Takashi/松永貴志
このアルバム、実は’03年の発売時に買おうと思っていたんですよ。ところが当時はCCCD(コピーコントロールCD)という悪夢のフォーマットでの発売だったため、買うのを止めたんですね。こういうところでお客さんを失うという典型的な例ですね。その後、彼のリーダー作は5枚出てますが、今まで買ってませんでした。最初の2枚以外は、確かCCCDではなかったんですが、恐怖心は消えない(笑)。’08年になって、彼の最初の2枚を通常CDのフォーマットで再発、それをやっと聴いたというわけです。かなりいいじゃないですか。17歳とはとても思えないほどに上手いです。というわけで愛聴盤のひとつになりました。
Takashi/松永貴志(P)(Somethin'else) - Recorded February 24, March 6 and 7, 2003. 安ヵ川大樹(B)、広瀬潤次(Ds) - 1. 宿題 2. High In The Sky 3. Beautiful Love 4. Melon 5. Caravan 6. Night River 7. Yesterdays 8. HIghway Blues 9. A Child Is Born
このデビューアルバムが出た時に松永貴志は17歳。オリジナルが5曲(1-2、4、6、8曲目)と他はスタンダード。1曲目も邦題は「宿題」と子供っぽいタイトルだけど、実際の演奏は目の玉がぶっ飛ぶほどにカッコよい演奏です。ジャズに関しては独学が強いのでは、という印象もあります(習ってたんですね)が、それが個性になって、破天荒なフレーズがよどみなく出ています。ブラインドでは17歳のピアニストとは思えないんじゃないかな。5曲目の「キャラバン」も左手のフレーズが思いっきり動いていてかなりの躍動感があります。ピアノの意図を汲んで、印象深くてカッコよいサウンドで支えているボトムの2人も見事。2曲目は哀愁漂いながらも複雑な進行。曲良し、テク良しの若い稀有なピアニストの出現です。スタンダードも良い。(08年5月14日発売)
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