Form/Danny Grissett
Criss Crossレーベル新譜聴き2日目。まだ今回4枚発売中2枚しか聴いていませんけど、全編にわたって爆発するようなアルバムってまだ出会ってません。このアルバムもややバラードというか内省的というか、そういうサウンドの部分も目立っているような気がします。たぶん、これが現代ジャズの方向性なんでしょうけれども。もちろん7曲目のように変拍子でありながら、かなり突っ走っている曲はありますが。アルバムとしての流れという点ではなかなか面白いとは思いますけれど、どうなんでしょう。ただ、それぞれのソロもいいし、3管のハーモニーで印象的な部分も多く、アレンジャーとしてはいいんですよね。
(追記)その後また聴いてみましたが、バラードの曲は内省的というよりは、温度感の高めな穏やかな静けさ、という感じのサウンドでした。
Form/Danny Grissett(P)(Criss Cross 1315)(輸入盤) - Recorded December 13, 2008. Ambrose Akinmusire(Tp), Steve Davis(Tb), Seamus Blake(Ts), Vicente Archer(B), Kendrick Scott(Ds) - 1. King Cobra 2. Heard's Word 3. Without You 4. Let's Face The Music And Dance 5. Distant 6. Ugly Beauty 7. Are We There Yet?
(09/06/05)ダニー・グリセット作は4曲(2-3、5、7曲目)で、他にスタンダードやジャズメン・オリジナル。曲により3管編成のカラフルなハーモニーが魅力的。ハービー・ハンコック作の、出だしの印象的なホーン・アンサンブルと、スペイシーで自由度のあるアドリブの部分が対照的な1曲目、テーマがソフト、リズムのキメが多いと思うとアドリブでは渋い、ややアップテンポの2曲目、テンポ感がゆるく流れるように進行していき、多少盛り上がりもあるバラードの3曲目、端正にスタートしたと思ったらけっこう暴れまわっているスタンダードの4曲目、トロンボーンの淡いテーマではじまるしっとりとしたバラードの5曲目、セロニアス・モンク作をピアノ・トリオで、滑らかなワルツの6曲目、アップテンポかつ変拍子で威勢よく突っ走る7曲目。
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Danny Grissett盤の紹介は、これで3枚目となります。(たぶん)
ちなみに、過去2枚は以下の通り。(他は持っていないはず。サイド参加は除く)
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これまでは、Vicente A..... [続きを読む]
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工藤さん、こんにちは。
オイラもCriss Crossレーベルの新譜をどうしようか悩んでいたところですが、工藤さんの感想で「なるほどね!」って感じです(笑)。まぁ、最終的には聴かなければ分らないというところでしょうが、最近の傾向として確かに楽器は上手い!アンサンブルもまずまず、まとまりも悪くない。でも、揺さぶられるものが・・・。ツー傾向ですよね。新譜を慌てて聴く必要もないか?(笑)。
オイラこの頃、外国の新譜より菊地雅章の再発売モノが気になっています(笑)。
投稿: tommy | 2009/06/05 20:56
>tommyさん
Criss Crossレーベルにハズレなし、ってまわりではよく言ってますけど、あくまでも新譜レベルの話でして、内容的にはtommyさんのおっしゃられること、ほぼズバリです。
ジャズ歴史で淘汰されて生き残ってきたアルバムと比べるのは酷かもしれません。でも、比べちゃうと、という面はあります。
でも新譜漁りって、楽しいですよ。これは、というアルバムに出会うまでが時間がかかりますけど。好みも皆違うので、少しの情報を頼りに、あとは勘で、という感じでしょうか。
投稿: 工藤 | 2009/06/05 21:54
こちらからもTBさせていただきます。
いつものピアノトリオの雰囲気とはまた一味違って、ホーン入りの本作もなかなか良かったです。
ホーン陣では特にシーマス・ブレイクが、いつもよりもホットな感じで良いなあと思いました。
あとわたし的にはなんといってもケンドリック・スコットですね。
リーダー作と同様に、活きのいいドラミングを楽しむことができました。
投稿: nary | 2009/06/10 18:53
>naryさん
TBどうもありがとうございます。
このアルバムはモーダルな感じと、アルバム全体に占める曲数は低いながらも、独特な3管ハーモニーが頭にこびりついてしまっています。ワン・ホーンもあれば、ピアノ・トリオの曲もあるのに、不思議です。
また時間を置いて聴き直そうと思うのですが、同じところに耳が行ってしまって、という可能性大です。でも、ダニー・グリセット、いい仕事しているなあ、とは思います。
投稿: 工藤 | 2009/06/10 20:48
910さん、こんばんわ。
お久しぶりです。
まだ今回のCC4枚のなかでは、本作とケンドリック・スコットの2枚しか聴いていませんが、両方ともいい感じです。
特に本作は完全にワタクシのツボです。クールで知的なグリセットの持ち味がストレートに表出しているようで。
はじめはピアノトリオじゃないということでがっかりしてましたが、この管モノもよいですね。
グリセットは、これから5年10年とウォッチしていきたい逸材ではないでしょうか。
投稿: criss | 2009/06/14 22:20
>crissさん
TBどうもありがとうございます。
管もので、しかもモーダルな感じが出ていて、今までリーダー作はピアノ・トリオだったので、彼の意外な面が見えてよかったでした。
今までも彼のアルバムに注目していた人が多かったので、もっと有名になれる人かもしれませんね。
投稿: 工藤 | 2009/06/14 23:11
管の活躍が印象的な作品で、好感触でした。
Seamus Blakeが印象的だったのは自明として、秘やかにAmbrose Akinmusireもいい仕事してた!?って感じですかねぇ
TBありがとうございます。逆TBさせていただきます。
投稿: oza。 | 2009/07/24 06:26
>oza。さん
TBどうもありがとうございます。
いつもはピアノ・トリオの印象しかなかったのですが、このアルバムでガラッと印象が変わりました。やっぱり評判がいいのはピアニストの腕前だけではなかったんだなあ、なんて思ったりしてます。
でも、3管の曲が少ない割には3管の印象がやたら強いんですよ、私の場合。
投稿: 工藤 | 2009/07/24 17:59