Jungle/小曽根真 featuring No Name Horses
No Name Horses名義のアルバムも3枚目になりました。ここで「小曽根真 featuring」となっているのは、彼の名前をつけるとより売れるのか、それともラテンの方に方向を変えたからなのか、理由はよく分かりません。ただ、ラテンとは言っても、織りなすビッグバンドサウンドは明るいイケイケ風よりも、陰影に富んだ内省的なサウンドも目立ちます。ラテン・ジャズの要素も大きいですが、クラシック的な部分も感じます。ビッグバンドはストレートなサウンドよりも、どこか屈折したサウンドの方が好きなので、こういう表現、いいですねえ。もちろんメンバーの演奏の難易度は高そうですが。変化に富んでいるアルバムです。
Jungle/小曽根真(P) featuring No Name Horses(Verve) - Recorded March 2-5, 2009. エリック宮城(Tp、Flh)、木幡光邦(Tp、Flh)、奥村晶(Tp、Flh)、岡崎芳朗(Tp、Flh)、中川英二郎(Tb)、片岡雄三(Tb)、山城純子(Btb)、近藤和彦(As、Fl、Ss、Pcc)、池田篤(As、Fl)、三木敏雄(Ts)、岡崎正典(Ts、Cl)、岩持芳宏(Bs、Cl)、中村健吾(B)、高橋信之介(Ds)、ゲスト:パーネル・サトゥニーノ(Per) - 1. Jungle 2. Coconuts Meeting 3. No Siesta 4. Cave Walk 5. Safari 6. B & B 7. Moon Flower 8. La Verdad Con Los Caballos 9. Oasis
小曽根真作が9曲中6曲(1-4、6、9曲目)で、他の3曲もメンバーの作曲。今回のアルバムは小曽根真の名前が前面に出たラテン・ジャズのアルバム。とはいうものの、特に1曲目は、けっこうアレンジも凝っていて、シリアスな部分も多く感じます。それでいて3曲目など、明るいイケイケのラテンの部分も持ち合わせている曲もあります。それでも複雑なアレンジやキメを随所に感じ、このバンドらしく、一筋縄ではいかないサウンド。しかもかなりダイナミックレンジの広い、ドラマチックな展開です。4曲目は7拍子でほの暗い雰囲気で中盤は4拍子の盛り上がりのある曲。5曲目は6拍子のなぜかアフリカンなサウンド(タイトルは「サファリ」)。しっとり系のバラードと思いきやドラマチックな高まりも見せる7曲目。ラスト9曲目はボッサ。(09年5月20日発売)
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