ひばりとシャープ 虹の彼方/美空ひばり
美空ひばりのジャズ・レコード2日目。こちらの方が古く、’61年の録音になっています。全曲日本語で歌う、といのは海外ジャズヴォーカル・ファンからすると抵抗あるかもしれませんが、歌自体はけっこう良くて、バンドのアレンジもいいですね。10曲目の「マック・ザ・ナイフ」のタイトルが「匕首(あいくち)マック」となっているのも、時代を感じさせます。当時の日本の海外ジャズの流入度からいけば、数年のタイムラグがあったと思うのですが、サウンド的に、50年代のジャズヴォーカルとビッグ・バンド・サウンドを取り入れた感じになっていて、ストリングスの入った曲もあって、なかなかゴージャスです。いい時代もあったものです。
ひばりとシャープ 虹の彼方/美空ひばり(Vo)(コロムビア) - ’61年発売。原信夫(Cond)とシャープス・アンド・フラッツ、高珠恵ステレオ・ストリングス - 1. Over The Rainbow 2. Cry Me A River 3. Cucurrucucu Paloma 4. I Love Paris 5. Love Letters 6. Blueberry Hill 7. C'est Magnifique 8. Danny Boy 9. Just One Of Those Things 10. Mack The Knife
25センチLPで発売されたものに2曲ボーナストラックを追加して収録、トータルで31分のCD。曲目は全曲日本語で歌っていますが、’50年代の海外のジャズヴォーカリストが歌っていた曲やラテンの曲など、おなじみの曲が多いです。往年の海外ジャズヴォーカリストが歌っていたような雰囲気は満点なので、そういう意味ではその方面が好きな人には楽しめるアルバム。ライナーには昭和36年の日付で油井正一氏がジャズ評論家として書いているところなど、歴史を感じますけど、当時の日本ではこういうサウンドがジャズとして愛好されていたんだな、ということが分かります。ビッグ・バンド・サウンドもなかなか。歌謡曲とジャズの合間という感じですけどさすが美空ひばり。10曲目では「マック・ザ・ナイフ」も歌っています。(08年8月20日発売)
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