concert, Zurich, October 28, 1979」の中の2曲、「I'm Your Pal/Hullo, Bolinas」「Love Castle」が復活しているのがうれしい。どちらもソロの曲で、CD4の1-2曲目におさめられています。「I'm Your Pal/Hullo, Bolinas」はスティーヴ・スワロウ作で、ゲイリー・バートンの温かみのある、時に速いパッセージだけれどもやや落ち着いたソロが展開します。「Love Castle」の方はチック・コリア作で何と15分近いソロ作品。クラシック的な温度感の低い、カチッとしたやや静けさを伴った演奏から、躍動的、ラテン的に盛り上がる場面もあるドラマチックな演奏。

2009/09/26

アルター・エゴ/ミリアム・アルター

Myriamalter
ミリアム・アルターをはじめて聴いたのは澤野工房から出たアルバムで、その後Enjaレーベルのものも聴いています。Enjaのものは’08年新譜でしたがそれも作曲に専念してます。それよりも10年ほど前に出た今日聴いたアルバムも作曲に専念。何でかな、とライナーを読むと、デビューまでずっとピアノを弾き続けていた人ではなく、15歳からけっこう長いブランクがあった人なのですね。なので、自分よりは専門のピアニストの方が、とここではケニー・ワーナーを起用しているのでしょう。曲はそれぞれかなり印象に残ります。やはり世に出てきただけのことはありますね。テーマは哀愁に満ちてきれいですが、かなりシリアスなジャズの場面も時々顔を覗かせます。


アルター・エゴ/ミリアム・アルター(Comp)(Another Side Of Jazz)
Alter Ego/Myriam Alter(Comp)(Another Side Of Jazz) - Recorded December 8, 1997. Billy Drewes(Sax, Cl), Ron Miles(Tp), Kenny Warner(P), Marc Johnson(B), Joey Baron(Ds) - 1. No More Stress 2. Warmness 3. Funny Story 4. Worry 5. Stay Close To Me 6. Change In Rhythm 7. Slow Waltz 8. Getting Dark 9. Carousel 10. Calm Down

全曲ミリアム・アルターの作曲。彼女はピアノを演奏せずに、演奏は他人にまかせています。ミュージシャンもなかなかの布陣。彼女特有の、哀愁を帯びたきれいな印象深いメロディのテーマと、非4ビート系のジャズが多く、しかも演奏はこのメンバーなだけになかなか硬派な部分も見せてくれます。アドリブの部分ではやや混沌とした各楽器のぶつかり合いの部分も。2曲目のクラリネットのテーマも哀愁が深く、心にしみてきます。テーマの部分が非ジャズ的なのは、彼女がミュージシャンではなかった時期が長かったからかもしれませんが、それを補ってあまりある何かがあるように思います。ジャズ以外のジャンルの音楽も吸収して、美しい音楽(時にフリーに近い場面もありますけど)に仕上がっています。印象深いメロディ。(04年12月15日発売)

2009/09/22

イースト・コースト・ラヴ・アフェア/カート・ローゼンウィンケル

Kurteast
夏前に、カート・ローゼンウィンケルのリーダー作で手に入るものを集めていたのですが、早く聴きたくてもなかなか進まず、やっと今日、初リーダー作を聴くことができました。これはサウンドヒルズレコードが国内盤化をしたもので、フレッシュ・サウンド・ニュー・タレントのレーベルでも、ブラッド・メルドーなど、売れそうなものは国内盤化されていますね。時期的に入手困難かと思われましたけど、何とか待って入荷してきました。やっぱり初リーダー作は外すわけにはいきません。この後Criss Crossレーベルのものと、Verveに移ってからのうち1枚は聴いています。早く点から線につながってくるといいと思います。


イースト・コースト・ラヴ・アフェア/カート・ローゼンウィンケル(G)(Fresh Sound New Talent)
East Coast Love Affair/Kurt Rosenwinkel(G)(Fresh Sound New Talent) - Recorded July 10 and 24, 1996. Avishai Cohen(B), Jorge Rossy(Ds) - 1. East Coast Love Affair 2. All Or Nothin' At All 3. Turn Out The Stars 4. Pannonica 5. Lazy Bird 6. 'Round About Midnight 7. Little White Lies 8. B Blues

初リーダー作。1、8曲目がカード・ローゼンウィンケルの作曲で、他はジャズメン・オリジナルやスタンダード。この当時は現代ジャズという感じは多少するも、比較的オーソドックスな雰囲気でジャズを演奏しています。それでもリズムは非4ビート系ばかりなのは今風かな。メロディとコードを掛け合わせた饒舌かつ滑らかなフレーズ。ギター・トリオでの音やせを全然感じさせないけど、滑らかながらバップそのままではないようです。今から見るとスゴい人選で、それで演奏内容が素晴らしい。1曲目はスローなバラードだけどこれは現代的な味わいをもったサウンドです。作曲やそれに伴う演奏も、なかなかいい感じだなあと思います。そして8曲目はブルースらしくない静かなブルース。この時期からかなりの実力の持ち主だったですね。(03年3月30日発売)

2009/09/20

ホームページをはじめた12年前/今後どうするか

ホームページをはじめたのは12年前、’97年の9月でした。この頃はホームページでも先発組の方でまだ数も少なく、ジャズのことを扱っているだけでいろいろコミュニケーションができた時代でした。ジャズも国内盤だけを集めているだけでだいたい事足りていて、ECMやスティーヴ・コールマンなど、輸入盤しか出ていないものを本格的に集めはじめたのが’98年のこと。それ以前にも輸入盤を集めていた人はいたでしょうけれど、自分にとってはマニアックな世界でしたね。まだ国内盤で、かなりの海外のジャズを網羅できていた時代です。このときはよくCDショップに足を運んでいましたね。

その後、国内のレコード会社の再編があったり、大手ではジャズは不採算だからと制作しなくなったり、ネット通販が発達して、それにつれて情報の主役はジャズ雑誌からネットになり、購入に占める輸入盤割合がだんだん高くなったりと、じわじわと変化が訪れてきました。

5年ほど前からブログをはじめ、その間にも近所の書店が閉店したり、最近ではお付き合いのあったCDショップが閉店したりと、どんどん変化しています。ジャズ雑誌の購入も、昨日書いたように減っていきました。そんな変化の中で12年間自分のホームページが更新をし続けたのは、まあ根気も必要だったかもしれませんが、好きだったからこそできたのだろうと思います。

さて、じゃあ12年後を予測できるかというと、その時はもう60歳、時代も激しく変化をしていて、はっきり言ってその時も更新をし続けているかどうか、全く分かりません。ホームページに掲載したCDはなかなか処分できないので、もうすでにCDラックはいっぱいの状態ですし。

この5連休中に、将来のことも含め、いろいろ考えようかと思ってましたけど、うまくまとまりませんね。いったんは手持ちのCDをほとんど処分して、再出発しようか、とも昨夜思いました。ちょっとした車を買えるくらいの資金はできると思いますが、今となっては入手が難しいCDもゴロゴロしていて、後悔の方が大きくなるのでは、と予想します。

年齢とともに仕事の時間以外に、音楽を聴いてそれを文章化するという、神経を集中しなければならない時間を費やすのがキツくなりつつあるのも事実で、以前は毎日更新ペースでできていたものが、今はできていないのも歳のせいかな、なんて思ったりしています。記事の更新をあまりしなくても、置いておくだけで意味はあるのかな、とも考えましたが、生まれついての貧乏性、やっぱり更新しないと、なんて思いつつ、いろいろな考えが出てきます。

’99年からはじめた、ホームページのアルバムコメントの手直し作業も、10年経った今、あまり進んでいませんね。まともにやるとするとあと1,100枚から1,200枚ほどを聴かなければなりません。新譜に興味が移ってしまったので、なおさら進まなくなってしまっています。まあ、ジャズを何らかの副業(執筆、アフィリエイトなど)にするつもりはないので、気楽ではありますが。

この5連休で、民主党じゃないけれど、方向性を見出して、それに向かってまい進する、とはなかなかいきそうにありませんね(笑)。

2009/09/19

「スイング・ジャーナル」10月号を買ったけれど

今日は「スイング・ジャーナル」10月号が出たので、買って来ました。いろいろ紙面刷新の努力のあとは見えるんだけれども、特に見るべきところはなし。そもそも私にとって魅力的な国内盤が昨年ぐらいから減ってきて、欲しいものが何もない月もあれば1-3枚程度の時もあって、その程度なので、広告やレビューなども関心がなくなってきました。昔は5-10枚ぐらい毎月欲しい国内盤が出ていたのでチェックしていたのですが。7月に1,100円から1,200円に値上げした理由もあれから誌面のどこにも読み取ることはできません。これがこの会社の体質なのかな? 気になる安達久美やフライド・プライド新譜も掲載されていませんしね。もとより澤野工房もかやの外。

数年前に「Jazz Life」「ジャズ批評」「CDジャーナル」などの購読をやめてますが、それで不便を感じたことはありません。他の人でも何人か「スイング・ジャーナル」の購読をやめたジャズ・ファンを知ってますけど、自分もその一人になるのかどうか、今考えているところです。’86年1月号から継続して買っていたんですけれどもね。時代は大きく変わっています。

輸入盤で買えるものは、今は輸入盤で買うようにしています。数百円も高い国内盤を、読みもしないライナーを付けてもらったって、こちらにはありがたくないですし。そうなると国内盤依存の「スイング・ジャーナル」誌は、自分にとってますます縁の遠いものになっていきそうです。来年の1月号までは様子をみてみるつもりですけれども。

2009/09/17

Nostalgic Journey: Tykocin Jazz Suite/Randy Brecker

Randynost
ポーランドのミュージシャンと組んだランディ・ブレッカーの新作が出ましたが、内容をよく確認すると、Wlodek Pawlik Trio Featuring Randy Breckerという感じですね。でもこれだとあまり手を出す人がいないだろうから、ランディ・ブレッカーのリーダー作にしてしまった感じ。でも、ランディの存在感は大きいので、別に不都合はないんですけど。ピアニストが全曲作曲していて、いろいろな趣向の曲がありますが、なかなかこっていますねえ。曲によってはオーケストラとの絡み具合もいい感じだし。ネット時代にならなければ、なかなかこういうアルバムにチェックが入らないな、と改めて思った次第です。


Nostalgic Journey: Tykocin Jazz Suite/Randy Brecker(Tp)(Summit Records)(輸入盤) - Recorded July 2008. Wlodek Pawlik(P), Pawel Panita(B), Cezary Konrad(Ds), The Podlasie Opera And Philharmonic Of Bialystok, Marcin Nalecz-Niesiolowski(Cond) - 1-3. Introduction: 1. Movement 1 2. Movement 2 3. Movement 3 4. Nostalgic Journey 5. Let's All Go To Heaven 6. Piano Introduction To No Words... 7. No Words... 8. Magic Seven 9. Blue Rain

(09/09/17) サブタイトルに「The Music Of Wlodek Pawlik」とあり、全曲ピアニストの作曲。そこにランディ・ブレッカーが客演するような形式です。なので、全曲彼が吹いているわけではないですが、彼の存在感はありますね。ポーランドの管弦楽団もバックにあって、東欧らしいクラシック風の曲からジャズ(あるいはファンクか)の間を行ったり来たりするような、さまざまな曲調の曲があります。イントロダクションの3曲はモロにクラシック調で、ランディは参加していません。ジャジーな曲は7、10曲目で、他はファンクだったりラテンだったりといろいろ。その中をランディのトランペットが自由に泳ぎまわっている感じ。タイトル曲の4曲目は、タイトルがサウンドをよく表している、ヨーロピアンな雰囲気。場面によってはけっこうカッコよい。

2009/09/15

Krantz Carlock Lefebvre/Wayne Krantz

Waynekrantz
先日、ウェイン・クランツのEnja盤旧譜を聴いてみて、Abstract Logixレーベル(ハードコア・フュージョンでは有名なレーベル)から新譜を最近出しているので聴いてみようということになりました。う~ん、不思議なギタリストですね。何となくビル・フリゼールのハードな局面と似ているような気もするし、そうでないような気もするし。上手くなければ生き残れない世界ではあるのですが、ギターの素人が聴くと、何となくヘタウマのような気もするし。でも、このアルバムはギター・トリオの3人の個性の違いがうまく出ていて、バランスもとれているハードコア・フュージョンのアルバムになっています。こういう個性もいいですねえ。


Krantz Carlock Lefebvre/Wayne Krantz(G, Vo)(Abstract Logix)(輸入盤) - Recorded March 2009. Tim Lefebvre(B), Kaith Carlock(Ds) - 1. It's No Fun Not To Like Pop 2. War-Torn Johnny 3. Pushdie 4. Wine Is The Thread 5. The Earth From Above 6. Left It On The Playground 7. Jeff Beck 8. I Was Like 9. Mosley 10. Holy Joe 11. Rugged Individual

(09/09/15) 全曲ウェイン・クランツの作曲。ギター・トリオという編成で、相変わらずコード、あるいはメロディに絡めたコードを弾いている割合が高いですが、ロックに近いファンクのテイストを持ったハードコア・フュージョンとでも言うべき独自の世界を持っています。ドラムスがやたらプッシュしていて、ベースも割と自由に加わり、その上をギターが泳いでいるという雰囲気。あまり上手くない気がするけど、ヴォーカルも。ちょっとラフな演奏かもしれないですけれども、このレーベルならではのカッコ良い音創りになっています。ギターは多重録音をしている部分もあるようです。レーベルとしてはキース・カーロックのドラムスは適任です。作曲と演奏が合っているし、曲も単調なように見えて変化に富んでいます。けっこうマニアックかも。

2009/09/14

プレイス・トゥ・ビー/上原ひろみ

Ueharaplace
上原ひろみのソロ・ピアノは以前のアルバムでも1曲とか入っていたものもありましたけど、全編ソロというのはこれがはじめて。いや~、ぶっ飛びましたよ。オリジナルがメインだということもあるし、なかなか60分以上ソロでもたせるのは、音楽性と技巧と、そして表現力がいります。そのどれもを高水準で満たしているのが彼女のピアノ。しかも曲やフレーズに独自性がありますし。彼女自身のオリジナリティをこれでもかと出しています。超絶技巧の方にも振れているとはいえ、豊穣な音楽性も出していて、ファンにはいいプレゼントになったと思います。スタンダードなどがない点で、好みは分かれるかもしれませんが。


プレイス・トゥ・ビー/上原ひろみ(P)(Telarc)
Place To Be/Hiromi Uehara(P)(Telarc) - Reocorded March 20 and 21, 2009. Akiko Yano(Vo on 13) - 1. Boe 2. Choux Ala Creme 3. Sicilian Blue 4. Berne, Baby, Berne! 5. Somewhere 6. Cape Cod Chips 7. Islands Azores 8. Pachelbel's Canon Viva! Vegas: 9. Show City, Show Girl 10. Daytime In Las Vegas 11. The Gambler 12. Place To Be 13. Green Tea Farm(Bonus Track)

初めてのソロ・ピアノのアルバムで、9曲目以外は上原ひろみの作曲。プログレッシヴ、変拍子、ポップス、ジャズ、クラシックと曲によってさまざまなサウンドだし、かなりの技巧を持って弾いているので、安心感があります。そして、意外にも4ビートジャズとかジャジーとか、そういう曲がオリジナルにもかかわらず割と目立つので、インプロヴィゼーションも含めてジャズとしても楽しめると思います。それにしても、曲ごとに、あるいは場面ごとにかなり雰囲気が違っているのが見事というか。超絶技巧でハッとさせたと思えば、しっとりメロディアスにもなったりして。9曲目はクラシックの曲で、9-11曲目は組曲になっています。13曲目は日本のみのボーナス・トラックですが、矢野顕子がヴォーカルで、ちょっと異色な雰囲気もあります。(09年9月5日発売)

2009/09/11

新緑の中に雨が降っている/中村尚子&古澤良治郎

Nakamurashin
今日は「インディーズのジャズCDを応援するページ」で久しぶりにコメントしましたので、そのアルバムを取り上げてみたいと思います。


新緑の中に雨が降っている/中村尚子(P)&古澤良治郎(Ds)(BQ Records) - Recorded July 15 and November 11, 2008. - 1. 新緑の中に雨が降っている 2.対話~ダイアログ~ 3.かげろう 4.地下鉄にて 5.Peace 6.ひかりのくに 7.A・E・E・A 8.新緑の中に雨が降っている(ピアノソロ)

以前、春犬バンドとして3枚紹介させていただきましたが、今回は中村尚子(P)&古澤良治郎(Ds)というメンバーのクレジット。5曲目のホレス・シルヴァー作以外は、中村尚子の作曲です。

CDのオビには「初めてなのに懐かしい」と中村さんのことを書いてありますが、なるほどその通り、ジャズというよりは日本情緒を感じるサウンドに仕上がっています。ビートも4ビートは一切なしで、ドラムスとの演奏も、ピアノとドラムスとが対峙するというよりは、一緒になって進んでいくという感じ。ナチュラルで、そこにポップスやヒーリングの味わいも持っていると言えばいいのか。

1曲目はタイトル曲で、そのソロピアノヴァージョンがラスト(8曲目)にきています。1曲目は間があって空気感のあるピアノの間をパーカッシヴな、これまた間を感じるドラミングで対話しているという、やはり日本人でなければできないようなサウンド空間を作り上げています。静かな中のドラムスのプッシュが印象的。8曲目は同じ曲をソロ・ピアノで静かに演奏していて、アルバム・タイトルやサウンドが方向性を決定づけ、重要な意味を持つのでしょう。

日本のニューミュージック的なメロディを持つ、8ビートで進行していく2曲目もどことなくゆったりしていて、まさに「懐かしい」雰囲気。4分の4の中に、ほんの少し、3拍子もはさみ込まれています。ドラムスはビートに専念しています。そして、タイトルのように淡い味わいを持ちつつ、パステルカラーのようなコード進行を使って、しっとりとゆっくり進みつつ、情念のような熱さも秘めている3曲目。

4曲目はこのアルバムでは珍しく、ドラムスをビートで使った、ファンク的なノリの良さを前面に押し出した曲。5曲目のジャズメン・オリジナルは、ソロ・ピアノで落ち着いた演奏を聴かせてくれます。他のオリジナル曲と溶け込んでいる感じ。

6曲目もソロ・ピアノで、短調だけれども、その哀愁かげんが何とも言えずいい感じのゆったりした曲です。そして、ドラムスが静かに加わり、短調かつメロディアス、そして静かなところから、時に弾む感じにフレーズが舞っていく7曲目。この曲はインプロ的な部分もあります。隠れた、そして時々表情を出す情熱。

日本人でなければ表現できないサウンドを、味わってみるのもいいかも。

2009/09/09

Wait Till You See Her/John Abercrombie Quartet

2102
ECMレーベルジャズ聴き3日目でひと区切り。このクァルテット、今までにベースがマーク・ジョンソンで3枚出ていたのですが、今回はベースが入れ替わりです。この編成で4枚目となると、よっぽど気に入っているんでしょうね。でも、ギターがリーダーでヴァイオリンの入っているクァルテットの編成は、他ではなかなかなくて、そういう意味ではうまい組み合わせなんじゃないかと思います。サウンドの表現的にもECMレーベルに合っている感じがするし。今回、トーマス・モーガンのベースが、何曲かで4ビートに行きたいんだけれど、なかなか行けない、というもどかしいところを見せてくれてますが、あくまでも個人的感想、ということで。


Wait Till You See Her/John Abercrombie(G) Quartet(ECM 2102)(輸入盤) - Recorded December 2008. Mark Feldman(Vln), Thomas Morgan(B), Joey Baron(Ds) - 1. Sad Song 2. Line-Up 3. Wait Till You See Her 4. Trio 5. I've Overlooked Before 6. Anniversary Waltz 7. Out Of Towner 8. Chic Of Araby

(09/09/06) 前回のメンバーからベースだけ入れ替わり。3曲目のみスタンダードで、他はジョン・アバークロンビーの作曲。相変わらずちょっと神経質で繊細な世界を表現しています。1曲目から静かなバラードで徐々に心の奥に入り込んできます。フリーのようにバラバラに進んでいき、中途で盛り上がりつつ、時に4ビートも混ざる2曲目、しっとりとメロディアスに優しく歌っていくタイトル曲の3曲目、ギタートリオでの演奏がいい感じで盛り上がりつつ4ビートになりそうで少ししかならない4曲目、静謐な中を弦楽器が泳いでいくような曲調の5曲目、タイトルとうらはらにあっさり系で、4分の4との複合拍子的なワルツの6曲目、やや寒色系ながら珍しくミディアムの4ビートでの7曲目、文字通りアラブ的でエキゾチックな曲調の8曲目。

2009/09/08

Stone In The Water/Stefano Bollani Trio

2080
ECMレーベルのジャズ聴き2日目。ステファノ・ボラーニもこれでこのレーベル3枚目かな?ECMの風土に合っているというか、実力が認められたというか。実際、このアルバムを聴いて、非4ビート系のヨーロッパ・ジャズのピアノ・トリオ作では、素晴らしい出来だな、と個人的には思っています。まあ、スタンダード集ではないわけだし、フレーズなどもあまり分かりやすいとは思いませんけど、その肌合いというか、繊細と豪胆を併せ持っていて、しかも主に繊細な方で勝負しているような感じです。基本はECMの方向性だけれども、その中でかなり自由にやらせてもらっている感触はありますね。


Stone In The Water/Stefano Bollani(P) Trio(ECM 2080)(輸入盤) - Recorded October 2008. Jesper Bodilsen(B), Morten Lund(Ds) - 1. Dom De Iludir 2. Orvieto 3. Edith 4. Brigas Nunca Mais 5. Il Cervello Del Pavone 6. Un Sasso Nello Stagno 7. Improvisation 13 En La Mineur 8. Asuda 9. Joker In The Village

(09/09/06) 全9曲中4曲(5-6、8-9曲目)がステファノ・ボラーニの作曲で、ベーシストの曲も2-3曲目に。ボラーニがイタリア人に対し、ボトムの2人はデンマーク人。レーベルカラーなのか、非4ビート系で慈しむような、流れていく静かなトリオの曲が目立っていて、これはこれで非常に美しいサウンド、そして紡ぎだされるフレーズ。それでいて2、5曲目のようにある程度エネルギーがあり、ピアノのフレーズが盛り上がりで爆発するような曲もあります。トリオの温度感は低めだけれど、ボラーニのピアノの内なる情念がふつふつと燃え上がろうとする雰囲気を時おり感じます。アントニオ・カルロス・ジョビンの共作曲の4曲目が異色だけど、静かに進行して行き、他の曲と同化しています。7曲目はフリーでなく、他の人の作曲。

2009/09/07

Niccolo Paganini/24 Capricci/Thomas Zehetmair

2124
今回も、ECM New Seriesとしては看板のミュージシャンが登場しています。イタリアのパガニーニの曲を題材にしていますが、最近このレーベルで目立ってきたクラシックの王道路線ですね。特にパガニーニのアルバムの方はヴァイオリンのソロなんですが、音数がやたら多く、さすが超絶技巧の曲と感心してしまいました。


Niccolo Paganini/24 Capricci/Thomas Zehetmair(Vln)(ECM New Series 2124)(輸入盤) - Recorded December 2007. - 1-24. 24 Capricci Per Violino9 Solo Op.1

(09/09/06)Niccolo Paganiniは19世紀イタリアのヴァイオリニスト、作曲家。超絶技巧のヴァイオリニストとして知られ、この曲もヴァイオリンのソロなのに、まるで複数のヴァイオリンが鳴っているかのような、数多くの音符で彩られています。これを再現することさえ非常に難しいことと思われるのに、それを音楽的に高めて演奏しているThomas Zehetmairの技術、音楽性もたいしたものです。しかし、どうやって音を出しているのか、不思議。

Dresden/Jan Garbarek Group

2100
いよいよECMレーベルのジャズの方です。このヤン・ガルバレクの新譜もなかなか力の入っているアルバムです。ビートは4ビートではなくて、ベースもフレットレスのエレクトリックと、ドラムスがマヌ・カッチェなので、フュージョンの方に区分したいところなんですけど、ECMでこのぐらいのサウンドは私のところではジャズにしているので、慣例に従って(笑)、ジャズにしておきます。CD2枚組、2時間超のライヴは聴きごたえがあります。静かな場面が多いですけど、それでもドラムスが技を仕掛けてくるところなんか、やはり面白いというか。ガルバレクのホーンは一度聴くと耳から離れないほど、静かに、確実に、しみこんできます。


Dresden/Jan Garbarek(Ss, Ts, Selje Fl) Group(ECM 2100/01)(輸入盤) - Recorded October 20, 2007. Rainer Bruninghaus(P, Key), Yuri Daniel(B), Manu Katche(Ds) - 1. Paper Nut 2. The Tall Tear Trees 3. Heitor 4. Twelve Moons 5. Rondo Amoroso 6. Tao 7. Milagre Dos Peixes 8. There Were Swallows 9. The Reluctant Saxphonist 10. Transformations 11. Once I Dreamt A Tree Upside Down 12. Fugl 13. Maracuja 14. Grooving Out! 15. Nu Bein' 16. Voy Cantando

(09/09/06) 全16曲中、10曲(2-4、8-9、11-13、15-16曲目)がヤン・ガルバレク作曲。再演曲もあります。CD2枚組で、ライヴの演奏。静かでエキゾチックな曲が多いですが、エレキ・ベースとマヌ・カッチェのドラムスを交えたワン・ホーン・クァルテットなので、曲によっては意外にECMらしからぬ、リズミックで外向的なサウンドになることも(特に1曲目、7曲目後半、11、13-15曲目)。ガルバレクはそれにおかまいなしで、マイペースでサックス(時にフルート)を吹いていますが。相変わらず明るくて透明度の高い音色とフレーズ、そして時にミステリアス。スムース・ジャズに行くことなく、ECMの土俵で時に心が洗われるようなホーンが、なかなか印象的。変幻自在なバンドサウンド。時に長めのボトムのソロもいい感じ。

2009/09/06

Neharot/Kim Kashkashian

2065
ECM New Seriesの続きです。この秋はECM40周年で力が入っているということを書きました。今回も、ECM New Seriesとしては看板のミュージシャンが登場しています。イスラエルとアルメニアの現代音楽ですが、ECMらしい焦点の当て方と選曲ですね。キム・カシュカシャンは哀愁度としてはかなりなものです。もっと深く理解できたらなあ、と思いました。


Neharot/Kim Kashkashian(Viola)(ECM New Series 2065)(輸入盤) - Recorded January 2006, October 2007, March and May 2008. An Raskin(Accordion), Philipp Jungk(Per), Lea Avraham, Ilana Elia(Voices on Tape), Munchner Kammerorchester, Alexander Liebreich(Cond), Robyn Schulkowsky(Per), Tigran Mansurian(P), Boston Modern Orchestra Project, Gil Rose(Cond). Kuss Quartett: Jana Kuss(Vln), Oliver Wille(Vln), William Coleman(Viola), Felix Nickel(Cello) - 1. Betty Olivero: Neharot Neharot 2. Togran Mansurian: Tagh For The Funeral Of The Load 3. Komitas: Oror 4-6. Tigran Mansurian: Three Arias (Sung Out The Window Facing Mount Ararat) 7. Etian Steinberg: Rava Deravin

(09/09/06) イスラエルとアルメニアにゆかりのある、主に20世紀以降の作曲家の演奏。録音日時も作曲家もまちまち。その中のひとりティグラン・マンスリアンはアルメニアの作曲家ですが、生まれはベイルート。同じアルメニアのコミタスの3曲目のみ、キム・カシュカシャンは参加せず、ティグランのピアノソロ。現代音楽ではありますが、1曲目はヴォイスも入って、よりイスラエル的な民族音楽的なサウンドです。7曲目はどことなく哀愁が。

2009/09/05

Johann Sebastian Bach/Six Partitas/Andras Schiff

2001 8月は1枚もなかったECMレーベルですが9月に8種類ぐらい登場してきます。今日はその第1弾でシフのバッハ集。CD2枚組で130分以上もあるので、聴くのは大変でしたけど、ちょっと前はコンサートでベートーベンのピアノソナタを全部収録するぐらいの人。元々はバッハも弾いていたそうで、かなり安定感があります。検索をかけてみても、このアルバムの評価は高いようで、果たしてこのアルバムが名作になるのかどうか。私は「良かった」という印象以外、クラシックやバロック音楽はあまりよく分かりませんが、ECMも40周年を意識して、今月は力が入っています。いい位置を占めるんではないでしょうか。

 

Johann Sebastian Bach/Six Partitas/Andras Schiff(P)(ECM New Series 2001/02)(輸入盤) - Recorded September 21, 2007. - 1-7. Partita 5 in G Major BWV829 8-14. Partita 3 in A Minor BWV827 15-21. Partita 1 In B-flat Major BWV825 22-27. Partita 2 In C Minor BWV826 28-34. Partita 4 In D Major BWV828 35-41. Partita 6 In E Minor BWV830

(09/09/05)CD2枚組。コンサートの演奏。バッハは18世紀ドイツの有名な作曲家です。どんどんコンサートで完璧な演奏を聴かせてしまうアンドラーシュ・シフはタダモノではないと思います。バッハの曲ということもあって、速いパッセージの場面もあるにしても、構成美もあるし、構成的にけっこう安定しているため、それをシフのバッハを得意とする安定した演奏で聴けて、安心感があります。収録は番号順ではないですが、それもまたよし。

ガソリン価格の推移(Part2)

昨年10月、ガソリン価格の高騰後にガソリン価格の推移ということを書きました。

今回はその後いったん下がって現在上がりつつあるところまでの記録です。(ハイオクガソリンで近所のスタンドで入れた金額です。)

平成20年8月9日    193円(最高値のあたり)
平成20年9月11日   178円
平成20年10月2日   172円
平成20年10月28日  155円
平成20年11月11日  138円
平成20年12月2日   128円
平成20年12月26日  115円(このあたりが底。スタンドによっては110円を切った。)
平成21年2月16日   118円
平成21年3月14日   119円
平成21年4月27日   125円
平成21年5月28日   128円
平成21年7月3日    130円
平成21年7月20日   134円(しばらくこの価格が続いた。)
平成21年9月4日    140円(3日にいきなり134円から上がった。昨日だけ142円でした。)
平成21年10月1日   136円(追記です)

価格が乱高下したあたりは小刻みに入れて、安定している時は満タンで入れているので、間隔はマチマチです。

せっかく民主党が政権を取ったのだから、できるだけ早くガソリンの暫定税率を廃止してもらいたいところ。今後さらに上がるだろうという予想もあり、ガソリン価格が上がり続けたら、景気回復もしぼんでしまうかもしれません。

2009/09/04

Live In Vienna/ロマン・シュヴァラー・ジャズカルテット

Romanlive
澤野工房でまた旧譜が出たと思ったら、これはそんなに古くなく、’87年の録音だったです。ちょうどLPからCDへの過渡期で、当初LPで発売されたものを曲を2曲付け足してCD化。これはライヴのため、曲を付け足したことによる違和感は全然ないです。むしろこういう元気な曲、静かなバラードの曲を含めて66分も聴けるうれしさはありますね。この時代、いかにも現代ジャズという感じのメカニカルだったり難解だったりするジャズが多いのですが、そんなことにはお構いなく、ロマン・シュヴァラーはメロディアスにガンガンフレーズを紡ぎだしています。そういう意味ではけっこう親しみやすいアルバムかな、と思います。


Live In Vienna/ロマン・シュヴァラー(Ts)・ジャズカルテット(澤野工房)
Live In Vienna/Roman Schwaller(Ts) Jazzquartet(Atelier Sawano AS089) - Recorded January 20, 1987. Roberto Di Gioia(P), Thomas Stabenow(B), Mel Lewis(Ds) - 1. Beautiful Love 2. Moblybop 3. Body & Soul 4. Broadway 5. Love Someone You Like 6. La Ballade Pour Pipette 7. Bolivia

CD化に際し、2-3曲目を加えて全7曲、66分になっています。ロマン・シュヴァラーの作曲は5-6曲目、ピアニストの作曲が2曲目にある他は、スタンダードやジャスメン・オリジナル。ロマンのテナー・サックスはメカニカルになることもなく、とことん歌いまくるサックスなので、多くのジャズファンや初心者の方にも受け入れられやすいのではないかと思います。アップテンポの曲でも、とにかくフレーズが歌いまくり。もちろん3、6曲目のようなバラードでも、そのメロディは満開状態です。次から次へとメロディが湧き出てくる感じ。他のメンバーも、メロディに振れたアドリブを展開していて、この時代にしては珍しく、メロディ満開のライヴになっています。オリジナルの曲も、他の曲と何ら違和感なく溶け込んでます。現代ハードバップか。(09年8月21日発売)

2009/09/02

Colors/David Liebman

Davidcolors
久しぶりにHatologyレーベルのCDを買いました。しかも旧譜。いつもデイヴ・リーブマンに関してはDave Liebmanで検索をしていたので、David Liebmanでないと引っかからなかったので、モタモタしてしまいました。しかも彼は同レーベルでサックス・ソロのアルバム(そちらはライヴ)をもう1枚出しているんですよね。持っていたかなあ、と勘違いしていた部分もありました。ただ、求道者的なサックス・ソロは聴く人をだいぶ選びますね。私も1度聴けばいいかなあ、と思うぐらい。これがソニー・ロリンズのソロ・アルバムのようにメロディアスで有名な曲の引用が多ければ、また違うんでしょうけれど。


Colors/David Liebman(Ts)(Hatology 600)(輸入盤) - Recorded Summer 1998. - 1. Red 1 2. Black 1 3. White 1 4. Grey 1 5. Blue 1 6. Yellow 1 7. Red 2 8. Black 2 9. White 2 10. Grey 2 11. Blue 2 12. Yellow 2

(09/09/02) サックス・ソロのレコーディングで、全部デイヴ・リーブマンの即興演奏。時に知が勝る感じはあるけれども、それでも力任せに吹く場面もあり、いろいろな奏法を駆使して、かなり高度なことをやっているんだろうなあと思います。それでいて、既成の曲のメロディアスなメロディが出てくるわけではないです。フラジオ奏法とでも言うのか、本来テナー・サックスでは出ない音域も吹いたり、サックスのボディを叩いてみたり。曲名を色で表していて、なるほどなあ、とも思いますが、その色をイメージして吹いたのでしょうか。適度に抽象的な感じで、まさに抽象画を見ている気分に近いかも。求道者的な雰囲気。彼がサックスのソロの演奏をしているのはこのアルバムだけではないのですが、本当に奥が深いミュージシャンです。

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